第39話 村人救出………そして次の問題
「オホン」俺は精神統一し煩悩よされ………と
心を落ち着かせようとしているが、
ガルムさんが邪魔をする。
蒼字ラッキーだったな〜
あの子とか凄そうだけ見たのか?とかどうだったとか忘れようとしてるのに逆にどんどん思い出し記憶に刻まれていく。…………仕方がないから心の中にしまっておこう。
俺が邪な心に囚われた時、
「は〜い下らんこと言ってないでシャキッとせんかーい」
セラさんにガルムさんと俺はハリセンで頭を叩かれた。
セラさんそれをどこから持って来た?
ガヤガヤと話をしていると三人の女性が村に戻ってもいいかと聞きに来た。俺はなんと言っていいか分からず黙ってしまう。村に行けばあの惨劇を見ることになる。きっとこの中には家族、友人が必ずいるはず、何を言ってあげればいいんだ………
「いいぞ!分かっていると思うが村は酷いことになっている覚悟はしておいてくれ!」
ガルムさんが答えてくれた。それを聞いたみんなは顔を歪ませて悲しい顔、苦しい顔をしているが、
「はい、分かりました」
そう言って、他の女性達を連れて村へと歩いていく。
道中風太は子供達に大人気、囲まれてワチャワチャやっている。本人はうっとうしいようなことを言っているが顔を見れば分かる。風太は子供好きだ。
子供達は風太とセラさんに任せて、
他の村人と俺、ガルム、ソーラがついて行く。
村人の女性達も分かってはいたが現実を目の当たりにして、しばらく泣いたり呆然ととしたりそれぞれの時間が過ぎていき、一人の女性がまとめだし、村の片付けを始めた。
「強いですね!皆さんもう動き出している」
「当たり前のことなんだよ!生きたいなら行動しなければ飯も食えねーんだ!この村人達は正しい行動をしている」
ガルムさんは厳しいことを言ってはいるが、この世界は俺が元居た世界とは環境が違う。誰かが助けてくれるなんて考えているとあっという間に命を失う過酷な環境なのかもしれない。
俺達も片付けを手伝いその日を終えた。
翌日……朝ごはんを食べていると、村人の女性が現れ話をしたいので来てほしい言われた。
ついて行くと比較的大被害の少ない一軒家に着いた。そのまま案内され中に入ると数人の女性が待っており、中に入ると全員深々と頭を下げ村人を救ってくれたことを感謝された。
「それで皆さんはこれからどうされるのですか?」
ソーラさんが質問をする。
代表者の女性からの話を聞く限りでは、この村は元々百数十人の小さな村で今回の事で男は子供を除いて全員殺されてしまい。現在は子供と大人の女性で約五十人程になる。
代表者の女性からあった話は俺からすると衝撃的だった。
「私達は村を捨てます。
…このままここに居ても死を待つだけですので」
「あ〜そうした方が良い。女、子供だけでいたら野盗に襲われるのは時間の問題だ!」
ガルムさんの一言に代表者の女性以外は震え上がる。
「そうだと思います。私達の中に戦える者はおりません。もうあのような怖い思いはしたくありませんので、明日にでも王都に向かおうと思います。そこでお願いなのですが皆さんが戻る際に私達も同行させて頂けませんでしょうか」
「お!いいぞちゃんと連れてってやるよ!
金はいらねー」
ガルムさんはぶっきらぼうに言う。
照れ屋なのかな?
「同行は問題ないのですが、当てはあるのですか?」
ソーラの一言に代表者の女性は顔を曇らせる。
「いえ、当てはありません。マリトさんにも、これだけの人数を雇うことは出来ないでしょうから、頼ることは出来ません!」
「悪いがそこまでは面倒できんからな!」
ガルムは再びぶっきらぼうに言う。
さっきとは少し違う感じで………
「もちろんわかっております。ありがとうございます」
村人の女性は全員深々と頭を下げる。
……………▽
そこで解散となったので、風太とセラさんの所に戻る。
「風太、大丈夫か〜」
「見れば分かるだろう!助けろ!」
風太の上に子供が二人乗って周りの子供が数人ワチャワチャと触っでいる。
「良かったな!風太遊んでもらって」
「なんだと!………おい子供達あそこのお兄ちゃんも遊んでくれる。みんなで遊ぶのだ!」
「え!」………わーーっと子供達は俺に向かって走ってきた。
「よ、よっしゃーこーい」
俺は受け止めることにした。その日はくたくたになるまで遊んだ。
……………▽
翌日村人達と村を出た。
当たり前のことだが、村を出る事、これからの事、ほとんどの者は不安と悲しみの負の感情が渦巻いている。覚悟は皆していたが、やはりそんなに簡単には心を切り替えられない。
「すまない。俺がもっと稼げていれば………」
「マリトさん謝らないで下さい。村に物資を届けてくれて村を豊かにしてくれました。あなたは村一番の出世頭なんですから、何人かは雇って頂けると言って頂けただけでもすごく助かっているんです」
「う〜ん……しかし………」
マリトさんも自分に納得が出来ないようだ。
そんなやり取りを見ていると複雑な気分になってきて俺はついついため息をついていた。俺にも何か出来ることはないのか?
