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第28話 Cランク合格


「貴方はなにをお考えなんですか?」


「そんなに怒んないでよ!キャンベルちゃん」


「セクハラです!」


「え!ちゃん付けしただけだよ。厳しいよ」


「もしもの時は突入しますので!宜しいですね!」


「もちろん良いよ!でもあの話が本当ならその必要性は無いと思うけどね!」


 ギルマスは不敵に笑った。



……………▽


「なんだよ!遅かったじゃないか、それじゃさっさと始めるとするかー」

 

「ブン」と顔の目の前に大剣が横切る。

 

「おい、おっさんそれ普通の剣だがどういうつもりだ?」


「ん?これか……より実践向きにして正しく判定してやろうと思ってな!ありがたく思えよ!クッハハハ」


「そうかい、それじゃこっちも普通に戦わせて貰うけど文句言うなよ!」


「お〜随分と生意気なこと言うじゃないか、これは楽しくなったぜ!オラー」


 再び大剣が顔の前を横切った。こいつワザと怖がらせるためにやってるな。



…………▽


「何故止めるんです!」

「まだ、早いよ!劣勢でもないし」

「明らかなルール違反です。すぐ止めねば

 なりません!危険すぎます!」

「そ、そうだね〜僕もそろそろピリピリしてきてよ!アタタタタ」


 ギルマスはキャンベルが突入しようとしたので、肩に手を置き止めたのだが、彼女の怒りの感情に呼応して雷属性の魔力が放出される。シビれて力が入らない。



…………▽


「はーどうしたどうした〜逃げてばかりじゃ合格にはしてやれね〜な〜」


 大剣をブン回しその圧でなかなか近寄れない。

 

 …………この圧、ただの剣気じゃない!


「その武器、普通じゃないよな〜なんか特別なのか?」


「へー気が付いたか?弱めにやってたがバレちまったら仕方ないか」

 ダインは剣を上段を構え全力で振り落とした。


「うぉ!?」

 離れた位置なのに斬撃が飛んできた!

 直撃は避けれたが風圧で吹き飛ばされ地面を転がる。


「アッハッハッハ、虫けらが転がってるぜ!」


 おいおい試験官殿、虫けらはないんじゃないの品が無さすぎだぜ!


「あー痛ってーびっくりした!」


「どうだ!俺様の斬撃は!」


「良い武器持ってるな!おっさん」


「生意気言えるのも今のうちだけだ、確かにさっきのはこの武器ストロングインパクトのお陰だ。強く振り回せばそれに応じた。


「ブン」地面に叩きつけると地面に大きな跡ができた。


「威力を発揮するわけだ」


 成る程、ダインからは魔力を感じなかったからおかしいなと思ったが武器自体に能力が付与されているわけね!面白い。


「そろそろ俺からも行こうかな」

 懐から筆を出す。


「フッ、何のつもりだ。そんな物を出して」

 思いっきり鼻で笑われた。ま〜そうだよねー。



蒼字そうじ様……なにをするつもりなのですか」

 唖然とするキャンベル


「うーん聞いてた通り変わった武器を使うね!これは楽しみだ」


「う〜んどうやって倒そうか、悩むな〜」


「そんな事は考えなくていいぞ!お前は蹂躙されるのみだからな〜」


 再び上段からの大振り、大地を斬撃が走る。


「よっと!」

 筆から黒い帯を出し天井に引っ掛け上に逃げて躱す。

「うーん、どうしよう」

 天井からブラブラと回りながら考えていた。


「おいテメェー降りてこーい」

 どうも上に攻撃するすべはないようだ。

 降りてやるギリはないが煩いから降りるか。


「よっと………良しこれで行こう」

 俺は作戦を考え、せっかくなんで懲らしめることにした。


「ほいっと!」

 懐から札を出し投げた。


「ふん、こんな紙切れを投げて何のつもりだ!」

 ダインが札を切ると「ボン」っと爆発する。

「ぐあー」ダインは驚き目をつぶった。


「火札……(爆)」


「テメェー舐めたマネしやがって、許さねー」

 ダインが突っ込んで来た。大剣を振り回し猛攻を繰り広げる。ただの剣を躱すのは分けないのだが、風圧が常に発生して上手く動くことが出来ない。その為気が抜けず攻めきれない。


