第101話 王族との会食
蒼字は風呂でスッキリ?した後、部屋に戻るとさくらさんが座っていた。何故に?
「どうも、勝手に部屋に入って申し訳ありません、外で待ってたらメイドさんに中で待つように言われたので」
さくらは椅子から立ち上がりペコリとお辞儀をした。
「あ、いえそれは構いませんよ。ただびっくりしただけですから、それで私に何か用でも?」
「はい、あの〜こないだは話がうやむやになってしまったので、修行の件についてお話しようかと」
「あ〜そうでしたね。修行は引き受けましたけど、何をやるかは考えていませんでした。丁度良い、さくらさんに話を聞いて修行の内容を考えましょうか」
蒼字は戦士ではない。その為戦闘に関して修行をつけることにどうしても引け目を感じてしまうが、その辺はジャンヌに任せれば良いと思ったので今はさほど問題ないと考えている。
「さくらさんはどうなりたいんですか?」
「どうなりたいですか?」
「そうです!自分が強くなるイメージみたいな物はありませんか?結構イメージって重要なんですよ。修行をするにもその辺が分かるとやることが見えてくるんですよ」
さくらは少しだけ考え、
「お母さんと一緒に強くなりたいです!」
「ほう、なるほど一花さんとですか。それなら一花さんにもお話を聞いたほうが良いですね」
「あ!それなら今から呼んできますね」
さくらが部屋を出ようとしたので俺は手で制した。
「いえ、その必要はないかと、居ますよね一花さん」
壁に耳を当てた体勢でヌーっと壁を通り抜けて一花さんが現れた。
「テヘェ!バレてた!」
「もう〜お母さん何やってるの!」
さくらは一花さんを叱っている!
前から思ってるけど、どっちが親なのやら。
「一花さんも話は聞いていましたよね。これからやって貰う修行はシンクロです!これがしっかりと出来れば動きが格段に速く出来なりますし、魔力が格段に上手く扱え念動力の威力も上がるでしょう」
「それでどうすれば良いの?」
「一花さん焦らないで説明しますから」
「そうですね〜なんて説明したら分かりやすいかな〜、さくらさんが一花さんに取り憑いて操れれば成功です」
「ホワイトさん、全然分かんないです?」
「うっ、説明が下手ですいません。具体的言うと
さくらさんと一花さん一定の距離を離れてから相手が見えないよう背中合わせの方向を向いてください。
今からさくらさんに指示を出します。それを声もジェスチャーもせず一花さんに実行させてください。あ!そうそうテレパシーもなしですから、それで伝えたら意味ないんで」
「それはどうやってやれば……」
さくらはどう考えても出来る気がせず困惑する。
「フッ、それも含めて修行ですよ!一花さんと話し合って考えて下さい。それではこの後私はやる事があるんで部屋で頑張ってください」
二人には申し訳ないが半分無理矢理帰って貰った。別に面倒臭かった訳では無い。これから大事な準備があったから仕方ない。上手くいくと良いけど。
その日、風太、ジャンヌ、ルビーに協力して貰い。なんとか上手く行きそうなところまでいった。あとはミネルヴァ姫に話をして合意が取れれば良いんだけど。
………………▽
次の日……食堂に案内され着くと、
「んっ!?」………これは面倒くさいことになった。
部屋に入るとアルヴィア姫、ミネルヴァ姫だけではなく王族が勢揃い、こんなの緊張して飯が喉を通らないぞ。
「お〜使徒殿か、待ちわびたぞ、座られよ!」
国王に促され席につく。
ん〜国王の印象は偉そう、偉いんだから当たり前かもしれないが、アルヴィア姫の印象からはだいふ違う。
「へ〜あんたが使徒様ね。可愛い子連れてるって聞いたけど紹介してくんない」
こいつが王子か、イケメンで体格も良い、そのうえお金持ちなんだからモテるだろうけど、聞いた通り軽薄で女好きな奴みたいだ。
「お兄様、今は食事中です。お控えください」
「はいはい分かったよ!アルヴィア」
王子はつまらなそうに食事を始める。
「ん!使徒殿、先の大戦では大義であった!話はアルヴィアから聞いておる、それで貴殿はこの国の矛になって頂けるのかな、それとも盾かね」
国王は鋭い目で睨むように俺の次の言葉を待つ。
国王は俺にここに居て欲しいみたいだか、もちろん答えは決まっている
「私は縛られるのは嫌いでして、お断り致します」
「おい、使徒さんよ!断るとか無いだろ。あれか交渉条件を高くする為の布石でも打ってるつもりならそんな煩わしい事なんかしなくて良いぜ!欲しい物を良いなよ!金か!やっぱ女か!」
王子〜想像通りのクズか?
