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第60話 (╯°□°)╯︵ 駄女神再び 


「あ〜あ、やっぱりこいつか、関わりたくね〜」

 俺の目の前には女神様の銅像がたっている。


 運命の女神テュケ、この世界を守護する3柱の一人そして俺を間違えてこの世界に転移させたやつでもある。

 最初のうちはいつか腹パンしてやろうと怒っていたが、リル達のおかげでこちらの世界でもそれなりに楽しく暮らせている。いつしか女神の事などどうでも良くなっていた。このまま関わらないに限るだが、どうしたものか……


「何をしてるの?女神様が気になるのかしら?」

 セレーナ様は祈りを捧げこちらに戻って来た。

蒼字そうじは女神様に祈らなくて良かったの?」

 女神テュケに会いたくなかったので俺は祈りを捧げなかった。


 そしてすべての準備が整い祝福の儀式が始める。


 儀式が行われるのは大聖堂の奥にある儀式の間、この場所は過去に神を召喚したとされている聖域、召喚された際の女神の力が今も根強く残っている。


「ここはずいぶんとけったいな場所だな」

 俺は周辺の景色を見て不思議な気分になる。


 儀式の間の大扉を開けると白い木が生えており黒い花が咲き誇っている。歩いていくと白と黒の石で作られた遺跡が現れ、その中央には白と黒の丸いマークが描かれていた。


太陰太極図たいいんたいきょくずか………」

 森羅万象、光と闇を表す構図だな。


 セレーナ様の指示のもと配置に着く。ここに居るのは、アルヴィア姫、その護衛アイン、レミ、勇者さくら、陽菜乃ひなの一花いちか、大司教オーリン様とシスターが一人、そしてセレーナと護衛の俺だけ、極力人は少ない方が良いらしい。


「それでは始めましょか」

 セレーナ様が祈りを捧げると魔法陣が光る。


「さくらさん、陽菜乃ひなのさん……一花いちかさんも魔法陣の中へどうぞ」

 さくら達が魔法陣の中に入ると呼応するように光が強くなっていく。光は天井に伸びていき、光が降り注いだ。


「さ〜皆様も女神テュケ様に祈りを捧げるのです」

 その声を聞き「えっ」と驚きつつみんなが手を合わせているので仕方なく俺も形だけ真似る。


「ドーン」っと音が天井からした。

 全員が天井を見上げると空間が歪んで見える。


 オー派手な演出だな〜と思っていると、ふとした拍子にセレーナ様を見ると驚いた顔をしている。あれ?これって予想外の展開なの……


「ドーンドーンドーン」何度も音がした後に光の塊が

落ちてきた。


「んーー呼んだ〜」

 全員が無言でその小柄な?人物を見る。そして俺は「なんでテメェーーが出て来るんだよ!女神〜」と心の中で叫ぶ。


「え!?………まさか……テュケ様でしょうか」

 セレーナ様は震えるような声でなんとか声をかける。


「そうよ!女神テュケとは私の事よ!」

 エッヘンと胸を張る女神


「女神様……そのお姿はどうされたのでしょうか?」

「ん?あー今回は私の力で来たわけじゃないから、私を呼ぶのには魔力不足で身体の形成が少女くらいまでしか出来なかったみたい」

 身体を動かしながら確認する。


「あなたは聖女ね!見覚えあるはフレイヤの子よね!」


「はい、フレイヤ様の加護を頂いております」


「あれ〜?おっかしいな〜聖女だから私を呼び出すことは出来なくはないけど、私の加護を持ってないから、呼ぶのにはかなり人数の人間が魔力を使わないと呼べないと思うんだけどな〜?」


「そうですね。私もその様に認識していますが」

 女神と聖女が首を傾げて考えている。そういえばなんか俺結構疲れている気がする。……………まさか!


 コソコソっと『ステータス 転記』…………え!?MPが100万減ってるだと!?…つまり呼んだのは俺か?(細かい話だが全MPは200万を超えていた。恐らく先の戦いでスカイドラゴンを全滅させてレベルアップした影響のようだ)


「んーー!?」

 ゲッ!女神がこっちを見て何かに気がついたみたい。


「………なんかあいつ変な格好してるわね?」


「………………」大丈夫だ、あいつアホかもしれん。


「テュケ様、もしかしたら勇者の皆様の影響では?」


「あー確かに可能性はあるかも、私が召喚したから、私の加護も持ってるし可能性はあるわ、でも魔力ぜんぜん減ってないようだけど………まーどうでも良いっか!それで私に何の用かしら?」

 

「…………あ!…勇者に祝福を頂けますでしょか」

 セレーナ様はあまりの事に思考が止まっていたが、なんとか思考を回し女神にお願いをする。


「うん!そうね!せっかく下界に降りてきたわけだしあなた達はラッキーよ!私から直接祝福を受ける勇者なんて過去に数える程度しかいないんだから、しっかり感謝して受け取りなさ〜い」


 女神が手を振るとキラキラとした魔力が()()()()()さくら達の身体に光が優しく浸透して消えた。


「これで祝福は完了!しっかりと働いて魔王を倒すのよ〜」

 女神はじゃ~ね〜と手を振って消えた!

