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第46話 アルヴィア姫


『聖剣エクスキャリバー』


 初代国王アーサーが女神様に導かれ、

 湖の乙女エレインに授かりし魔法剣。

 

 初代国王アーサーはこの剣を使い魔王を倒して、

 世界を平和へと導いたと言われている。




◆アルヴィア姫の視点


「それはどう言うことでしょうか?この剣が、

 聖剣エクスキャリバーだと言うのですか?」


 私は声を張り上げて言う。


 もしもこの剣があの伝説の剣であれば、

 私達王族が長年探し求めていた物。


「あなたなら見て触れば分かるんじゃないですか?選ばれた者しか扱えない剣ですから」

 この男の言う通り、触るまでもなく私には分かってしまう。この剣が本物だと!


「一体この剣をどこで見つけたのです!それにアーサー王に依頼されたと言いましたが、そんな事はありえません」


「う〜んなんて説明すれば良いのかな。アーサーさんに会ったのは偶然なんですけど、インテーロダンジョンで会いまして、姫様が言うように本来会うなんてありえません。遥か昔に亡くなっている方ですからね。私は幽霊が見える能力があるんですよ。それで話をしてお願いされて持ってきました」


「それを信じろと言うのですか?」


「信じる信じないはあなたの判断にお任せしますよ。私はキャリーちゃんを渡せればいいので!」


「キャリーちゃん?」


「あ、そっか!キャリーちゃんっていうのは、このエクスキャリバーのことで……」


「な!?無礼な伝説の剣に対してなんていう名前を」

 姫様は激怒されておられる。どうしょう……


 俺があたふたと動揺していると、

「何よ!キャリーちゃんの何がいけない訳〜」

 今度は伝説の剣がお怒りになられている〜。


 今度はその声聞いて姫様があたふたされている。


 取り敢えずこのままでは良くない。

 フォローせねば!

 

「ま〜ま〜落ち着きなよ。キャリーちゃん、姫様は別にバカにしたわけじゃないよ。むしろ逆、聖剣エクスキャリバーの尊厳を守るために言ってくれたんだ!確かにキャリーちゃんは可愛いけど最高の剣にしてはやや威厳が弱いからね!許してあげなよ」


「ま〜仕方ないわね!確かに威厳があるのはエクスキャリバーよね。仕方ないわ。許してあげる」


「あの〜ひとつお聞きしても良いですか、今喋られているのはエクスキャリバーなのですか?」

 あ〜そこからね!ま〜そうだよね、意味わかんないよね。


「そうですよ!流石は伝説の剣、意思を持っているうえに会話もできるんです。凄いですよね!」


「ま〜そんな!意志がある剣なんて初めて見ました。流石ご先祖様が扱った伝説の剣、凄いです!」

 今度は一転キラキラした目で剣を見つめる。


「それでなんですけど、聖剣エクスキャリバーを受け取って頂けますでしょうか?」


「それはもちろん受け取らせてください。私達王族の悲願ですからとても光栄なことで御座います………」

 姫様はとても嬉しそう顔で承諾して頂いてた。

 何故か今度は不思議そうな顔をしている。


「ん?何か気になることでもありますか?」

 俺は恐る恐る聞いてみた。


「あなたは何者なのですか?」


「……………ん〜それは言えないですね。こんな事しでかしたのですから捕まっちゃいます」


「それは確かにそうですが、エクスキャリバーをアーサー王からのめいで運んで頂いたのです。むしろ私としてはお礼がしたいのです」


「姫様ありがとうございます……そのお言葉で十分です。私はこのまま姿をくらまします。出来れば穏便に帰らせて頂くと助かるのですが…………どうやらそうは行かないようですね!」

 話をしている途中に感じたこの殺気、これはバレているか………仕方がないもう少し話をしたかったけど……


 俺は一度深呼吸して、

「姫様、この度は大変怖い思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。私はこれでお暇させて頂きます」


「あ、あのもう少しお話を」

「すいません、時間が無いようです!」

 俺はエクスキャリバーの方を向き、

「キャリーちゃん元気でな!姫様に迷惑かけるなよ」

「ふん、私がいつ迷惑をかけたのよ!………助かったわ蒼字そうじ、ありがとね!あと嘘ついてごめん!」


「…………ん?……コラー普通に名前を呼ぶなよバレるだろうが、あとキャリーちゃん嘘って何?」

 キャリーが暴露しやがった。どうするのよ!!


「あは〜ごめんごめん」

 キャリーちゃんは軽かった……


「それで嘘ってなんだよ!」

 何の事かさっぱり分からず聞く。


「え〜気づいてないの?私……苦しそうに見える?」


「…………いや、見た目じゃ分からないけど、そう言えばめちゃくちゃ普通に喋っている。元通り?つまり爆発しない!」


「ピンポンピンポン正解で〜す!」

「なんじゃそりゃーキャリーちゃん説明しろ!」


「ん?簡単な話よ!つまり蒼字そうじでも良かったのよ。爆発を抑えるの!」


「は〜なんだよ騙された。ビビって損したぞ!」

 俺が疲れて落ち込んでいると、


「あの〜蒼字そうじさんよろしいでしょうか」


……………姫様に完全にバレたよ!どうしよう!