「蒼字くんどうしたの浮かない顔して」
セラさんに心配されてしまったぞ。顔に出てたかな?
「顔だけじゃなくて、負のオーラが出ているぞ」
「おい風太それは言いすぎだろう」
俺の横をトコトコトコと近づいてくる風太。
「蒼字くんあまり落ち込まないで下さい。仕方がないことなのです。今回程規模が大きい事は珍しいかと思いますが、このように家を失い生活がままならない方はごまんといます」
「そうだ!俺達に出来ることをやれば良い。それ以上求めるのは傲慢って奴さ」
ソーラさん、ガルムさんも気にかけてくれた。
そうか俺が出来ることをやれば良い。
なにか俺にやれることはないのか?
それから結局ずーっと考えて歩いてしまい。
あれれ?いつの間にか王都まであと少しという所まで来ていた。
王都の門の前につくと代表者の女性が挨拶に来た。
「この度は大変お世話になりました。皆様にはなんとお礼を申し上げたら良いか」
「気にすんな!あんた達はこれからのことを考えれば良い強く生きるんだな!」
ガルムの一言に「はい」と強く答える。
「それでまずはどうされるのですか?」
俺も気になっていた事をソーラさんが聞いてくれた。
「マリトさん紹介して頂き、まずは商業ギルドで仕事を探そうと思います」
そうか商業ギルドに行けば仕事がきっとあるはずだ!
俺はほっとした顔になると代表者の女性が
「ふふっ、蒼字さんは私達の事を随分と心配して頂けるんですね!大丈夫です!みんなと協力して仕事を探します。何だってやってみせますよ!私達……まだまだ若いですから風俗店で働くことも出来ます。その時は来てくださいね!気合入れちゃいますから!」
この女性は努めて明るくしている。
その姿を見て聞いて…………アカーンそれはアカーン。俺は我慢できなくなった!
「ダメだ!それは絶対アカン」
俺は知らず知らずに強く声が出ていたようで、
周りのみんなはビクッとしていたらしい。
「ガルムさん、セラさん、ソーラさん聞きたいんですけど今回倒したドラゴンの報酬の取り分俺にもあるんですよね!」
「あーもちろんだ!半分で良いか?」
「半分?四分の一では?」
「は?そんなわけ無いだろ!こっちはパーティで動いているんだ。蒼字と俺達パーティで半々が妥当だろう」
ガルムさんはなに言ってるんだ?みたいな顔をしているが俺としては貰い過ぎの気がするけど、今は遠慮するのは違うな!
「ありがとうございます。ちなみにどのくらいのお金になるんですかね?」
「そうですね………普通の赤竜でしょうから五千リオンくらいかと」
お!いいね!それだけあればしばらくはいいかな?
俺は代表者の女性に
「ドラゴンの報酬が出るんで俺に任せて下さい。それ皆さんに全部あげますし、考えてみれば知り合いに商業ギルドの重鎮がいるんで!」
「…………………」全員無言、特に代表者の女性は驚きすぎてやや過呼吸気味に……あれ?喜んでくれるかと?
「蒼字正気か?お前がそこまですることはないんだぞ!」
ガルムさんはどうも心配してくれてるのかな?
「はい!俺は自分の出来ることをしようかと思います」
「クッ、アッハハハ、蒼字お前面白いな〜分かった。それについては何もいわねよ!好きにすれば良い。ただひとつだけ言わせてくれ俺はお前が気に入った!何かあったらいつでも頼れよ!」
ガルムさんは突然ご機嫌になりバンバンと背中を叩かれ痛いです。
ガルムさん達は今回の事件とドラゴンの件について冒険者ギルドに報告に向ってもらい、俺は村人の方と商業ギルドに向うことに…………あれ?俺ってなんかやることがあったような気がする。何だっけ?




