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第50話 ビックバーン


「この洞窟どこまで続くんだ?さっきからずっと同じ景色が続くんだけど」

 俺達は真っ直ぐに続く洞窟を進んで行く、罠があるかもしれないので風太に匂いで怪しい所がないか確認して貰っているが今の所は全くない。恐らく大岩の入口があるから余っ程良いと油断しているのだろう。

 

蒼字そうじ、この先にそれなりに広い空間がありそうだ警戒しろ!」

 俺は風太に言われ気配を殺してゆっくりと進む。広い空間には先程の男達とシスターが居た。


……………▽


「ドリュー司祭様お久しぶりでございます。長きに渡る任務を遂行し聖女セレナを連れてまいりました」


「ご苦労だった二人共、これで我らが悲願達成にまた一歩近づけた。お前達のことは大司祭様には伝えておこう」


「「は!有り難き幸せでございます!」」

 二人のフルプレートアーマーの兵士達は膝をつき感謝を述べていた。


 黒のマントを着たドリューと言う男は聖女セレーナの前に立つ。


「聖女セレーナ……噂通り美しいな。これで齢50の女とは思えん!」

 下から上へと舐め回すように見る。

 

「お褒めに頂きありがとう。でも貴方は気持ち悪いから見ないで頂けます」

 キリッとした目で相手を見据えて言い切る。


「へっ、強気な女は好きだ。屈伏させた瞬間がたまらんからな、しかし手が出せないのが残念だ」

 

「貴方達は最低です!身勝手極まりません。自分達の欲望を満たすために他者を傷つける。何故そのようなことできるのでしょか」


「聖女様にはわからんよ。我らの気持ちなど。こちらとしても分かって貰おうとは思わん!」

 男は椅子に座る。

 聖女は複雑な顔をしていた。


…………………▽

 

 話を聞く限りでは聖女様が捕まっている。助けるしかないわけだが…………あのドリューって男かなり危険だな。見る限り悪魔憑きで間違いない。


「どうする蒼字そうじあれは上位以上の悪魔だ。油断は出来ん……まさかビビってはおらんだろうな」


「ん?ビビってはいないよ!油断もしていない。確かに元の世界であれクラスに会ったら逃げるべきだろう

けど、こちらの世界に来て俺の力は格段に上がっている。十分倒せる相手さ!」

 俺は自信を持って言った!


「それじゃ〜まずは作戦を立てるぞ風太!…………」

 俺は風太と話し合い聖女様の安全を優先させた作戦を立てた。



…………………▽


◆聖女セレーナの視点


「こちらですセレーナ様…………」

 私は護衛の男二人に牢屋へと連れられて行く。


「お二人にお聞きしたいのですが何故このようなことをされたのですか?」


「ふん、セレーナ様が聞いても分からないとドリュー司祭も言われておりましたでしょ!話すだけ無駄なのですよ!」

 護衛の男は少し威圧的に声をあげる。


「そうですか、残念です。せめてお話だけでも聞きたかったのですが、貴方達にも平和で幸せな世界を目指して欲しかった」


「流石は聖女様ご立派なことをあっさりと言われますな〜貴方は恵まれており、ゆえに平和ボケしてるんですよ!セレーナ様」


「そうですね。私では貴方の気持ちを理解出来ないかもしれません。しかし支え寄り添うことは出来ます。どうか考え直す事は出来ないのでしょうか」

 私は護衛方を真っ直ぐに見る。


「貴方の声を聞きや姿を見るだけで身体がザワつく!これ以上は話したくない!さっさと牢屋へ入れ!」

 私は護衛の男に押し込まれるように牢屋へと入る。


「しばらく大人しくして頂こう。言っておくが見張りがいるからな!逃げようとするなよ」

 護衛の者達はそのまま出て行く。

 目の前のには椅子に座り私を監視する男が一人。


 私も歩き疲れていたので、牢屋の中にある椅子に座り少しだけ休む事にしました。目を瞑れば今日の出来事を思い出します。私を護衛している二人がアビスの者とは、彼らは私以外の者の食事に毒を盛り、動けなくなった所を狙い殺害、私を連れ去った。他の護衛方々には大変申し訳ない事をしてしましました。せめて安らかに眠れるよう女神サラキア様へ導かねばなりません。