「あの!安心して下さい!

 私、絶対に誰にも言いませんから」


「え!?………良いんですか?

 俺、姫様を拉致してるんですけど」


「構いません、先程も言いましたが、私は蒼字そうじさんにお礼がしたいのです!」

 姫様を真っ直ぐにこちらの目を見て話をする。

 これは信じても良いな。


蒼字そうじそろそろ限界だ!敵が来るぞ!」

 風太が焦っている。ここまでかな。


「ありがとうございます。姫様さっきの話、宜しくお願いします!すいませんけど行きますね!」


 俺は姫様に手を振り、外へと飛びだした。

 


「へー潔いじゃないか、自ら出て来たか!」

 

 外に出ると長髪を後で結んだ長身の男が立っていた。


「すいません!用が済んだので帰りたいんですけど!」


「そんな連れないこと言うなよ。ゆっくりしていけよ!」


「あ……いえ、そんな血走った目で言われましても早く帰りたいです」

 

「アハッ……帰れるわけねーだろうがーー!」

 怒りの形相で凄まじい速さでこっちに来る。


「ですよね~」

 俺は全力で逃げることにした。


 数十メートルの高さの塔を飛び降り、墨帯を使ってぶら下がり着地、これなら追いかけては来ないだろうと思っていると横でドンッと音がしたので振り向くとさっきの長髪の男が居た。


 えっ!?どんな足腰してるんだよ!


「逃げられると思うなよ!」

 これは簡単には逃げれそうにないな。


『点撃 散らし墨』


 筆を軽く振り墨が無数に飛び散る。

 その墨はまるで銃の弾丸の如く男を襲う。


「はーーしゃらくせー」

 長髪の男はトンファーを使いすべて叩き落とした。


 ウソー全部落としやがった!………やべー!


 長髪の男は一気に接近トンファーを振る。

 それを墨ブレードで受け止めると、


「くっ……」凄まじい力に耐えられずふらつくいてしまい、そこにもう片方のトンファーが腹部側面を狙う。


「させん!」風太が風を纏いトンファーに激突、

 長髪の男は吹き飛びながらも体勢を変え着地する。


「チッ犬にやられるとは不覚だぜ!次は当てる」


 この長髪の男、俺より力も速さも上だな、まともにやり合えばこちらが不利になる。


 俺は筆に魔力を集中させる。


「風太行くぞ!『一文字一閃 乱』」

 斬撃の連続攻撃が飛びそこに風太の力を加える。

『風陣』

 風太から強風が吹き荒れ斬撃が加速した。


 こいつなら受けきるだろうけど、必ず隙が出来る。

 そこを狙って『縛筆』を撃つ!


『アクセル………テンペストブロー』


 長髪の男から赤いオーラが出たと思うと、

 あっという間に俺達の攻撃が粉砕された。


「あれ?これはやばいのでは!」

「おい、来るぞ!」

 

 かなりの速さで接近、どうやら身体能力(速さ)が向上している。俺は一手遅れて動作、トンファーの攻撃を躱しきれずに顔面に当たる。顔を覆ってきた墨帯が千切れて顔が晒されてしまった。


「へー黒ずくめの中はそんな顔をしているのか!」


「くっ……」俺はすぐに顔を覆い隠すが既に手遅れ……


「油断したな!これで終わりにしよう」

 長髪の男は追撃を加えるため再び接近。


「いや………油断したのはアンタだ!」

 俺は男の右腕に指を指す。

 

 男の右腕には札が数枚貼られていた。


…………『氷華』


 男の腕が凍結し氷の華が咲いた!


「グッ……テメェーやってくれるじゃないか」

 男は腕を抑え動きを止める。


「残念、油断したね!俺の顔が見えた事が、そんなに嬉しかったかな〜」


「チッ、油断したことは認めてやるが逃がすつもりはない。顔がバレれば俺達はどこまでも追っていくぜ!」


「お〜それは怖いから整形でもしようかな〜」

 

「おい、ふざけてないでさっさと行くぞ!」

 風太に怒られた……


「逃さねーって言っただろ!」

 長髪の男は諦めてないみたいだが既に勝敗は決している。

 

「戦えばその腕はなくなるぞ!それでも良いのか?」


「ハッ!腕くらいくれてやるよ!お前を捕まえる為にな!」


 俺はため息をつき、

「優先順位を間違えてないか?姫様を守るのが騎士の役目だろ。上に行ってやれよ!」


「逃さないと言ったはずだ!」


「今行かないと姫様が死ぬとしてもか?」

 

「何!?……どう言う意味だ!」


「そのままの意味だよ!大怪我してる可能性とか考えないのか、俺なんかほっておけよ!さっきも言ってたじゃないか!顔を見たからにはどこまでも追ってくるって、俺なんか後回しにしろ。姫様の命の方が大事だろうが!」

 

 男は歯を食いしばり悔しそうな顔で、

「言いだろう今回は逃がしてやる。だがな俺はどこまでも追いかけてお前を捕まえる。……覚悟しておけ。


 男はそう言って走って戻っていく。



「ふーー助かったわ!あの人何処までも追ってきそうで怖いんだよ!まったく!風太さっさとここを離れようか」



 俺達は見事に目的を達成して城を出ることが出来た。



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