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第54話 それぞれの思いと緊急クエスト始動

蒼字そうじの視点


 冒険者ギルドの一室で「トントン」と書類を整えながら1件ごと依頼を確認していくキャンベルさん。


「素晴らしいです。10件すべて達成するとは蒼字そうじ様におすすめしたかいがありました」


「それは良かったですけどキャンベルさんはスパルタですよ!正直達成期限がかなり迫っていたので焦りました。全部ミスってたら結構な違約金を払うことになるから焦りました」


「あ〜それは大丈夫ですよ!10件とも期限はあと一ヶ月ほどありますので………」


「………えっ⁉……どう言うことでしょうか?」

 言っている意味がわからん!


「私の方で期限を変更しておきました。蒼字そうじ様であればやる気になればこなせると思いましたので、私の判断は正しかった」

 キリッとした顔で流石私みたいなこと言っているけど、おい待て!つまり慌てて行かなくて良かったじゃ!

 

「ガクッ」と肩を落とす。

 俺ってキャンベルさんになにげに騙されてるよな〜。


「何でそんな事したんですか〜」

「今言った通りです。蒼字そうじ様ならやり切ると思いました。………それと嫌な予感がしたからかもしれません。蒼字そうじ様はご存知ないと思いますが、先日聖女様が誘拐されたとギルドに協力要請がありました。すぐに聖女様は保護されたようですが、私はこれがこれから起こる出来事の序章のように感じています。

 今は少しでも強い方が必要なのです。私の予想ですが蒼字そうじ様はSランク以上の実力者とお見受けします。早くランクを上げて受けるべき依頼をこなして欲しいのです!例えば聖女様の護衛など……」


「ん〜〜それは買いかぶり過ぎですよ」

 そんな事したら黒ずくめの正体がバレるじゃん!

 絶対ムリ!


「私はそうは思いません!今回はBランクの試験しか受けることが出来ませんがBランクに上がれば遠くからではありますが護衛任務を受けることが出来ます。準備は出来ていますので今から行きましょう」

 あれ?話が急展開していないか?


「エッ」俺は驚くがキャンベルさんは有無を言わさない雰囲気を出しておりそのまま試験を受けて合格しちゃいました。キャンベルさんは満足そうにしていたので、ま!いっか!



一花いちかの視点

 

 ふ〜んこの人が聖女様か〜綺麗な人。


 聖女様と面会をすることになった。ここに居るのは、聖女セレーナ様、アルヴィア姫、ひなちゃん、さくらそして私、私は居ることになるか分かんないないけど。


 でも、本当に良かった。見る限り聖女様すごく元気そう、さくらとも楽しそうに話をしている。


 ふよふよっと浮かんで聖女様を観察していると聖女様と目があった。

「貴方はさくらさんのお姉さんかしら?」


「うぇ」驚いて変な声が出ちゃった!

「セレーナ様はお母さんが見えるんですか?」

 さくらが恐る恐る尋ねる。

「あら?お母様でしたか、お若いからつい間違えてしまいました。さくらさんは見えているのですね」

「はい」


「聖女様、失礼いたしました。見えていないと思ってこんなところから眺めてしまいまして……」

 私はソファに座り頭を下げる。


「そんな事気にしなくて良いですよ。そうですかお若いのに大変でしたね。お母さんもさくらさんも」


「本当にさくらに迷惑かけちゃって………」

 私は過去を思い出しさくらに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「お母さん落ち込まないで私はお母さんともう一度会えて嬉しいよ!」

 さくらは優しい娘に育って本当に良かった。

 我慢できずに涙腺崩壊しそう。


「仲がよろしくて羨ましいですわ」


「ふふっありがとう御座います。さくらは自慢の娘です!」

 私は嬉しくなってさくらを抱きしめた。


「セレーナ様、話の腰を折って申し訳ないのですが、黒ずくめの男についてもう少しお話を聞かせて頂きたいのです」

 アルヴィア姫は先程まで囚われた時の話をしていたので、続きが気になり声をかけたようだ。

 

「うふふ、どうやら黒ずくめさんは話題の人みたいですね。私も今とても気になっています。アルヴィアさん達も知っていることがあれば教えてください」


 それから黒ずくめの男(蒼字そうじ)についての話が繰り広げられた。



◆リルの視点


蒼字そうじさんがギルドの依頼で出てから一週間、まだ戻らない。商売の方は順調で嬉しいけど物足りない。蒼字そうじさんと出会ってからこれだけ会えなかったことはなかったから私……寂しいのかな〜」


「ただいま〜」

 あ!あの声は蒼字そうじさんだ!


「お帰りなさい〜蒼字そうじさ〜ん」

 久しぶりに会えてやっぱり嬉しかった!


