第59話 祝福の準備
ここは王都にあるコルヌコピア・テュケ大聖堂、明後日セレーナ様が勇者に祝福を渡す場所、入ると空気が澄んでいるのが分かり心地良い気分になる。
シスターに案内され大司教様に会うことになった。部屋に入ると何故かガタイの良い坊主がダンベルを持って書類を確認している。
「大司教様、聖女様をお連れしました………聞こえてます?お〜い大司教さま〜」
シスターは声をかけるが反応がないので何度も呼び続けるとこちらを向いた。
「お〜リンダどうした?」
「も〜う聖女様をお連れするとお伝えしていましたよね!」
「お〜そうじゃったそうじゃった忘れとったわい」
「も〜うさっき言ったばかりてすよ!」
シスターがプンプンと怒っている。その横でクスクスと笑いをこらえながらセレーナ様が前に出た。
「ご無沙汰しております。オーリン様」
「ん?おーーーセレーナではないか久しいな!」
大司教様は驚き立ち上がりセレーナに向かって
歩いて行く。「相変わらずセレーナは綺麗だな!いや、前以上だな!アッハハハ」
「オーリン様は相変わらずお変わりないようですね」
アッハハハと笑いながら頭をパチンパチンと叩いている。このおっさん本当に大司教なのか?
「それにしてもセレーナ、そのけったいなのはなんだ?」
大司教様は俺を見て不審に思っているようだ!
「こちらは使徒様よ!」
「おーー!これはこれは使徒様に生きている間に会えるとはなんと幸運、女神様に感謝せねばな」
「セレーナさま〜いい加減にして下さいよ〜違いますから」
俺は呆れて否定する。
「良いじゃない!皆そう思っているわよ」
「だから困ってるんですよ!」
「なんだ!違うのか?」
大司教様がこちらを見ているので改めて挨拶をする。
「大司教様申し訳ありません。私は使徒様ではありません名はホワイトと申します。今はセレーナ様の護衛を仰せ使っておりますので以後お見知りおき下さい」
「お〜そうかセレーナの護衛だな!宜しく頼む!」
大司教様は俺の肩を叩きまくる。
このおっさんのノリがオーバンさんと一緒だわ。しかも力つよー
「それで今日は祝福の準備の件だな!もちろん準備は出来てるからいつでも良いぞ!」
「ありがとうございます。早速入らせてもらいます」
……………▽
大司教様はこの後スケジュールが入っていた為、退出してシスターさんに案内され客室へと向かう。
部屋に入ると綺麗な装飾が施された部屋だった、かと言って金とか宝石が使われた贅を尽くした部屋ではない。
「一段落ついたわ。少し休みましょ」
「確かに疲れましたね」
俺が背伸びをしていると、セレーナ様は座るように促してくれた。一応護衛なんで遠慮したんだけど……
「セレーナ様この後どうされます?さっき大司教様が準備が出来てるとか言ってましたけど、何やるんですか?」
「ん?んーーヒミツ!、少しお茶して行きましょ」
「は〜………はい分かりました」
なぜ秘密なのか分からんが、騙されんように気をつけないと。
どこに行くのか分からんが、シスターさんに再び案内して頂き通路を歩いていると前から勇者が、つまりさくら達が歩いて来た。
「あ〜あれはしんどいよ〜あのシスターさん、いつまででも出来るとかどうかしてるよ!」
陽菜乃がブツブツと文句を言っている。
「あ!セレーナ様」
さくらがこちらに気がついて来る。
「さくらさん、陽菜乃さん、一花さんお疲れ様です。慣れないことで大変そうですね」
セレーナ様は笑いながらお話をする。
「えへへ、すいません文句言っちゃって、私じっとしてるの苦手なんでああいうのはちょっと………」
陽菜乃が申し訳無さそうに話をする。
「ふふっ陽菜乃さんはお祈りは退屈でしたか?」
「いえその……アハハ」
どうやら退屈だったようだ。陽菜乃にはそう言うのは確かにしんどいかもね。
「もう少し我慢してくださいね。女神様に声が届けば祝福を受ける時の効果もきっと上がります。明日までですよ。頑張って!」
「はい!頑張ります。………あの〜その人どなたですか?」
陽菜乃の興味は俺に向いた。
「陽菜乃さんお目が高いです!この人は私の護衛をしてくれているホワイトです。以後宜しくお願いしますね!」
「わーー真っ白でホワイト……安直ですね!」
煩い分かっとるわーー。
「でもカッコイイーー正義のヒーローって感じ」
そういえば陽菜乃ってこういうの好きだよな。
「陽菜乃さんは分かりますか」
「はい、セレーナ様、流石です!」
二人の感性が合ったようで盛り上がっている。
