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第109話 それではラジオ体操 デスマーチVer


「ペトロス大臣、もう一度聞きますね!やりました?」

 蒼字そうじはニヤリと悪い顔をして聞く。

 

 そこには青ざめた顔をしてダラダラと汗を流しているペトロス大臣がいた。




…………▽

 ほんの少し時を遡り。


「まずはウォーミングアップしますか、『操影術そうえいじゅつ』」


 「は!?え!?お!」等の声が上がる。

 ペトロス大臣を除く五人は立ち上がり等間隔空けて横に広がり、ルビーが一人ずつに鎖を付け、その先には重そうな鉄球が………


「それではラジオ体操 デスマーチVer」


 蒼字そうじの笑顔に五人は顔を引きつらせた。

 

 10分後∶荒い息をなんとか整えながら体操をしていた。

 20分後∶しんどい、無理だ〜などの声が出始める。

 30分後∶ギャー助けて〜などの叫び出す。

 60分後∶腕と足からブチブチと音が出て気を失う者が現れる。ただし身体は動いているので痛みで目を覚まし叫ぶ!


 蒼字そうじ達は暇なのでお茶を飲みながら雑談、一応たま〜に確認、国王軍の方々なのでこのくらいは大丈夫だろうと思ってはいるが、もしものことがあると面倒なので見には行っていた。


 パンパンと手を叩き、皆さんお疲れ様ですと声をかけるが誰も反応しない。屍のようだとナレーションが流れてきそうだ。


「皆さん、ウォーミングアップが終わりましたので本番行きますか!」

 

 その言葉に5人は反応、ギャーとか助けて〜など叫び声が飛び交う。


「な〜んだ皆さん元気じゃないですか〜

それではルビーくん例のものを」


「了解であります!(´ー`)┌」


 ルビーは五人に剣、槍、斧などの武器を渡す。


「フッフッフ、それでは皆さんにはデスゲームをしてもらいます。ルールは簡単、生き残ってくださいね」

 蒼字そうじの一言に絶叫、しかし身体は勝手に動く、剣が目の前を通り過ぎて冷や汗をかく。そんな事が何度も何度も何度も……起きているうちに五人の精神が朽ちていった。


「あ!皆さんチャンスタイムですよ〜。ミネルヴァ姫を襲った件について教えてくれた人は抜けられます。ちなみに早い者勝ちで〜す」

 死にかけていた五人の目に光が戻る。


「おれ、おれはい、い、い」

「助けてくれ、い、い」


 ん?五人共同時に口を開き自供しょうとしているのに誰もその後が続かない。これはまさか、


「なるほど、そう言うことね!はぁーやだやだ」

 蒼字そうじはイラつきなからもため息をして心を落ち着けてからペトロス大臣を見る。


「ペトロス大臣もそろそろ参加しますか」


「はぁぁぁあーふ、ふ、ふざけるでない。私を誰だと思っておるのだ!この国の大臣だぞ!こんなことをして死刑だ!死刑にしてくれるわ!」


「でも、ほら、ミネルヴァ姫を襲ったわけですし」


「襲っておらんわ!このバカどもが!こやつらも違うと言っておるではないか!」


「ん?言ってないですね〜でも次は言うかもしれませんよ」

 

 蒼字そうじは5人の周りをぐるりと周り、筆を一振り『解呪』する。


「皆さんもう一度聞きますね!悪い奴、ミネルヴァ姫を襲うように言ったのは誰ですか!」


 5人はムクッと立ち上がり指を指し、


「「「「「ペトロス大臣です!」」」」」


 声を揃えて言った。


「な、な、何故だ!呪いで喋れんはず!」

 ペトロスはたじろぎあっさり自供。


「呪いとか良くないと思いますよ!自分あんまり好きじゃないスわ〜自分の都合の悪いことを喋れないようにしてたんスね!」


 ギクッとした反応をするペトロス大臣、分かりやす過ぎる。後は何でこんな事をしたかを知る必要があるな!


