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第32話 潜入!誘拐犯を捕まえろ!


 この手紙には人質の交換場所や時間帯などの情報がかかれてはいない。恐らくこの後もう一通届くのか伝令で誰かが来るんだろうけど。正直待っていられない!


 なんとか捜さないと!


蒼字そうじさんマップを使いましょう!」

 リルの発言にハッとする。メッチャ良い方法があるじゃないか!


「分かったリル、やってみる!」


 

『リアルマップ 転記』

 

 またしてもごっそりと魔力(霊力)と気力が持っていかれる。


 しかし何度か使って分かったことがある。条件、これが多いほど複雑なほど力を持っていかれる。

 

 今回の条件は三つ

 ①シナさんの娘さん

 ②シナさんの娘さんを誘拐した犯人

 ③範囲はこの町


 捜索範囲がそれなりに大きいので今回は結局ぶっ倒れそうなくらい力を失った。


「はーはーはー」


蒼字そうじさん大丈夫ですか?」


「大丈夫だ!リルそれよりこのマップを確認してくれ、どこにそいつらが居るか見つけるんだ!」


「はい」

 

 リルはマップを見てシーちゃんを捜す。俺はひとまず休憩、今回の疲労感からすると魔力(霊力)を20000以上持っていかれた。魔力量が多いから問題ないけど、気力の消費が激しくて動ける気がしない。



「居ました!シーちゃん達は〇〇通りの〇〇の近くにある建物の中です」


「本当かい!待ってな!今かーさんが行くからね!」

 シナさんが立ち上がり入口に向かうが、即座にリルが止めた。


「待って下さい。シナさんはここで待ってて下さい」


「なに言ってるんだい!リルちゃん、娘達が待ってるの」


「それはわかってます。けど今の冷静じゃないシナが行くのは危険です。これは冒険者に依頼するか衛兵を呼ぶしかありません」


「そんな!待っていられないわ!」


「それが危ないって言ってるんです!」


 お互い一歩も引かない。リルは何気に力強いからシナを抑えるのは楽勝みたいだけど、


「リル、ここは俺達でやろう。この間の話だと衛兵もどの程度信用できるか分からない。それに早くシーちゃんを助けたいからな!」


「分かりました。シナさんはここで待って居て下さい」


「でも〜」未だシナさんは納得できない。

 当然だな!娘さんを拐われたんだから。


「リルはシナさんと一緒に居てくれ。ここは俺一人で行く」


「え!?蒼字そうじさん一人だと危ないのでは」


「大丈夫!僕も行くよ」

 レイチェルが自ら危ない役目を買って出てくれた。しかし、むしろ心配だ!なんか起こしそうな気がする。

 

 こうして俺とレイチェルで助けに向かうことになった。


「その術すごいね!今度調べさせてよ!」


「あ〜!良いけど、これが終わったらマップはやるよ!しばらくは機能してるはずだから」


「やったーー蒼字そうじ大好き〜」


「おい!真面目にしろよ!これ終わってからだからな」

 レイチェルはタコ踊りしそうなくらい喜んでいる。しかし意外と体力あるな、てっきり学者タイプってのは鍛えてないと思ってたんだけど、俺に余裕でついてくる。



 俺達はシーちゃんが囚われている建物に到着。

 問題ここからだ。どう救出するか。

 無闇に突っ込めば人質が危険にさらされるかも知れない。ここは慎重に行かないと。

 

 ……どうしようかな。全然思いつかん。


「ね〜ね〜私がなんとかしようか」


「何それ!ね、ねすみ?」


「そうだよ!ネズミ型ロボット、こいつであいつらを眠らせよう」


 レイチェルの話によるとはこのネズミ型ロボットには催眠スプレーが搭載されており入口付近の門番を倒せるとのこと。それではお願いしよう。

 一応もしもの対策は打っておくけど!


……………あっさりと門番は倒せた。今はぐうぐうと寝ている。レイチェルの事だから何かあるかと身構えていたがやっぱりレイチェルはすごいのか?


 それから建物の中の奴らもネズミさんがバッタバッタと倒していく。これは意外とこれで行くかもと思っていたがそうは行かなかった。


「随分と舐めた真似してくれたな〜」


 奥の部屋にはダズと数人の男それに魔法使い?


「なんでバレたんだ?」

 気が付かれた感じはしなかった。理由が分からない。


「は〜教えてほしいか?教えてやっても良いが、その前にこの間の借りを……」


 話している途中にレイチェルが口を挟む。

「後ろにいる魔術師だろ!倒している途中で気がついたよ。仲間に術をかけるなんて感心しないね!」


「ふん、君も魔術師かな。そうだよ!彼らには刻印をつけておいから彼らの意識がなくなったことはすぐに分かった。こんなにバタバタと倒れていけば不審にも感じる。つまり何者かの仕業とね!


 なんてこった、せっかく上手く行ってたのに、

 それと………あれシーちゃん以外にもう一人いるけど誰?


「あの〜聞いてもいいですか?ダズさん」

「は〜テメェー舐めてるのか?普通に話してるんじゃね〜よ」

「いや〜人質って二人ですか?」

「は?こいつらがシナの娘だろ!一応一緒にいたから連れてきたんだ!」


「へー」シナさん娘さんシーちゃん以外にも居たんだ。


「私は良いからシーは返して下さい」

 俺より少し下かな?お姉ちゃんが妹を守ろうとする姿、素晴らしい。


「お姉ちゃんダメでしゅ!一緒に帰るの!蒼字そうじお兄たんたしゅけて〜」


 助けよう!速攻で誰よりも早くシーちゃんをナデナデするために!助けよう!


 可愛すぎるだろう!バカヤロー


 と、脳内処理が終わった所で、

 人質を取られているので不意を突くことにします。


『いいよ!風太』


 突然突風が人質がいる場所を起点に吹き荒れ、

 ダズ達を吹き飛ばした。


「なにーーー何が起こった!」

 ダズ達は周りを見渡すとそこには白い小さな犬が一匹。

 

「ん?」あれ風太見えてるのか?

 こっちの世界に来てから変化に驚くばかりだ、

 これは術の棚卸しでもしないとダメか!


「近づくなクソ野郎共この二人を守るよう言われている。近づけば切り裂く!」


 風太から殺気が放たれダズ達は固まる。


「チッ、お前達やれーー」

「あ!ごめん全員捕まえたから!」


 風太が殺気を放った瞬間、墨帯で全員の腕を縛った。

 

「な!バカな、くそ〜、おい魔術師なんとかしろ」


「うるさい!あんたらの事はどうでも良いがこのままだと俺も捕まるからやるしかないか!」


「何だとーー」ダズは激昂する。


「地の底より異でよ!我が敵に死の鉄槌を与えし巨人」

 


…………『デビルロック』



「悪魔召喚!なんて事しやがる!」

 蒼字そうじの前には禍々しいオーラを纏った巨大なゴーレムが立っていた。

 

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