幕間 二人の勇者とお母さんのその後②
今日は週に一度のお出かけが出来る日。
つまり私達にとってはお休みみたいなものかな。
城下町を散策、お母さんと話をしながら歩けるなんて夢見たい。
「さくら、あれあれ、うさぎの獣人だよ!あれが本当のバニーガールだね」
陽菜乃は異世界に来ても元気いっぱい。こっちの世界に来て最初は不安だったけど陽菜乃のお陰でそんな気分にならないや!ありがとう陽菜乃!…だけど指はささないで睨まれてるよ!
「さくらあの服カッコ良くないー」
私の袖をくいくいと引っ張るお母さん。見ると防具のお店、店頭に真っ白に輝く鎧、きっと勇者とかが着るんだろうな〜……あ!そう言えば私達が勇者だったけ……
正直未だに実感が湧かない。私が勇者……確かに凄く強くなったと思う………けどレミさんやアインさんと手合わせしたけど騎士団の人は本当に強い、まともに勝てたことがない。
「どうしたの?さくら、ぼーっとして、もしかして蒼字くんのことでも思い出してたの〜うりうり」
「ちょっ、やめてよ!陽菜乃」
友人がからかって来る………けど本当は気になっていた。私達は異世界に来てしまった。もう元の世界には戻れないかもしれない。そう考えるともっと喋っておけば良かったな〜。
「大丈夫よ!絶対に蒼字くんに会える。そしたら今度は告白ね!うふふふ」
………………あれ?私、喋ってないよね。
「お母さん……もしかして私が考えていること………」
「うん!すっごくよく聞こえてるよ!大丈夫よ!蒼字くんは待ってくれてるから早く帰ろうね〜」
「……………ーー!!!」
その時声にならない叫びを発した。
「へーすごい一花さんとさくら、喋らないで意思疎通ができるなんて、これって戦闘に超有利じゃん」
陽菜乃テンションが上がっているが、さくらのテンションは下がった!
「う〜ん、本当に不思議、聞こえる時とそうでない時があるのよね!何か違うのかしら?」
腕を組み頬に手を当て考えてる。
「はいはーい、きっと〜蒼字くんのことを考えてたからでーす」
「なるほど、さすがひなちゃんね!」
「二人共そのくらいにしないと怒るからね!」
顔を真っ赤にしているさくらを見て、
はいはーいと二人は反省したフリをして、
さくらに追い回された。
…………………▽
3人はそのまま商店街へと歩いていく。
露店の店がたくさん並んでいる。途中で串焼きを食べたけど普通に美味しかった。城の食事が特別なのかと思ってたけど、食べ物に関して異世界だからと言って美味しくないことはなかった。むしろ素材の美味しさが問われる簡単な味付けが多かったから調理次第でもっと美味しくできると思う。
「あ〜あ美味しそう………」
恨めしそうに串焼きを見つめる一花。
「お母さんごめんなさいまた夢中になって」
「い、良いのよ!何度も言ってるけど気にしないで、私、幽霊何だから食べれないしお腹も空いてないの」
お母さんはそう言っているけど昔から食べるのが大好きだった。きっと凄く我慢している。なんとかしたいけど、どうして良いか全然思いつかない。こんな時蒼字くん………あ!
「うん、本当に気にしなくて良いからね!凄く伝わったわ」
「あふぅ〜」再び顔を赤くして二人に笑われた。
しばらく歩いていると人が集まっている露店があった。少し覗いてみると二人の可愛らしい少女が売っている。なにを売ってるのか見てみるとそこにはオセロがあった。
「あ!オセロ………異世界にもオセロってあるんだ」
「驚きだねさくら、ほらこっちには絆創膏もあるよ………へー回復機能があるんだ!ちょっと買っていこうか」
「うんそうだね!………!?」
あれ?この絆創膏、漢字で書いてある………もしかして、これって私達以外の異世界人が作ったのかも!
「あの〜店員さんちょっと聞きたいんですけど?」
「はい、何でしょうか?」
「この絆創膏なんですけど、どなたが…………」
喋っている途中、突然声をかけられた。
「……レミさん?どうしたんですかそんなに慌てて」
「ごめんね!ちょっと急ぎ!悪いんだけど来てくれる」
「はい、陽菜乃、お母さん行う!」
「あ〜ちょっと待って絆創膏だけ買ってく」
陽菜乃は余って絆創膏を購入する。
「さくら………ん〜〜?」
お母さんはなんでか首をかしげている。
レミさんが凄く慌てていたので陽菜乃とお母さんを引っ張って城へと向かった。
すれ違うように一人の男が戻ってきた。
「リル、調子良さそうじゃん!」
「蒼字さん売れてるんですけど、ちょっと困ってて助けて下さい」
「おう、良いぞ。何すりゃー良いんだ」
ほんの少しのすれ違い。この時もし会えていれば、もしかしたらこの後の出来事は起こらなかったかもしれない。
出来れば戦いたくはなかった…………な…
ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。
この話で区切り(次の章)となります。
ここからさらに盛り上げて行きますので
宜しくです!
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