第96話 城の探索、ルビーと呪い探し
「良く分かりませんね。何故私が貴方と勝負をしないと
いけないんですか?」
「強い奴がいれば戦いたくなるそれが戦士だ!」
これは面倒くさいやつだ。理由は特になくただ強い奴と
戦いたい。いわゆる戦闘狂、こう言う奴は欲望に忠実だから
説得してもあまり意味がないことが多い。仕方ない。
「良いですけど、この場でやりましょう、偶然ですが
人も居ないみたいですし、早いほうが良いでしょ」
「おーいいね〜あんた案外話が分かるじゃないか、
ごちゃごちゃと言って断られると思ってたが
楽しくなってきたぜ!」
「あー早く始めようか!」
俺は左腕は前に構え右腕を後ろに下げ軽くまたを開き
戦闘できる態勢を取る。
「ヨッシャー行くぜー」
両腕でトンファーを振り回し突進、蒼字は魔力を
闘気に変え腕に集中、トンファーを腕で止める。すかさず
リードは膝で蒼字のアゴを狙い蹴りを入れる。
蒼字はもう片方の手で止めながら肘鉄を
リードに当て吹き飛ばした。
「グッ……やるじゃないか、前と違ってずいぶんと
身体の動かし方をわかってるじゃないか!」
リードは攻撃を受けたにも関わらず嬉しそうだ。
俺としても少し嬉しく思っている自分がいる。
前はまだまだ戦い方を分かっていなかったがジャンヌとの
修行のお陰で経験値がだいぶ上がった。こいつとの戦いを
受けたのも実は前の自分と比べて成長したかったからに
違いない。
「シャアー!スピードを上げていくぜ『アクセル』」
リードは凄まじい速さに加速、トンファーによる
連続攻撃を仕掛る。
「お、速い速い!」
蒼字は難なくそれを捌いてみせた。
「俺の攻撃を受け切るとはやるじゃないか!」
「は、ほ、よっと!あんたの攻撃は早い上にフェイクまで
混ぜてくるからしんどいけど、修行の成果が出たみたいだ。
本当、目で見るだけじゃなくて感じるだな!」
蒼字はジャンヌの指導を思い出し、
言っていたことが正しかった事を痛感した。
気配を感じることで、相手の攻撃に違和感があれば
そこに何らかの変化が生じる。その気配を読み次の行動を
起こせば、一手二手と先に動くことが出来る。蒼字は
まだそれを知ったレベルだが達人ともなれば目を瞑った
状態で相手の先の動きを読み隙をつくことも出来る。
「そうか、この程度の攻撃じゃー効かね〜なら、
もっと速く、もっと強く」
『アクセル………テンペストブロー』
リードは更に速く闘気を上げ攻撃をする。
「いいぜ!受けて立つ『点撃 散らし墨』」
重い衝撃音が響く!お互い一歩も引かず、連撃が衝突
周辺には衝撃波によって地面がめくり上がり、壁には
穴が空いた。
「おもしれーおもしれーぜ!お前……だがここまでだ!」
「は?」突然リードは攻撃を止め、距離を取る。
「どういう事だ突然?」
「悪い……やり過ぎたわ。周りをよく見ろ」
リードに言われるがままに見ると酷い状態だ
そこら中がボロボロになっている。これはヤバイのでは……
「アルバート団長に見つかると面倒だから俺はここらで
トンズラするは〜それじゃな〜」
リードは凄まじい速さで消え去った。
「お〜い待てコラ〜」俺の声は虚しく響いた。
そして、この騒ぎを聞きつけ兵士達がやって来た。
「これは……どう言うことでしょうか?」
兵士の一言になんと答えたら良いか分からず
黙っていると、とにかく話が聞きたいと連れて行かれた。
俺は応接室に案内された。正直牢屋に入れられるのかと
ヒヤヒヤしていたが良かった。しばらくするとドアから
一人の男が入って来た。大柄の壮年の男、お偉いさん
なんだろう、その辺ではあまり見ない上等な服装で
一番気になるのが顔の傷、鼻筋に横一線に深い傷があり
物凄い威厳が出ている。
「お持たせした。貴方とは話がしたいと思っていた」
「あ、どうも、それよりすいませんあんなに壊しちゃって」
俺は頭を下げる。
「先程の件は気にしなくて良い。どうせリードが
勝負を仕掛けたんだろうからな、むしろ迷惑をかけた」
男はまったく気にせず話を続ける。
「まずは自己紹介させてくれ、私はアルバート、
王国軍の団長をやらせてもらっている」
この人がこの国のトップか、通りで貫禄があるわけだ。
見ているだけで圧迫感があるし、何よりまったく隙がない。
相当な実力者と言える。
「どうも、私はホワイトです。それで私に話とは?」
「うむ、アルヴィア姫から聞いているミネルヴァ姫を
