第57話 魔王軍、パレード襲撃
徐々に盛り上がっていきます。
主人公の活躍を楽しんでください。
(≧▽≦)≡ヨロシク!!
パレードが続き、俺は今馬車に乗り窓から手を振るセレーナ様の目の前に座っていた。
「しかし、少し見ない間にずいぶんと進展させたな!やるじゃないか」
俺の横で吠えるのは相棒の風太、
「それは違うぞ!むしろ何故こうなったか聞きたいくらいだ」
俺達の会話を聞いたセレーナはこちらに気がついた。
「風太さんも来てくれたの、ありがとう」
「ま〜な!セレーナ、お前が言った通りになったな。見事にしてやられた。そんな簡単に見つかるとは」
「秘策があるって言ったでしょ」
この二人は喋り出すと止まらない。セレーナ様が攫われ助け出した後ずーっと話をしていた。しかもあの時点で俺を見つける気満々だったのかセレーナ様……
「セレーナ様、聞きたいことがあるんのですが、さっき言っていた『使徒様』ってなんですか?」
「蒼字貴方は使徒様を知らないのですか?」
セレーナ様は少し怖い顔をしている。
「すいません、田舎から出てきたもので一般常識がかけてまして、セレーナ様に聞くのには失礼な話でしたか……」
「いえ、構わないのですが、使徒様について知らない人はこの国はもちろんの事、他の国でもいないと思うわよ。知らないとしたら異世界の方くらいじゃないかしら」
「………………」墓穴掘ったかも。
「あらあら、当たりかしら?」
驚いたあと、ニヤニヤと笑い、またしても俺はやってしまったようだ。
「そうだわ!使徒様について説明しないとね」
あれ?根掘り葉掘りと聞かれると思ったけど、何も聞かないのかな?
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これは絵本でも描かれた英雄記
今から約500年前、悪魔崇拝者組織『アビス』によってある大国の国民50万人と聖女3人を生贄に邪神ベルゼフィムを召喚した。
ベルゼフィムは悪魔達を従え周辺の村、町を襲った。その非常事態に各国をまとめ上げ先導したのが聖神教会の生き残った聖女達であった。戦い熾烈なものとなり規模は国同士の戦争を遥かに超え広がった。悪魔達の戦い方は残虐非道、恐怖心を与える為に殺す前に弄び、最後に喰らう。
人の戦争ではあり得ない戦いに兵士達は恐怖し戦う意思を喪失、戦力は失われていった。
悪魔達の勢いは増すばかり、僅か1ヶ月の期間で各国の連合軍は半数以上が失われてしまった。
聖女達は女神様達に祈りを捧げ人々を守れる力を願った。女神様達はそれに応え戦場に舞い降りたのは真っ白な風貌と仮面を着けた聖騎士、天使を従え悪魔達を浄化し圧倒的戦力差を覆した。
聖戦士は聖女と共に力を合わせ神級魔法『神召喚』を行いついに邪神ベルゼフィムを退けた。邪神を失った悪魔達は力が衰え連合軍により掃討され平和が訪れた。
戦争の終結後聖戦士は恋仲にあった聖女ヒスイと共にどこかへ消え二人で慎ましく暮らしたと言われている。
聖神教会は国となり今では最も発言力がある国の一つとなった。
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「聖戦士様は民衆から女神様が使わせた使徒様と言われるようになり今でもそれが伝説として伝えられているわ!」
セレーナ様は嬉しそうに語ってくれた。
「一つ気になるんですけど?使徒様の名前は何と言うのですか?」
「それが不可解な話なのですが名前は分かりません。明らかに当時の関係者によって伝えなかったとしか思えないの、姿に関しても仮面まで着けて正体を隠したかったと思うんだけど」
「凄い気になる〜けど、今もっと気になるのは何で使徒様と同じ様な格好にしたんですか!アルヴィア姫が心配するのも分かりますよ!」
「うふ、そうですね。どう言えば良いのかしら〜」
何故か少し顔を赤くしている?