 なんとも神様らしからぬヤツ……


「うふ!女神様の力は偉大ですね!見ただけで分かります。運気が1000を超えています。皆さんおめでとうございます」

 セレーナ様は笑顔で勇者を賛辞を送った。

 

 俺の目からでも分かる。さくら、陽菜乃ひなのそして

一花いちかさんまでもが魔力とは違う。強い力を感じる。これは魔王軍との戦いで大きな助けになると思った。


「すごい!なんだろう、不思議な力に守られてるって感じかな〜」


「これが女神様の力なんだね!」


「さくら〜私も貰えたみたい。何か新しい力が目覚めた気がする……」


 さくら達もそれぞれ感じる物があったようだ。それにしても俺もなんかこ〜う身体がジーンとするな女神の力を見て高揚しているのかな?


 さくらが一歩前に出て、

「セレーナ様ありがとうございました。こんなに素晴らしい祝福を頂き、これなら魔王軍とも戦えそうな気がします。絶対に負けません!」

 さくらは力を頂いたことでやる気が上がったようだ。


「ふふふ、そうだよね〜早く魔王を倒して元の世界に帰らないと蒼字そうじ誰かに取られちゃうかもしれないし〜」

「大丈夫よ!ひなちゃん、蒼字そうじくんはそんな人じゃないわ!

 それにさくらみたいな可愛い子をほっとくわけがない!私の自慢の娘なんだから安心しなさい。さくら!」


「も〜二人共ふざけたこと言わないの〜!」

 さくらは赤い顔をして怒ったので、陽菜乃ひなの一花いちかが走って逃げるがあっという間に捕まる。


「掴まいたよ〜ただじゃ〜おかないんだから〜」


「ま!ま!まって……あーーホワイトさん光ってない!」

 

陽菜乃ひなの〜誤魔化されないからね〜」


「さくら……本当にホワイトさん光ってるけど?」


「えっ」さくらはホワイトを見ると僅かに光っている。


 その言葉を聞いた俺は自分の腕とか足とか色々と見ると「ゲ!?」なんで俺…光ってるの?


「すごい……まだ上がっています……」

 セレーナ様がポカーンっとした顔でなにかを言っている。俺はセレーナ様に近づき、

「セレーナ様、なんですかこれは?」


「………運気の輝きです!何をやったらこうなるんですか?」


「……………また運が上がったってこと?」

 俺はコソコソっとステータスを確認する。


「!?」……運が上がってる何これ! 『()()()()』だと!


 セレーナ様に教えたら口に手を当ててぷるぷる震えていた。いつものセレーナ様の雰囲気と違う。これはマジでヤバいやつだ!

 なんでこんな事になった!?良く考えろ。祝福を受けたのは勇者のさくら達のはず、俺の運が上がるはずがないんだ。

 もう一度思い返せ、何が起っていたか…………


「ポクポクポクポク………チーン(分かってしまった……)」

 あの女神調子に乗って周りに祝福を飛ばしたんだ!だから近くに居た俺にもその恩恵があった。ただひとつ納得がいかないのが、俺の上がり方が異常な事………ま〜良いか!運が良くなったのならドジっ子女神ナイス!


「どうしたのです。身体の調子が悪いの?」

 セレーナ様が心配して俺の顔を覗き込む。

 美人なんだからドキッとするでしょが!


「体調は悪くないです。考え事をしていただけで…」


「ん〜そう。なら良いけど、何が起こったかはわからないけど、これ以上目立つとバレそうだから儀式は終わった方が良いわね」

 

「そうしましょう」

 俺とセレーナ様がコソコソ話をしていると、ドスドスと歩く音をたててこちらに歩いてくるのは大司教様、なんだろうと少し緊張する。


「ホワイトと言ったか、儀式は終わった。暇だな!セレーナ、ちょっとこいつを借りてもいいか?」

 急にギラギラとした目で有無を言わせない威圧をかける大司教様、なんのつもりだ?


「オーリン様、まさかとは思いますがホワイトと一戦交えたいとか言いませんよね」


「流石は聖女、何でもお見通しということか、まさにその通り是非ともこの男と戦ってみたいのだ!」

 セレーナ様はため息をついている。俺は言っている意味をまだ理解出来ていない。何故?大司教様と戦わんといかんのか?



「さー勝負だーーホワイトよ」

 ビシッと指を差し宣戦布告してくる。


「………………」

 そして俺は無言のまま、心の中で「めんどくせぇ〜」と叫んでいた。


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