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第103話 二人の姫の珍道中


「キャーキャ〜あれはなんですの〜」

「おねえさまー落ち着いて下さい、あれは大道芸ですわ」

「大道芸?何であんな事をしてるのかしら」

「え………なんででしょうか?」



「はぁー疲れる〜まさかこんなことになるとは、自分から言ったから文句は言えんが」

 ミネルヴァ姫とアルヴィア姫は少し歩くたびにはしゃいでおられる。あまりにも騒がしいから目立って仕方がない。騒ぎにはなってないから良いけど。


 準備しておいて本当に良かった〜ヒヤヒヤするけど。


 蒼字そうじ達は今城下町におりて来ているのだが、それについては少し時を遡る。


………………▽


「城下町に行くのですか!」

 ミネルヴァ姫は驚いた後にウキウキとした顔に変わる。


「そうですね!お姉様の呪いが抑えられているのは分かったのです。明日にでも視察に参りましょう」


「本当ですか!アルヴィア」

 ミネルヴァ姫はアルヴィア姫を抱きしめ喜ぶなか蒼字そうじはせっかくなので堅苦しくなく楽しんで欲しいと思った。


「ミネルヴァ姫、せっかくなんでお忍びで行きませんか?」

 ミネルヴァ姫もアルヴィア姫もそれを聞き固まる。


「それは……無理ですわ。お姉様はあまり民衆に顔を出す機会はありませんでしたが、まったく認識がないと言うこのはありません。変装しても分かると思います」


「ま〜ま〜アルヴィア姫が言うことも分かりますけど、せっかくなんで楽しんで欲しんですよ。任してください。なんの考えもなく言っている訳ではないんで、ちょっと準備をしますので、明日の日の出頃に出れるように心の準備だけはお願いします。では!」

 蒼字そうじは部屋を足早に出て行った。



……………▽


 翌日、城門の傍にある倉庫に蒼字そうじ達は居た。


「なんてところに呼んでくれるんだよ!」

 一人の少女が腕を組み物凄く不機嫌な顔をしていた。


「いや〜悪いな〜ミンク、大丈夫だ。悪いことをするわけじゃない」


「当たり前だ!あんたには借りがあるから協力はするけど、兄ちゃんには迷惑はかけられねからな〜」


「あ〜心配するな!絶対大丈夫だからさ。昨日言った通りこの二人に変装を施してくれ」


「…………な〜あんたさ〜こんな美人を二人もどこで見つけて来たんだよ。見たことないぞこんな綺麗な人」

 ミンクは不審な目で蒼字そうじを見る。


「言いたい事は分かるが、あんまり詮索するな。面倒ごとは嫌いだろ?二人の鼻から上の変装だけで良い、あんまり目立たない顔で頼む」


「分かったよ……姉ちゃん達こっちに来てくれるか」

 ミンクは言われた通り変装を施してくれた。

 あとは事前にミンクに頼んでおいた庶民の服を着れば外に出てもお姫様とは誰も思わな〜い。


「え!?本当にアルヴィアなの」

「お姉様もぜんぜん分かりません。これならどこに行ってもバレないと思います。凄いです!」

 二人はお互いを見合って城下町に出ても問題ないと思ってくれたようだ。しかし、言うつもりはないが変装してもらって一つ欠点がある事に気がついた。二人共スタイルが良過ぎる。そこら辺の一般庶民にはいないレベルだ!お姫様とは分からないが目立つ可能性はあるな、気をつけよう。


………………▽

 

 そして今に至るのだが、二人共テンションが高い、特にミネルヴァ姫は人格が変わったんじゃないかと疑いたくなるレベルだ!


「お〜い二人共そろそろい来ませんか、お腹すきましたよ」


「ごめんなさい。蒼字そうじ様行きましょう」

 アルヴィア姫かミネルヴァ姫の手を引いてこちらにやって来る。


「アルビー、様付けは禁止、あと出来れば敬語じゃないほうがいいんだけど」

 

「あ!そうでしたわ。気をつけますわね」

 ん〜庶民ぽくはないけど気にしなければ問題はないか?


「………………」

 ミネルヴァ姫が俺の顔をじーっと見ている。

 なんか付いてるか?