助けてくれるそうだな。あれをなんとかしてくれるのか?」
「アルバートさんも分かるんですか?」
ある程度素養がないと分からないはずだけど……
「あ〜分かるよ!見えはしないがね、気配みたいなものさ
圧倒的な重い空気を感じる。ミネルヴァ姫には悪いが
いつも近づきたくないと思って関わらない様にしてしまう。
あれをなんとしてくれると嬉しいが、本当に対処は
可能なのか?過去には、聖女様、大司教様が来られたが
結界の維持が限界で呪いを解く事には叶わなかった」
「それは、そうでしょうね。あれは人が対処出来るもの
じゃない。神とかの力を借りないと」
「成る程、使徒様なら神の力を借り対処が可能だと!」
アルバートに言われて気がついだが、俺は今使徒様
だった、それなら神の力を行使出来ると思われても
おかしくない。実際は違うから別の方法を考えないと
いけないけど。
「そうですね……神の力を借りるのは簡単ではありませんので
安易には出来るとは言えませんが、まずは色々と調査を
したいです。アルヴィア姫から聞いていると思いますけど
城内を調べさせて貰います」
「あ〜それは構わない!事前に通達はしてある。だか
安易に入って貰うと困る場所もあるから誰か案内役を
付けよう」
………………▽
「ご案内させて頂きますレミです。宜しくお願いします」
深々と頭を下げるレミさんを前に複雑な気分
あちらは分かっていないが、以前戦闘をした相手
なんか申し訳ない。それとここには俺とルビーしかいない。
風太とジャンヌは幽体化して城の外を見てもらって
俺達は城の中を見ることにした。
「宜しくお願いしますレミさん」
「あの〜使徒様の案内役をさせて頂き恐縮です」
レミさんは少し緊張しているようで、俺としても
どう対処していいか分からずほっとく事にした。
「まずはどちらに行きましょうか」
「そうですね〜どうしましょうか」
テキトウに歩いても良いけど、せっかくだし、
ルビーに聞いてみるか。
「ルビーなんか気になるところあるか?」
「気になるところですか?あります」
「あります」
「よし、まずはそこに行くか!」
…………▽
ここは城の食堂
「ん〜美味いな!」
「さすがです。この様な味付けがあるのですね
参考になります」
城の食堂に来たので、食事を頂いているのだか
やはり町の食堂とはレベルが違う。それにしても
ここに一体何があるのか、まさか!?ここに呪具など
呪いを構築する道具が隠されているのか?
「ルビーそれでここに何があるんだ!」
「ん?……美味しいごはん」
「ん?……確かに美味しいご飯だけど、それがどうした?」
「一度城の食事のレベルを知りたいと思った。だから
ここにした」
「……………?」ん、何でこうなった!俺達はご飯を食べに
来たのか、違うだろ!……そうか!俺がルビーに気になる
ところって言ったからルビーはここにしたのか!
ちなみに来たので一応厨房も含めて見たが怪しいところは
特になかった。
「ルビー良いか!俺達は呪いを探しに来たんだ、分かるな
怪しいところがないかと探してくれ」
「分かった!」
ルビーから魔力が放たれた。よし!これは期待できるぞ!
………………▽
ここは資料室
「ふざけるんじゃね〜よ!あのクソ上司無理難題ばっか
言いやがって、この程度も出来ないのですか!
仕事が遅いですね〜給料泥棒だと〜それはテメェーだボケー
さっさと死ね〜天誅天誅ギョェー」
部屋の奥では魔法陣にロウソクが立てられ現在進行系で
呪いをかけている男がいる。
「呪い発見です!(´ー`)┌」
「確かに呪いだな!色々と溜まってそうだ!」
こちらの世界の社会もブラック企業があるようだ
だいぶ荒れておられる。しかしこれは関係ない、
この人はド素人だから呪いは上手くいってなさそうなので、
取り敢えず縛って転がしておいた。
「ルビー良いか!家で説明しただろう!
今のはどうでも良い、ミネルヴァ姫にかかっている
ソフィの呪いに関わる物を探してくれ!」
「は〜それならそうと言えば良いのに〜 ┐(´ー`)┌」
「何で俺が悪いみたいに言われるんだよ!
次は頼むぞ次はな!」
「ちょっと待って貰っても良いですか?」
レミは軽く手を上げ俺達に声をかける。
「何ですか?」と返答しながらレミさんの横にいる人を
見て固める。
「ミネルヴァ姫様が来られました」
へ〜あちらさんから来られたか、気合入れないとな!




