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第105話 サリーさんと冒険者


「あら〜これも美味しい〜」

「お姉ちゃん、もう食べられませんわよね〜。美味しいですけど、我慢した方が……」

「大丈夫よ!アルビーまだまだ食べられちゃうわ!」

 

 蒼字そうじ達は商店街の出店を歩いていた。二人共物珍しそうに色々と見ている。特にミネルヴァ姫は味わった事のない庶民が合ったようでモグモグと食べ歩き、しかも以外にも大食い、どこに入るのかと聞きたくなるくらいだ。

 

「お嬢さん、これもオマケだ。食べてくれ」

「ま〜ありがとうございます。とっても美味しいですわ!」

「そうかそうか!おぅ、これも食べてくれ」

「オジサマ、ありがとう〜!」

「おうよ!でへへ」

 

 ………新手の食い逃げ?たかりか!さっきから男性亭主の店は100%オマケを貰っているぞ!二人共一般人の顔に変えてるのに抑えられない色気みたいな物があるのか?


 

「それにしても二人共楽しそうでなによりだ」

 二人の姿を見てほっこりしつつ蒼字そうじは城の方を見る。

「ルビーの方は大丈夫かね〜見た目はそっくりだったけど中身が伴うのか心配だ」

 ルビーには二人の身代わりをお願いしている。流石は神が造りしゴーレム、変身能力を有していた。ミネルヴァ姫に変身し更に分身してアルヴィア姫もこなしている。問題は喋るとポロが出る可能性が高いので、今日は体調不良と言ってベットで寝て貰っている。これなら1日くらいならなんとかなるはず………


蒼字そうじ凄く広いところに出ましたわ」

 ミネルヴァ姫達はちょっと考えごとをしている間に広場の方に出ていたようだ。俺もさっさといかないと、



「お〜い二人共勝手に行くなよ!危ないぞ〜」


「大丈夫ですわ、蒼字そうじ早く来て下さい!」

 ミネルヴァ姫は手を振りながらこちらを向いて歩く。


「ドン」………「あ!……ごめんなさい」

 前を見ておらず人にぶつかってしまった。


「あぁ?……いてぇーじゃねぇ〜か」

 ぶつかってしまった男はミネルヴァ姫を睨み、男の連れが騒ぎに気がつき、こっちにやって来た。


「何やってるんだよ!ナンパするなら言えよ」

「オホ!顔はまぁまぁだがスタイルは抜群だぜ!やるじゃないか!」


「おう!ネェちゃん俺達と遊ぼうぜ、楽しませてやるからさ」


 ミネルヴァ姫は呆然と男達を見て、

「私達と遊んで頂けるのですか?」


「そうそう、楽しいぜ!良い店がある。飲みに行こう」

「ま〜それは楽しそうですわ!でもお断りしますね」

「なに!?何でだよ!今行けそうな雰囲気だったろ」


「「そうだぜ行こうぜ!な〜、な〜、な〜」」

 男達はミネルヴァ姫を逃がさない為囲み始めると、


「待ちなさい!お姉ちゃんに変なことしないで!」

 アルヴィア姫が手で制しミネルヴァ姫を守る。


「何だよ!」男は睨みつける。

「おい、こっちも良い感じだぜ!姉妹か〜そそるぜ!」

 アルヴィア姫の顔がやや引きつる。


「な〜良いじゃないか、ちょっとご飯でも食べようって言ってるだけだしよ!」

 男達は引き下げるつもりはないようだ。


 仕方ない、騒がしたくはないけど処理するか。

 

 蒼字そうじは二人のもとに歩いていく。


「おい!お前達そのくらいにしておけ、金がたんまり入ったからといって調子乗ってるとしょっぴかれるぞ!」


 お!ガルムさんだ!サマリンから戻ったのか。


「えーガルムさん死線を超えた俺達にご褒美くらいあってもいいじゃないスか〜」


「ダメだ!迷惑かけんな!俺が後でキャンベルに叱られるんだよ!ネェちゃん達悪いな〜メイワク……」

 ガルムの動きが止まり、キリッとした面構えになる。


「お嬢さん達、もし良ければゴハンでも……」


「コントかお前はー」

「ゴン」っと鋭いツッコミがカルムの頭に炸裂。


「いってぇー杖で殴るなよ!俺の頭じゃなかったら割れてるぞ!」

「ガルムがアホなボケかますからでしょ〜!同じ事やってどーすんのよ!止めてるんでしょうが!」

「いや〜タイプでよ!ついついな!」

「何がついついよ!それでどんだけ迷惑かけてると思ってるのよ〜」

 セラさんがガミガミとガルムさん説教、そこにソーラさんが来て宥める。いつもの姿だね。


「あれ?蒼字そうじくん、久方ぶりだね!」

 セラさんが俺に気がつきガルムさんとソーラさんと挨拶をする。


「コノヤローさっさと帰りやがって、主役が帰ったら盛り上がらないだろが」

 ペシペシと肩を叩かれて痛いっス。

 

「どうせお酒飲んだら暴れるんだから一緒でしょ」


「ガッハハ、それはそうだが、それはどうでも良い!」


「それなら聞かないでください」


「あれはどういう事だー」

 ガルムが指を差す先にはミネルヴァ姫とアルヴィア姫が、先程と打って変わって紳士的な対応をする三人組の冒険者と話をしている。


「あれって?二人がどうかしましたか!」


蒼字そうじお前がそんな奴だとは思ってなかったぞ!女をはべらかすとわ!見損なった!」

 ガルムさんがおうおうと泣く振りまでして抗議する。


蒼字そうじくん気にしないでください。ただの嫉妬ですから」

 このパーティのストッパー役ソーラさんが、

 ガルムさんをしっかりと慰めてくれた。


「それでガルムさん達はここで何をしてるんですか?」


「それが突然商業ギルドのサリーさんから直接依頼がありまして広場の警護をしています。今日は特にイベントの予定はないはずなのですが、適当に十人くらいに声をかけていました」

 ソーラの説明からするとサリーさんは姫様達の警護を間接的に依頼してくれたみたい。これで安全度が増したな。ありがとうサリーさん。


「ん?待てよ!それならガルムさん達は仕事中じゃないですか、何飲もうとしてるんですか!」


「あ〜良いんだよ!特に制限はないから、とにかくしばらく変な奴がいないか広場を見廻りしてくれって頼まれただけだ」

 なんだ、ちゃんとした依頼じゃないのか。


「それでも、あのバァさんに借りがある奴は多い、俺も含めて依頼はしっかりとやるつもりだ!」

 ふ〜んガルムさんの感じだと警護はしっかりやってくれそうだ。


 ソーラさんは周りをキョロキョロと見廻している。

 何かあったのか!


「ソーラさんどうしたんですか!周りに変なことでも?」


「え〜少し、いえ大分でしょうか、いつもに比べて出店が多いのと、あちらとあちらでしょうか、有名な大道芸集団です!お祭りなら分かるのですが今日みたいな普通の日にここでやる事はないのですが、やはりここで何かあるのでしょうか?」

 ソーラさんが大分困惑している。それ程普通では状況なのか、サリーさんかなり動いてくれたみたいだ、それならしっかりと楽しまないとな!


 

「アルビー、ミネア遊びに行こう!」

 蒼字そうじは二人の手を取り広場の中に走っていった。

 

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