「おい聖女さんよ!つまんね〜から服脱げよ!」

 私を監視している方が声をかけてきた。

 内容はとても酷いものですしたが……


「何故服を脱がなければならないのでしょうか?」


「言っただろ!つまんないんだよ!あんたに手は出せないし、ぼーっと見てるのもつまんね〜。ならせめてあんたの裸でも拝ませてもらって我慢してやろうと思ってな!」


「こんなおばさんの裸を見ても楽しくありませんよ」


「謙遜するなよ!良い体してるじゃね〜か」

 監視の男は舌を舐めずりし私の体を見る。

 下賤な男のようですね。どうすればこのような方をすぐに説得できるのでしょうか、やはり良い方向に導くには時間をかけねば難しいでしょうね


「分かりました。貴方がそれで満足できるのであれば」

私は修道服の上衣のボタンに手をかけた。



蒼字そうじの視点


 この辺に聖女様が連れて行かれたと思うんだけど

いないな〜


 並ぶのは多くの牢屋、中には誰も居ないけど、血の跡が多く残っている。ここでなにか酷いことが行われたのは間違いない。考えるだけで頭が熱くなる。


「うぉ!やべ!」

 前から先程聖女様を連れて行った。フルプレートアーマーの兵士達が来た。慌てて隠れる。


 ふぅ〜……行ったか……聖女様がいなかったな〜。

 この先に居るのか?


 少し先に進むと、先程に比べればかなり綺麗にされている空間が広がる。更に通路を進むと声が聞こえてきた。

 

 は〜服を脱げだ〜聖女様になんて事言ってるんだ!

 俺はクソ野郎の声が聞こえる場所に急いで向かう。

 

 部屋に向かうと牢屋の檻にしがみついている男が居た。

 コイツだな!俺はこいつの脳天にげんこつを叩き込む。


「聖女様!だいじょおーーー」

 俺の前には2つのビックバーンがこぼれていた。

「その!すいませんすいません!」

「落ち着いて………貴方…どなたかしら?」

 聖女様は不思議そうな顔で横に首を傾ける。


………………すいませんがビックバーンが揺れてるんで、しまって欲しいです。

 

 俺はビックバーンの衝撃に耐えつつ前かがみで、「怪しい者ではありません!聖女様を助けに参りました……」と言う。


「う〜ん…………そんなに前かがみ姿勢の黒ずくめの男って怪しくないのかしら」

 ふふふっと小さく笑い。

 コチラを慈愛の目で見る聖女様


「………すいません、怪しいです」

 前かがみは仕方がないとしても黒ずくめはどう考えても怪しい。しかしそれには理由がある。聖女様みたいな有名な方を助けたとなればそれなりに目立つことになる。そうなれば城に呼ばれるかも、キャリーちゃんの件がバレるかも知れん!それは避けねばならん、逮捕される!


「そんなに考え込まないで!助けてくれてありがとう」

 聖女様は慈愛の微笑みを放つ。

 

 その時俺は思った。こちらこそビックバーンをありがとう………そして助けれたのか俺?と……


「ゴホン、その私が怪しいと思われると思いますが、このままここに居るのは危険です!私を信じてください」

 俺は聖女様に手を差し出す。


「はい、分かりました!」

 あれ?即座に手を取ってくれた。うっそー。


「どうされましたか?」

「!?………いえ、ありがとうございます!それでは行きましょう!」

 鍵で檻を空けて聖女様と脱出をする。


「あら?可愛いワンちゃんも居るのですね」

「ほーあんた。今の俺が見えるのか」

「こら!風太失礼だぞ!」

 しかし驚きだ!今の風太は霊化しているから普通の人には見えない。さすが聖職者と言ったところか。


 俺達は隠れながら出口へ向かう。そしてこのまま行けると思っていた時だった。


「すいません、このままでは行けません!」

「???、どう言う事でしょうか?」

「私を護衛している方を置いて行く事は出来ません」


「…………それは……後にいたしませんか、今は脱出する方を優先しましょう」

 俺は恐る恐る提案するが聖女様は変わらない。

「このままでは彼らの魂が悪魔に捧げられてしまいます」

 聖女様は本気なんだな。自分の命がかかっているのに他者を心配するなんて……流石聖女だぜ!


「分かりました!その代わり少し怖い思いをする事に

なるかもしれませんけど、覚悟はありますか!」

「もちろんです!」

 聖女様は恐怖に立ち向かう覚悟などとっくに出来ているようで、既に別の場所に目を向けていた。

 は〜この人にも困ったもんだ。


「セレーナ様、風太行きますよ」

 俺達は再び通路を後戻りする。


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