 それから蒼字そうじさんが帰ってきたので急いで食事準備をした。食事中は商売の話、冒険の話と話すことはいっぱい、とても楽しかった。そして話はここ最近どこでも話題になっている聖女様について、「聖女様が何者かによって拐われ、何があったのか?」

 レイチェルさんは何にでも興味を持つ、あれはなんだろう。これはなんだろうと走り回るのだ、今、特に興味津々なのは聖女様誘拐事件、話によると聖女様は王都の正門に一人で来たとのこと、護衛も連れて来ないなどありえない。周りでは騒ぎになっている。


「な〜レイチェル、それ以外に話題にあがっている

ことってあるか?」

 ん?蒼字そうじさん何か気になることでもあるのかな?


「ん?いや、ないよ。今は聖女の話題でもちきりだよ!なんか他にも面白い話あるの!」

 レイチェルさんはワクワクした顔で尋ねる。


「いや〜ないよ。俺も聖女様に興味あるな〜」

「そうだよ!これは名探偵レイチェルの出番だね!」

 ビシッとポーズを取るレイチェルさん。

 本当に面白い人。


 蒼字そうじさんこちらを向いて、

「リル〜聖女様って何しに来たんだ?」

「あ!そっか、蒼字そうじさんは知らないですよね。聖女様は勇者様に祝福をお与えに来たんです………」

 それから私は祝福について説明した。


「クソ〜そうだったのか〜道理でレベルを上げても運が上がらないのか〜やっと理解できた〜」

 

「フフッそうですね!運は生まれてからほとんどの人が変わりませんから、運を上げて頂ける勇者様は羨ましいですよね!でもそれは魔王軍と戦う為ですから、悔しいかもしれないけど我慢しないとですよ蒼字そうじさん!」


「まーーそうなんだけどさ!」

 蒼字そうじさんは急に浮かない顔になった。


「どうしました?」

「いや、何でもない」

 なんとなく素っ気ない返事……


「ね〜ね〜!そう言えばさ〜みんなで行かない。聖女様のパレード」


「パレード?」

 蒼字そうじさんは分からず聞き返している。


「聖女か来るなんて滅多にないことなので、歓迎のパレードが開かれるんです。聖女様のお話が聞けると思うので私も行きたいです!」

 聖女様………どんな方なんだろうきっと素敵な人なんだろうな〜


 それから話がまとまりみんなでパレードに参加する事になった。……………その次の日。


「まさか本気だったとは………」

 今俺の近くにはリル達はいない。となりを見るとピカピカと光って眩しい磨きあげられたハゲ達、俺は何故ここにいる?


「おう、どうしたどうした〜そんな浮かない顔して、そんなことじゃ〜女にモテないぞ〜」

 ガシッと肩に荷重がかかる。重いっす!


「今日一日こ〜やって突っ立ってるだけになると思うと少し憂鬱です」


「何が憂鬱だよ!あっさりBランクに上がりやがって俺達かどれだけ苦労したと思ってるんだよ!え〜」

 頭をグリグリとされて痛い!


「ま〜蒼字そうじなら当たり前か、それは良いとして離れた位置からではあるが聖女様の護衛任務だ光栄な事だと思うぞ!リルちゃん達には悪い事をしたがな」

 

「そうなんですけどね!キャンベルさんマジでこの為にBランクに上げたのか?」

 俺はあの時を思い出す。リル達とご飯を食べているとドアを「ドンドン」と叩く音がした。ドアを開けるとハゲ達が並んでいた。おい!何の嫌がらせだ!


「オッス、こんばんわ!」

 その中でも一回りデカイハゲ(オーバンさん)が

出て来た。「どうしたんです。わざわざ家まで来るなんて急ぎの用ですか?」


「ま〜な!リルちゃんちょっと蒼字そうじ借りてくぜ」


「お、おい!わざわざ持ち上げるな!自分で歩けるから」

 俺はオーバンさんに持ち上げられ連れて行かれた。


…………▽


「それでわざわざ人気がないところに連れてきて何の用ですか?」


「ん?そうだな!どこから話すべきか、まずはこの依頼はギルマスからの依頼だ!」


「ギルマス?……わざわざ何でそんなお偉いさんから?」


「お前はすでにキャンベルから言われてるだろ!聖女様の護衛の件」


「ま〜冗談ですけどね!一応依頼書の指定ランクには達してますけど、新参者が行くような依頼じゃないですよ」


「ふ〜ん、そうか、それじゃ〜これはなんだろうな〜」

 オーバンさんは俺に封筒を渡す。中を見ると……


「は!?うそ〜」俺は驚く


「残念ながら本物だ!お前にキャンベルから渡すように言われてな!今回この依頼に関しては俺達はチームとして動く事になる。依頼は聖女様の護衛とは少し違う。さっきも言ったがこれはギルマスからの依頼だ。


……………………………………………………………………

依頼内容は国王軍にいる裏切り者を見つけ捉えることだ!

……………………………………………………………………




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