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第5話 大脱走


『魔石』

 魔物を形成する核となる鉱石で魔力を内包している。武器や防具、マジックアイテム等様々な物に使われており冒険者ギルドや商業ギルドで換金が出来る。



……………▽


「わー綺麗」リルがキラキラした目で魔石を眺めていた。やっぱり女の子だから宝石が好きなんだな〜。

「えへへこんなに大きいのいくらで売れるかな〜」

 あれ?なんか思っていたのと反応が違う………


 リルは蒼字そうじに見られていることに気がつくとなぜか突然慌てだす。

「あ!?蒼字そうじさん違いますからね!私パクったりしませんから」

「あ、別にそんな意味で見てた訳じゃないから、リルは商人の娘さんだからそう言うのが気になるんだね」

「はい、すいません、お父さんにも暴走するなってよく怒られました」


「話はこのくらいにして脱出しようか」

 なんかほのぼのしてしまったが、今はまだ逃げてる最中、気を引き締めて急がないと!


 門番の後ろの扉を開けると階段があり登る。登りきると再び扉が、誰かいないかゆっくりと扉を開き確認する。誰もいない良かった。

 それから慎重に隠れながら移動する。誰ともすれ違うことがなかったのは良かったが一つ問題が発生した。


「何なんだよここは、広いうえに同じような造りで方向感覚が無くなってきたぞ」


「本当ですね。どうしましょう。見つからないように隠れながら移動しないといけないから時間もかかりますし」


「時間がかかり過ぎると脱走したのがバレて捕まるリスクが上がるか………このまま何の考えもなく移動するのは良くないかもしれないな」


 リルがまた不安そうな顔になっている。どうにかせねば、オレ!頭をフル回転させるんだ。


 ポクポクポクポクチーン「思いついた!」


 スゲー力技になるけど今の俺ならやってみる価値はあるかも!


「リルやってみたいことがあるから待ってくれ」

 蒼字そうじは懐から筆を出し傍の壁に向かう。

 再び筆に力を込め□を描く。


『一筆書き 一閃』


 ……壁に切れ目が入った。

「アチョー」壁を思いっきり蹴り飛ばす。

「ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン………」


「おーー思いの外うまくいったぞ!」

「こんな反則みたいな脱走方法されたら拐った人達が呆れますね」


 目の前には壁に穴が空き、その先の部屋、部屋、部屋、部屋 部屋、部屋、部屋………とすべての壁に□穴が空いていた。


「よーし外に脱出だ〜!」

「お、お〜」リルがやや呆れながら返事を返す。

 俺達は壁の穴から外に出ることが出来た。


「あ!あれれ?どうしてこうなった」

 外に出ると十数人の獣人に囲まれてしまった。


「さっきの壁を壊した音……大きかったかも知れませんね」

 しまった!?途中までは慎重に行ってたのに、テンションが上がり壁を壊し方が大胆になり過ぎた!せめて壁を外す時は音をたてないようにするんだったわ。


「ど、どうするんですか、逃げるしかないですよね」

 リルは身体を震わせ怯えている。しかし俺はそうは思わない。さっきまでのことを考えれば見た目はメッチャ怖いが恐らくザコだ。なんとでもなるだろう。


「リル俺に任せろ下がっているんだ!」

 蒼字そうじは調子に乗って格好をつけてみた。


「はい、蒼字そうじさんカッコいいです」

 リルナイス反応だ!

 蒼字そうじのテンションが爆上がりした。


「は〜なに言ってるんだ八つ裂きにしてやるよ」

「調子に乗るんじゃねーぞ!アァーー!」

「「「…………………………」」」


 ザコ共がガヤガヤ言っているが言わせておけば良い。お前らなんて瞬殺だよ。


 蒼字そうじは筆を両手で持ち力を加える。 

 

 子供のころ遊びで良くやったな〜

 俺この技が好きなんだよね。

 

「ブーン」※自分で言ってます。

 筆先から黒い光を放出し剣のように変化する。この技は有名映画ス●ーウ⚫ーズのラ●トセーバーもしくはガ●ダムのビー●サー●ルのようでカッコいい、あと忘れてはいけないのは幽●の霊剣みたい


「それじゃ行くぞ!」俺は走り出した。

 獣人達も黙ってはいない。俺を囲みように群がり鋭い爪で襲って来た。それを躱し筆で書く。縫うように間をすり抜け次々筆を振った。


 すり抜けた先で蒼字そうじは足を止めた。


 獣人達の身体には黒い線が入っており獣人達は切り裂かれたと思って身体を確認していた。


「なんだこけ脅しか!」

「おい、ただのペンキだぜ!」

 笑い声がそこらじゅうから聞こえた。


「そんな訳ないだろうバーカ!」

 ………………『縛筆ばくひつ

 

 だたの黒い線と思っていた獣人達が突如騒ぎ出す。なぜなら身体が動かせなくなったからだ。黒い線が広がり獣人達を縛り上げていく。


「しばらくそこで寝てな!」

 誰一人として立っていられた者はいなくなった。


「おーい、おわ………」俺はリルに手を振り片付いたことを知らせようとしたその時、上空から鋭い殺気を感じる。 


「え!?」勢いよく殺気を感じる方向に振り向くと上空に人が立っていた。  


『インフェルノ』

 上空を覆うように赤い渦が発生、俺がいる位置に炎が落ちて来た。


 やべー死ぬ〜!

 全力で逃げる。「うわぁーーー」

 ……………燃え尽きるとこだった。


 さっきまでの立っていたところが削り取られるように消し飛んでいる。残っている地面はジュワジュワと音をたて熱そ〜………じゃねー!なんだあいつは。


蒼字そうじさーん、だ、大丈夫ですか、ケガはないですか!」

 リルが駆け寄って来て凄い早口で心配された。ケガはないよと伝えると息を吐いて安心する。


「あいつはヤバい、なんとかして逃げるぞリル」

「はい、危なすぎです。超級魔法を使うなんて」

「超級魔法?何それ!」

「あ!そんなこと気にしてる場合じゃないですよ!」

 

 よくわからんが凄い魔法らしい。

 ま〜見た目も威力もヤバいのは体験済みだ!


「ズシャ」あいつ降りてきやがった。


「その子供から離れろ」

 こいつもリルを狙ってるのか?


「お前リルに何をするつもりだ!」


「お前が知る必要はない」

 次の瞬間首を掴まれ勢いよく離れていた木に叩きつけられた。


 くっ!さっきの獣人とは身体能力が桁違いだ!

 明らかにボスっぽいぞ!

 

 そしてよく見るとそいつの首と腕には鱗が?

「おまえ、リルと同じ竜人族、なんで………」

 話かけるが聞く耳を持たない。首がどんどん締められ苦しい………なんとか……しないと。


 俺は締めている腕を両手で持ち、腕の力で下半身を上げヒザで顎に蹴り上げる。


 ちっ、浅いか、蒼字そうじは顔を歪める。そいつは首を後ろにそらしダメージを軽減させていたのだ。そいつは後ろに退きながら片腕をこちらに向け魔法を放つ。


『ファイアストーム』

 蒼字そうじの目の前が再び火で覆われる。

 …………一秒後のオレどうする!?

 

 

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