「好きなの!」
「ん?どういう事」
「私、使徒様の話、昔から憧れがあってシスイ様みたいになれないかな〜と思って衣装を作って持ってたの!」
セレーナ様は年齢のわりに夢見がちな少女の様なこと言ってる。………とは口には出せないけど。
「それならそれで俺が着てよかったんですか?」
「もちろんよ!私はね、蒼字がもしかしたら使徒様じゃないかと思ってるの、だから着て欲しいわけ」
「……………セレーナ様、残念ながら……」
「いいんです。蒼字は気にしないの!」
否定しようとしたら言葉を重ねられ止められた。
俺って女神のうっかりの産物なんですけど……
それからは馬車は王都で最も広い広場に着いた。民衆が集まっておりセレーナ様が降りるとわれんばかりの歓喜の声が飛び、盛大な拍手が贈られた。俺はセレーナ様の横につくと今度は静寂が訪れた。
セレーナ様は特に気にすることなく演壇へと歩いていく。
周りではコソコソと小さな声で喋っているが、同時に千人以上の人が喋れば騒がしく聞こえる。
これって俺の事を話してるよな〜大丈夫かな〜。
だんだんと不安になる。しかし考えてもすでに手遅れ、今はセレーナ様を守る事に集中しよう。
セレーナ様が演壇の席に座り、俺はその横に待機する。アルヴィア姫はいるようだがさくらさん達はいないようだこのパレードには参加しないのか?そんな事を考えている間にも進行していきセレーナ様の演説が始まろうとしていた。
セレーナは真っ直ぐに前を向き演台の前にたった。
演台には拡声魔法がかけられており、これだけ広い場所でも民衆にしっかりと聞こえる。
「王都ラダマンテュスの皆様、この様な盛大な歓迎をありがとうございます。私は女神様から聖女の使命を頂いたセレーナと申します。この世界を守るために勇者召喚を成功されたと聞き祝福を授けに参りました」
この時民衆から感激の叫びが飛び交った。
「この世界には再び魔王が出現しました。残念ながら数多くの血がまた流れることになるでしょう。しかし恐れる必要はありません。勇者が再び世界を救います。皆様にはその為に助力をお願いしたいと思っております。今この話を聞いて自分に何が出来るのかと考えている方がおられたのなら、それぞれが出来る事をまずやって下さい。それが勇者様、そして王国軍の力となることでしょう。
私も世界を救うために、勇者と共に戦場へと参ります」
セレーナ様コールが飛び交う。その後もセレーナ様は民衆の想いに答えるような演説を行い、終盤に差し掛かった時だった、突然演壇に居た重鎮の男が一人立ち上がった。
「茶番だな!」
男は聖女を睨みつけ言葉を発した。その姿を見たアインとレミがアルヴィア姫を守る態勢を取り、同時に周辺にいた護衛兵が男を取り囲む。
「貴方はどちら様ですか」
セレーナ様は男から目を離さない。
「初めまして私は魔王軍幹部を務めている。バエルと言う者だ。聖女よ虚しいな〜お前達は次こそ滅ぶであろう」
「貴方の思い通りにはなりません!」
セレーナ様の言葉を聞いた男はニヤリと笑い。腕を上げ空に指を差した。
「ならば、まずはあれを止めて貰おうか!」
空を見上げると多数のワイバーンが、その上に跨るオーク達が雄叫びをあげながらこちらに向かって飛んできた。
「いかん!レミ急げ!」
「分かってるわよ!結界発動」
レミが杖に魔力を込めると広場に設置されていた柱が光だし民衆達を守る半円の結界が数百箇所発生し落ちてきたオークを受け止めた。
オークは結界を破壊しようと棍棒を振り上げ結界を叩き、そこらじゅうから恐怖の声が上がった。
オークを倒すため王国軍や冒険者達が魔物の排除に向う。
「フン、まだですよ!よ〜く見て下さい」
男はまだ空に指を差して言った。
そこには、10体のスカイドラゴンが巨大な岩石を吊るして飛んでいた。
「さ〜あれはどうやって受け止めますかな!」
岩石のサイズは直径100mはある。
「逃げたければ逃げるがよい。躱すことは君達なら、それ程難しくはないであろう。しかし一体何百人が死ぬだろうか、この結界ではあれを防ぐことは叶わないだろう。聖女としてそれでも逃げる事が出来るのか?」
演壇にいる全員が顔を歪める。
「私は逃げるつもりはありません。民衆を見捨てて逃げるなど聖女を名乗る者としてあるまじき行為ですから」
男はニヤリと笑い、
「さすがは聖女だ!さ〜皆さん頑張って下さい」
両手を高らかと上げ男は倒れた。
「おい、どうするあんなもん止めれね〜ぞ!」
アインがレミに小声で言うが、レミ自身も止めることはほぼ不可能と判断しており、アルヴィア姫に避難を促すが、アルヴィア姫も動くつもりはないと断れる。
俺はセレーナ様の護衛だから逃げるわけにはいかないのは確定なんだけど、どうする。あれを退けるだけの力は俺にはないだろう。せめて砕いて被害を減らす………いや逆に破片で被害が広がるかもしれない。くそ〜どうすればいい。
『なにウダウダ考えているのよ!私を使いなさい!』
ふてぶてしい声が聞こえた先を見るとそこには神々しく光る刃がむき出しの聖剣が置いてあった。