「ペトロス大臣は何が目的ですか!」


「おい、偉そうに〜、私はこの国の大臣だぞ!お前とそいつ等がいくら言っても誰も信用せんわ」


「そんなことはありませんわ!」

「ミ゙、ミネルヴァ様?」

 キョトンとするペトロス


「その方々は知りませんが、蒼字そうじのことを信用しております」

「お姉様の言う通りですわ。それにわたくしペトロス大臣のことはあまり信用してませんし」

「あ!私もですわ。同じですわねぇ〜」

 

「……………えぇぇーーー!!そんな〜〜」

 二人の姫様に楽しそうに否定されペトロスは愕然とする。


「うぐぐぐ、しかし、それでは納得いきませんな!証拠もないのに感情だけでものを言わないで頂きたい」


「確かにそうてすね〜どうしましょうか」

 余っ程ペトロスがやったとは思うけど決定打がない。


「トントン」と肩を叩かれ、一枚の紙を渡される。


「ルビーこれって………おーー!」

 渡されたのは写真、襲われた時の証拠がしっかりと写っている。

 十数枚の写真は忍び込んだ瞬間、襲った瞬間、返り討ちにした瞬間と完璧だ!取り敢えず返り討ちにしてぶら下げてる写真は除いておこう。


「ルビー良くやった!しかしこれがあるならさっきまでのが、ただの茶番になるんだけど?」


「茶番をしている。私に踊らされている蒼字そうじが面白かったから良し(๑•̀ㅂ•́)و✧」


「良し!じゃねぇーよ!…………ま〜良いお手柄だ!改めてペトロス大臣、証拠もあった事ですし白状してもらいますよ」


 蒼字に続きアルヴィア姫も会話に入る。

「ペトロス大臣、あなたについては黒い噂を聞いておりました。すでにいくつかは裏が取れております。今回の件も含めて事情を聴かせて頂きます」


「うぬぬぬ!良いだろう!話をさせて貰う」

 ペトロス大臣は観念したのか、特に逆らう事もなく兵士に連れて行かれた。


「なんかあっさり引き下がるな〜………悪いけど風太見といてくれる」


「まったく犬使いが荒いが俺も気にはなる。やっておこう」

 ペトロスに風太を監視させておけば逃げられはしない。


…………▽


「それではここからはホワイトとして行動しますので、呪いの発生源を探す旅に出れるようになったら教えてください」


「分かりました。早急に国王に許可を頂きます!合わせてアルバート団長にも話を通しておきますので、それでは失礼致します!」

 アルヴィア姫はバタバタと慌ただしく部屋を出ていった。

 

 蒼字そうじもそれに続いて部屋を出ようとするとミネルヴァ姫に呼び止められる。


蒼字そうじ今日は本当にありがとう。外の世界を知らない私にはとても明るく華やかな世界に見えました。あなたには感謝しかありません」

 先程までと違いお淑やかな淑女としての振る舞いで王女が心のこもった感謝を述べる。


「私はあなたにこの恩をお返しすれば良いのか分かりません。蒼字そうじ、良ければあなたの願いを教えては頂けないでしょうか?」


「ミネルヴァ姫、それは呪いを解いてからにしましょうか、それまでに考えておきますので、それでは」

 蒼字そうじは自然体の笑顔をミネルヴァ姫に送り、すぐに出て行ってしまった。


 今日ミネルヴァは不思議なもの見ていた。私の周りには誰かを蹴落としてても上がろうと、そしてその為に誰にすり寄れば良いのかを考え行動していた者達ばかり、私はそれを心良くは思ってはいなかったが、それでも理解は出来た。

 だから彼の行動にまるでそれがなかった事に驚き困惑していた。

 私は思う。この世界には彼のような人間が必要なのだ。では私には何が出来るのかと。

 

「うふっ、これでは私も彼らと同じですわね!」

 ミネルヴァ姫は蒼字そうじにどうアプローチするかを考えていた。

 

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