第13話 商業ギルドのサリーさん
獣人は取り押さえられ、俺達はサクさんに挨拶をして商業ギルドに向かう。なんやかんやとあったがやっと目の前に大きな建物が見えた。商業ギルドに着くことができた。
リルは何度も来たことがあるとのことでスムーズに進むことができ受付でも何ごともなく許可書を発行し帰ろうとした時だった。呼び止められた。
「リルちゃん!リルちゃんよね!」
後ろを向くと杖をついたおばあさんが居た。
リルを呼んでるから知り合いかな?
「サリーおばあちゃん!」
「お〜生きていったか、良かったよ〜!」
おばあちゃんに抱き締められるリル。
誰なんだろうこの人?
「リルちゃんは大丈夫だったんだね!馬車にはお前さんは居なかったから攫われたのかと思って冒険者ギルドには依頼を出していたんだよ!」
「うん、ご迷惑をお掛けしました」
「何言ってるんだよ〜迷惑なんてことあるわけ無いだろ〜。よく生きて帰ってくれた。話を聞かせてくれるかい」
「はい、たいじょ、あ!蒼字さん良いですか」
「うん?俺は良いけど」
んぐっ!?……突然強い視線を感じた。
サリーさんに睨まれている。なぜに?
「あ!蒼字さんは知らないですよね。こちらにいる方はサリーさんと言いまして、このギルドの副ギルドマスターを務めています」
「副ギルドマスター?」と言うことはかなり偉い人じゃん、これは失礼のないようにしないと。
「どうも私は蒼字と言いまして…」
ジーー…視線を強く感じる。
「そうかい!私はここの副ギルドマスターをやっておるサリーってもんさね!それよりあんたリルとはどんな関係だい!内容によってはただじゃおかないよ〜」
何でそんなに敵意剥き出しなのかと思ったら、そう言うことか〜リルは美少女だとは思うけど、流石にこんな小さな子に手は出さないから、でも多分言っても通じない感じですよね〜。
「おばあちゃん、それについては私から話すから」
「そうかい、分かったよ。でも私の目の黒いうちは………」
話がなかなか進まないので省略。
………………▽
「そうかい、その盗賊なのかは分からないが許せないね!ただじゃおかないよ!」
憤怒するサリーさん、それにしてもリルを抱き締めて放さない。どんだけだよ!
「大丈夫だよ。おばあちゃん、さっきも言ったけど、蒼字さんが倒してくれたから」
「ほんとか〜い?弱そうに見えるんだがね」
「…………………」そうですよね~。
「おばあちゃん!そんな事言っちゃダメだよ!蒼字さんは私の命の恩人だよ!」
リルが頬を膨らませて怒っていると、サリーさんは慌ててリルを宥めている。
「オホン、蒼字とやらリルを助けてくれてありがとう。しかしリルに手を出したら………」
また、この話ですか?リルさん止めて〜。
願いは届いたのか?話はリルが止めてくれて商売についての話に変わる。
「リルちゃん私のところで働かないかい、なにもいきなり路上で一人でやらなくても……」
心配をしているのがすごく伝わってくる。
「良いんです。私、前から一人でやってみたいと思っていたんです。それにこれくらいの事出来ないで国一番の商人なんかにはなれませんから!」
「国一番の商人ね〜ライドンの夢を叶えるのかいリルちゃんらしいね〜」
サリーさんの目がうるうるしている。
「うん!だからやらせて!サリーおばあちゃん私頑張るから!それに心配してくれてると思うけど、蒼字さんが手伝ってくれるの!だから大丈夫だよ!」
「ギロッ」またしても強い視線、もうイヤ〜。
「はぁ〜分かったよ!なにかあったら私やパンに言うんだよ!いつでも助けに行くんだからね!」
…………サリーさんから熱烈な応援を頂き
俺達は商業ギルドをあとにする。
「リル、この後どうする?戻るか?」
「そろそろお昼の時間になるから、商店街で食べ歩きでもしようと思うんですけど、どうです?」
「リル、すぐ行こう〜やっほ〜い」
「ふふ、蒼字さん子供みたいですよ!」
「いいのいいの、ここは異世界なんだから、テンション高めで行かないとね〜」
「異世界に行くとテンション高めなんですか?」
「リル、細かいことは気にするな!ほれ行くぞ!」
蒼字はリルの手を取り走り出し、リルも楽しそうに笑っていた。
……………▽
「おーーースゲ〜」
周りには人、人、人、人でいっぱいだ!そしてなにより驚きなのは、人種、元の世界にはいない存在がいる。これだけで新鮮な気分になる。
「わ〜あの人ドワーフかな〜ずんぐりむっくりしてる〜。あ!あっちは猫の獣人かな耳が可愛いな!あ!あっちには豚の獣人か?ブヒブヒ言うのかな〜」
「蒼字さん、落ち着いて、テンション上がり過ぎですから、それにあれは豚の獣人じゃなくてダダの太ったおじさんです!変なこと言ってると怒られますよ!」
「え!そうなの……ゴメン」
どこを歩けど賑わっている。ここはとても良い町なのかもしれないな。みんな楽しそうにしている。
そして俺も楽しんでいた。特にこの世界のご飯は美味い!何故かは分からないが、森で取ったキノコや木のみですら感動出来たのだ!料理として出される物はどれ程の物かと思ったがやはり美味かった。
「蒼字さんあれも食べましょう。私あれ好きなんです!」
見ると焼き鳥みたいな食べ物。
「これって何なの?」
「これはですね!ボール鳥の甘焼きです」
「ボール鳥?」
「えっとてすね。ボールのように丸々と太った油がのって味がとってもする鳥なんです」
ほぉ!なるほど、とにかく食べてみよう。
「おじさん串2本ぐださい」
「あいよ〜」
二人そろってパクリ。
「「うっま〜い」」
ついつい叫びたくなる美味さ、甘くて油がのってジューシー、一本食べてこの満足感は素晴らしい。
「どうでしたか!美味しかったですよね!」
「リル、これは美味すぎだよ。ヤバい!」
その辺で座ってリルと食べた物について話をしていると、近くから叫び声が聞こえた。何ごとだ?
「どうか、お許し下さい!貴族様」
「ふん!一般庶民が私に楯突く気か〜」
あ、なんかトラブルぽい………




