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第17話 『イレギュラー』と『ネームド』


「聞かせてくれよ!八本角の話をよ!」

 なんだ話を聞きたいだけか、でもさ〜普通に聞いてよ。威圧感があり過ぎの汗臭さが半端ね〜…汗臭さは関係ないか。


 今俺は、ガチムチとハゲ軍団に囲まれ息苦しい思いをしていた。もうちょっと離れてほしい。


「八本角、ランクは不明だが最低でもAランク以上予想ではSランクにもなる強敵よ〜」


「へ〜そうなんですか、強そうでしたもんね」

「ん!」オッサンの眉間がピクリと動く。


「ほ〜おまえさんにとってはそれ程強い相手では無かったように聞こえる言い方だな」

「いえ、そんなことは無いですよ。実際死にかけましたし」

「ん、そうか、そう言えばまだ名をなのっとらんかっな、俺はオーバン、ヨロシクな!」

「こちらこそ蒼字そうじと言います」

「さて自己紹介が終った。早速だが八本角について聞きたい」

 どうやら情報収集の為に呼ばれたようだ。

 それから八本角との戦闘について説明をした。

 

「かー電撃を放つか、レアじゃな、こりゃーなにか対策考えておかんと全滅もありうるか?どうすっかな〜」

「ん?……オーバンさん電撃に耐えれる防具とかないんですか?」

「…あるにはあるだろうけどよ。そんなのバカ高いうえに滅多に置いてない代物だ。手にいれるのは困難じゃ」

「ふん〜そうなんですね」

 電気を使う魔物は滅多にいないのか、俺って運わる〜



「サンキューな大体分ったぜ!」

「オーバン!」※オーバンの仲間

 声をかけられオーバンが振り向くと眉間にシワを寄せたキャンベルさんが立っていた。


「お!キャンベル久しぶりだな!」


「なにが久しぶりですか、ついさっきも会いましたよ!そんなことは良いです。冒険者がツルパゲの集団に連れて行かれたと通報がありました………問題を起こすなと前にも言いましたよね!」


「んな〜固いこと言うなよ。情報収集だよ情報収集!冒険者たるもの、しっかり準備をしないとな!お前にも教えられただろ!」


「そんなことは聞いていません!毎度毎度情報収集のためだからって無理やり人を連れて行かないでください!」


 グイッと顔を寄せるキャンベルさん。こわ!?


「おいおい、そんな怖い顔してるとせっかくの美人が台無しだぜ!」

「大きなお世話です!次やったら!処罰しますからね!」

「悪いな!キャンベル、俺は最高の状態じゃないと冒険には出ないタイプなんだ」


 少しだけオーバンさんの顔が陰った気がする。


「誰も情報収集がダメとは言っていません!これからはしっかり同意取ってからにして下さい!蒼字そうじ様こちらへ」


 俺はオーバンさんに軽く挨拶してキャンベルさんのあとをついていった。



 客室に通され入るとジャンさん達がいた。

 

「よ〜大丈夫だったか?」

 俺は目を細めてジャンさんをジーっと見る。

「大丈夫だったかじゃないですよ!助けて下さいよ。ガチムチのハゲたオッサン集団に囲まれたんですからね」

「いや〜流石にな〜オーバンさんには逆らえないって 言うか、そのなんだ、キャンベルさんを呼んだから助かっただろ!」

「それはそうですけど………」

蒼字そうじくんごめんね!私達もオーバンさんにはお世話になってるしBランクバーティーの上位には頭が上がらないのよ」

「へ〜オーバンさんはBランクなんだ〜」

 確かに見た目は強そうだもんな!普通に関わりたくない。


「…………ま〜良いですよ!キャンベルさん査定をお願いします」

「はい承知しましました。ではこちらで一度お預かり致します」

 キャンベルさんは角と魔石を受け取るとそれを別の人に渡し、席に着いた。


「皆様お疲れ様でした。これほどの相手を速やかに討伐して頂いたことで今後の被害を少なくすることが出来たと思います。本当にありがとうございました」


「いえそんな、何事もなくってよかったです。それで一つ聞きたいんですけどイレギュラーって何ですか?」

 昨日からずっと気になって仕方なかった。


蒼字そうじ様はご存知ありませんか、それではご説明します」


▽イレギュラー

 魔物が何らかの理由で変異した個体 (冒険者ギルドで登録されていない個体)通常は見つけ次第討伐依頼が発行され早急な対応が求められる。


 また、イレギュラーの討伐が長期にわたり達成されない(約10年程)場合や被害が深刻などの理由がある場合、その魔物は『ネームド』と呼ばれ何らかの二つ名が付けられる。


「へ〜そうなんですね!ちなみにこの辺にも『ネームド』はいるんですか?」


「います。この地域で2体、数十年にわたり討伐が達成されていない魔物が」


 話によると………

 

『キマイラ』

 見た目はライオンの上半身、蛇の尻尾、ヤギの頭を持つ、高い感知能力を持っており、複数のパーティーの攻撃をも躱す回避能力、口からは火を吹き広範囲に攻撃をする。被害者は数百人にも上る。


『アローピクス』

 未だ姿をはっきり見た者はいない。現れる時には必ず霧が発生、旅人の持っている物資を盗み、そのまま消えてしまう。幻の魔物。



「説明ありがとうございます。参考になりました」

「いえ、気にしないでください。これも業務ですから、わからない点がありましたらいつでも聞いてください」



 話をしていると先程査定に出した物が戻って来た。

 キャンベルさんは担当者と少し話をしてこちらに戻り説明を始めた。



「まず魔石ですが、700万リオンになります」

「え⁉」4人とも驚き顔を見回す。


「魔石に関しては魔力量も非常に高いこともありますが、それ以上に雷属性の力を内包しています。かなりの貴重な品でした」


 そう言えば魔物で電撃を使うやつは少ないって言ってたっけ。


「角に関しては1300万リオンとなります」

「は〜⁉」4人とも総立ちである。


「キャンベルさん、いくら何でも高すぎるのでは?」

 想定外の高額に俺は声が出てしまった。


「驚くのも分かります。1000万超えの案件に関しては、このギルドでは半年振りとなります。この角は今まで発見されなかった新種である貴重性とかなりの硬度を持っていることが確認できました。品としての価値はSランクでも上位となります」


 すごいけども、どうすればいいんだ?


「ジャンさん、ケリーさんどうします?」

「なんで俺達に聞くんだよ?」

「これって蒼字そうじくんが倒したんじゃない!」


 ジャンさんもケリーさんも不思議な顔をしているが俺一人だったら多分死んでた!二人が助けてくれたのは間違いない。


「そんな事ないですよ!これは3人の勝利です。山分けと行きますか!」


 俺の一言を聞いてジャンさん達は最初は遠慮していたがやはり嬉しかったのか最終的には折れて受け取ってくれた。


 ただし分け方はこうだ、

 俺は魔石を貰い、角は二人に渡した。


 その後ギルドを出てジャンさん達と別れる。

 今日はパンさん達と外で食事をすることになったので目的の店へ向かった。


「その良かったんですか魔石」

 リルは魔石を気にしているようだが、俺は魔石を換金せずそのまま持ってきた。雷属性の貴重な魔石武器とかの材料にしたいな〜と思って持ってきてしまった。


「う〜んリルはお金の方がやっぱ良かった?」

「そう言う訳ではないのですけど……ちょっと勿体ない」

「そうだなリルお金好きそうだもんな!」

「や、やめて下さいよ〜私金の亡者じゃないですからね!商人としてお金に敏感なだけです!」

 

 リルは頬を膨らませて抗議、少しなだめるのに時間がかかりました。


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