「ミネア、なに!顔になんか付いてる?」

 俺は顔を触り確認しながら聞いてみる。

「いえ、なにもついておりませんわ。仮面の下にはそのようなお顔があったのですね!やっと見せて頂けましたのでしっかりと見ておきませんと」


「そんなに見ても面白くないですよ。なんか恥ずかしいじゃないですか〜」

「い〜え、とても良いお顔ですわ、カッコいいと思います」


「お姉様、そんなに顔を近づけては、はしたないですわ」

「あら!アルビー、様付けは禁止ですわよ!フフフッ」

「あ!そうでしたわ。え〜ミネアお姉ちゃん…………

キャーなんか恥ずかしい〜」

「アルビーカワイイ!!」

 ミネルヴァ姫がアルヴィア姫を抱きしめ、またしても騒いでいる。見ずに声だけ聞いているとどこかの女子高生がいるのかなと勘違いしそうだ。


「それにしてもこうして名を変え外に出ることが出来ると別人になったような気がしますわ!楽しくて仕方ありませんわ!蒼字そうじ本当にありがとう」

「お姉様……私もですわ。こんなに楽しいのは生まれて初めてですわ」

 今度は二人共しんみりとしてシクシクと泣き始める。気持ちは分からんでもない!だか!外に出てまだ五百メートル程、城下町の入口ですけど、このままだとこの二人今日だけで涙が枯れるんじゃないのか。


「ここが俺がよく通わせて貰ってる猫耳食堂、高級な食材は使われてないけど、下処理がしっかりされてるから味が纏まってて凄く美味しんだよ」


「まー凄い!人がたくさん居られますわ」

「本当ですわねおねえ…ちゃん」

 アルヴィア姫はまだ慣れない様でなんとかおねえちゃんになっている。ギリだ!


 俺達がテーブルにつくと、「トコトコトコ」と、

 可愛らしい足音をたてやって来る。


「おにいちゃん〜」

「おととー」シーちゃんが足にぶつかるように抱きついてきた。


「きょうはなにたべりゅ?」

「そうだな〜今日のオススメを三つお願いするよ」

「わかったなの〜」

 シーちゃんはパタパタ走って行った。


 少しするとシーちゃんが戻ってきて水をくれた。

「はいなの!おにいちゃん」

「ありがとうシーちゃん」

「はいなの!おねえちゃん」

「ありがとうございます」

 アルヴィア姫は丁寧に受け取る。

「はいなの!おねえちゃん………にゃ?」

 ミネルヴァ姫は何故かコップを取らない。

「キャー何なのですのこのカワイイ生き物は〜」

 両手で頬を顔を押さえ高揚させている。

「耳がピクピク動いてカワイイですわ〜」

「シーちゃんカワイイの?やったー」

「キャーカワイイーー」


「………アルビー、お姉さんってこんなキャラなんですか?」

「知りません!知らないお姉ちゃんがいっぱいです〜

私、幸せですわ〜」

 おい!こっちはお姉ちゃん見てうっとりしていやがる。アルヴィア姫、それで良いのか?


 料理が出されるとアルヴィア姫もミネルヴァ姫も美味しそうに食べている。高級料理ばかりを食べている二人からするとここでの料理は珍しい物ばかりだったようだお喋りをしながら楽しそうに食べている。


「そうだ、次の目的地は商店街に行こうと思うけど

良いかな」

「私達はどこでも良いですわ!何を見ても楽しくて

仕方ありません。蒼字そうじにお任せします」

「そっか!それなら良いや!じゃ〜チャチャッと

食べていきますか!」


「それはダメですわ!もう少し居ましょう」

「居たいのは分かるがミネア、そろそろ放してあげよか

シーちゃんも仕事中なんで」

 ミネルヴァ姫の腕の中でシーちゃんが撫で回されている。

シーちゃん自身が嫌がっていないのとシナさんの許可が

得られているので問題ないが、このままでは店から

出られそうにないので釘を刺しておく。


「あ〜ん愛おしいですわ〜シーちゃん」

 店を出るまでずっとこんな感じだったので、

シーちゃんは大変だっただろう。後でお礼を言っておこう。


 二人の珍道中は続く……


ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。

面白く書けるよう今後も頑張っていきたいと

思います。(*´ω`*)


「面白かったらブックマーク、下の評価★★★★★を


 付けて頂くと嬉しいです。


 よろしくお願いします!(◡ω◡)」

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