それにしても落ち着かない。なんとかして欲しんだけど………さくら……
俺をジーッと見る一花さん、上下左右から見て移動見て移動となんとかして顔を見ようとしている。
「!?」一花が目の前に顔を近づけてくる。見えてないと思っているんだろうけど、このままだとキス出来る距離になるでしょうが!俺は顔を背けると、
「あーー!この人、私のこと見えてる!」
つい躱したせいでバレてしまった。
「そうですよ!ホワイトは見える人ですから、あんまりイタズラはしないであげてくださいね!」
セレーナ様はクスクスと笑って注意する。
「あ、あのごめんなさい。そのどんな顔してるのか気になっちゃって、ジロジロ見てごめんなさい」
一花さんが頭を下げる。それを見た俺はジェスチャーで気にしないでと送ると、不審に思ったのか今度は陽菜乃がやって来た。
「どうして喋らないんですか?」
「………………」俺は無言を貫く。
「ゴメンナサイね!ホワイトは恥ずかしがり屋だからかわいいこの前だと喋れなくなるの〜」
「へーそうなんですか……そうは見えないですけど、ま〜さくらが可愛くて緊張するのはわかるけど」
「も〜陽菜乃!変なこと言わないでよ」
さくらは顔を少し赤くして抗議している。
それにしても3人共元気そうで良かった。異世界に来て酷い目にあっていないか心配してたけど、これだけ元気なら問題ないな。
俺は3人を温かい目で見ているとセレーナ様との話が終わり目的の場所に向う。
……………………▽
どうしてこんなことになるんだ。
「すごく気持ち良いはね!疲れが吹き飛ぶ〜」
俺の横にセレーナ様が居る。それは良い、問題はビックバーンだ!動くたびに揺れる。気持ち良いからって手を上げるな!
「セレーナ様、ここまで護衛する必要はないのでは?」
俺は前のみを見て声をかける。何故なら俺達は温泉に入っているのでマッパである。
「確かにそう思うけど心配なのよ。マドリック侯爵はどうやら操られていたみたいだし、信用出来る相手が必ずしも安全じゃなくなった……」
「それは……確かに、でもここは安全ですよ。マドリック侯爵を操っていたのは呪詛の類でした。ここはかなり澄んだ気で満たされている。もしも操られている人間が入ってきたら、苦しみだすか呪詛自体が解けて意識が戻るはずですから」
「蒼字も気がついてたか」
「え〜マドリック侯爵の首から黒いモヤが離れていくのを見ましたから、首の後ろに呪印があったんでしょうね」
「良い目をしてるわ。教会の人でもあれを見れるのは司祭クラスより上だけでしょうから、相当修練を積んだようね」
「地獄のような修行をしましたよ」
昔を思い出し顔を歪ませる。
「んーーそろそろ禊をしようかな〜蒼字も行きましょ」
「行きませんよ!すぐ傍にはいますから行って来て下さい」
「も〜う蒼字の照れ屋さん」
なんとでも言うがいい。このままでは俺のエクスキャリバーが覚醒してしまう。
「それじゃー待っててね〜」
セレーナ様は滝の方へと歩いていった。
「あの人………魅力的なだけにしんどいわ〜」
一気に力が抜けた。
………………▽
「なにそれ!?」
「アルヴィア姫は大丈夫なんですか!」
「二人共落ち着け、アルヴィア姫様は無傷だ!」
さくらと陽菜乃が慌てるのをアインとレミが止める。その後詳しい状況を説明すると二人はやっと落ち着いた。
「ホワイトさんってすごい人だったんだ〜」
「使徒様が現れたならで魔王も楽勝なんじゃない〜」
さくらと陽菜乃が喜ぶがアインは気難し顔をして、「あんま信用するなよ!どうも俺はあいつを信用できない」と言う。
「アイン、そんな事言わないのアルヴィア姫様に聞かれたらどうするのよ!エクスキャリバーを使ったのは事実よ!使徒様の可能性は捨てきれないわ」
「分ってる!分かってるよ!それでも俺はあいつが気に食わね〜」
「は〜アインは一度決めると頑固よね。とにかくアインはこれ以上変な事を言わないこと、分かった!」
「へーい」不貞腐れて返事をする。
「まったくも〜、アインのことはこれでいいわね。さくら、陽菜乃あなた達は明日聖女様から祝福を受けることになるから頑張るのよ!」
「「はい」」二人は真剣に返事をした。
そして祝福の儀式が行われる。
ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。
面白く書けるよう今後も頑張っていきたいと
思います。(*´ω`*)
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