この国の先行きが不安だぞ!
「は〜そんなの要りません。ま〜この国に何か危険がありましたらご協力しますので、ホーっておいて頂きたい」
国王の眉間にシワが寄り目つきが更に鋭くなった。
「そうか、貴殿はセレーナ殿の関係者つまり聖神教会の教えに習い行動しておられるのだな。まったく無欲ではつまらんと思うが仕方あるまい。今日のところは引き下がろう」
なんか勘違いをされたみたいだが、聖神教会は宗教である神様の為にとか世界の為にとか壮大な教えがあるんだろうか、それなら自己中心的な考えをしてそうなこいつらとは考えが違いすぎる。
その後は大した会話もなく。国王と王子は早々に出て行ってしまった。
説得が難しいと思ったか面倒だったのか、
意外と早々に諦めてくれて助かった。
「先程は申し訳ありません。ずいぶんと失礼なことを言ってしまって」
先程から一言も言わなかった王妃様が謝罪を述べる。
王妃様はアルヴィア姫とミネルヴァ姫の母君だけあってとても美人、ミネルヴァ姫を寄り落ち着かせた感じの見た目かな。
「気にしないでください。私は気にしておりませんので」
「そう言って頂けると助かるわ!使徒様に見放されたらこの国も終わってしまうもの、王とは傲慢であっても民の為に動かなければ国は滅びるもの、国王も王子もその辺が分かっていないのね」
はぁーとわざとらしくため息をつく王妃
「ならば何故止めないのですか?彼らの行動は今の事だけではないかと思うのですが?」
「まだ、その時では無いと考えているの、今後のこの国を築くのはアルヴィアとミネルヴァなのだから今は軋轢を生むわけにはいかないの、だから貴方には二人について欲しいと思うのだけど、どうかしら?」
「私はどちらにつくつもりもありません」
「あら?何故かしらアルヴィアから婚約の話を受けたと思うけど、それも受けないつもりかしら」
この人も結局俺を取り込みたいわけか、面倒な……
「お母様、その話はまた今度にしましょう。今はミネルヴァお姉様が最優先です」
「確かにそうね、ミネルヴァの呪いが解けるとは本当なのでしょうか使徒様」
「そうですね。大変難しいことではありますが、不可能とは思っておりません」
王妃は明確に表情を変え驚き、ミネルヴァを抱き締め喜んだ。その姿を見ていたアルヴィア姫は悲しそうな顔をしていたのを蒼字は見逃さなかった。
「その後、王妃の態度は柔らかくなり食事中の話が弾んでいたと感じた」
王妃が部屋を出るとアルヴィア姫とミネルヴァ姫がこちらにやって来て頭を下げる。
「先程は失礼をいたしました。父上達が……」
「あーーもう良い、謝らんで良いから、二人共席についてくれ!」
蒼字の言葉に呆気に取られつつも席につく。
「家族の争いとか私が聞いても仕方ないんで、ミネルヴァ姫の件についてお話をしましょう。もう食事して疲れるのはゴメンなんで!」
両手を上げて降参ポーズを取る姿を見て二人は笑って了承してくれた。