「ちょこまかと逃げるなー」

 ダインは今までで一番威力の高い一撃を放つ。

 その衝撃は凄まじく再び俺は地面に転がる。


「はーテメェーはそうやって転がってれば良いんとよ!トドメを差してやる」

 ダインはこちらに向かって走って来る。


「待て、そこまでだ!」

 俺はダインに向かい手を向け制止させる。


「命乞いか、無駄だぜ!」


「いや忠告だ!俺の勝ちだ!これ以上は止めておけ!」


「は?何を言ってやがる!」


「自分の身体を良く見ろよ」


「身体?なにがあるって?………何だこれは!?」


「さっき見たはずだぞ!爆発した札を」


「まさか」

 ダインの身体には複数の札が付いていた。


「テメェーいつの間にやりやがった!」


「ん?こうやってただけだよ」

 筆をくうっと上げるとぺたっとダインの身体に札がくっついた。


 よく見ると地面に札が何枚も落ちている。


「罠を仕掛けさせて貰った。これは天井に上がった時に細いクモの糸のような紐を出し、お前の周辺に撒いた。火札を投げつけ爆発、視界を奪った隙に札を地面にばら撒いてお前が動くたびに紐が札に当たりくっついていった。あとは俺の合図でお前に張り付くよう操作した」


「これでもうお前には何も出来ない。お前の負けだ!ダイン」


 身体をぷるぷる震わせ怒りをあらわにするダイン。


「テメェー許さねー…卑怯な手…使うんじゃねぇーよ」


 なんでこれが卑怯なんだよ。作戦だぞ。

 面倒くさいヤツだな〜


「じゃーどうすれば良いんだよ!」


「これを取れ!」


「えー……せっかく頑張って付けたのに〜……はいはい、分かりましたよ」


 ダインに歩み寄り札を取り外す。


「死ねやーーー」

 ダインは札を取り外した途端、大剣を俺に向って振り下ろした。


 まーお前はそう言う奴だよ。

 こうなることを予想していた俺は事前に準備していた攻撃をしようとした瞬間。


「バチ、バチバチ」…………「ゴッファ」

 

『疾風迅雷』そんな速さだった。

 

 目の前には黒こげのダインと「バチバチ」と音をたて光っているキャンベルさんが居た。


「あなたの負けです!ダイン!そして試験官として失格です。これ以上の暴言や卑劣な行為はギルドの質を下げてしまう。あなたはここに居るべきではない!」


 すっげぇーカッコいい………けどダインは気を失ってるから聞こえてないけどね!

 


 バタンとダインが倒れるとキャンベルさんはこちらを向き。


蒼字そうじ様、このような者に試験官を務めさせてしまい大変申し訳ありませんでした」

 頭を下げるキャンベルさん!しかしキャンベルさんはまったく悪くない。もし悪いとしたらアッチの………


 俺はついギルマスの方を見ると、キャンベルさんは気がついたみたいで、またしてもシュッと移動しあっという間にキャンベルに首根っこ掴まれた。ギルマスが現れた。


「やー素晴らしかったよ!蒼字そうじくんなかなか見ごたえがあったよ!うんうん」

 何かに納得したように首を振るが、キャンベルさんに何かに言われたのか、


「いやー本当にすまなかった!今回どうしても君の力が見たくってワザとダインくんをあてがったけど怖かったし危なかったよね〜ゴメンネ〜」


 ふざけた態度を取るギルマスが気に入らなかったのか「バチバチ」と音をたて鬼の形相に変わるキャンベルさん。


「あーーそうだ!もちろん合格だよ!これで晴れて君もCランクだよ!おめでとう。パチパチパチ」


 ギルマスせめて下ろしてもらってからにした方が良いのでは、それにパチパチと手を叩く音の後ろで「バチバチ」音がして怖いんですけど………


蒼字そうじ様、おめでとうございます」

 さっきまで鬼の形相だったキャンベルさんも最後は綺麗な笑顔を見せてくれた。……ほぉ、良かった。


 これで俺も晴れてCランク冒険者だぜ!



……………▽


 なんで、こうテンプレが好きかね〜。

 

 ギルドから帰る途中数人の冒険者と思われる男達に囲まれた。そしてその中央にはあの男ダインが居る。


「今日は世話になったな!借りを返しに来たぜ」


「丁重にお断りさせて頂きます」

 頭を下げ断るが、案の定言う事を聞いてはくれない。


 は〜やだやだ、こう言う予想通りの展開。

 

「ダイン、それで良いんだな!オレはお前を敵とみなすぞ!」


「ハッ、俺は今テメェーをボコることしか考えてないんだよ!そんなもん知るか!」


「分かった!仕方がない」……………


 ………………『呪詛 赤き煉獄」


 ダインの背中から炎が突然吹き出した。


「あーーーあち、あち、熱ちよ!!」

 ゴロゴロと転がり炎を消そうとするがいっこうに消える様子はない。


 俺はこんな事もあろうかと事前に奴の背中に呪詛の札をつけておいた。これは奴が反省するまで解けないこの呪い。早く反省しないと死んじゃうよ。


「はぁ〜気が滅入るね」

 月明かりを見ながら俺は帰る。


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