第95話 除霊と浄霊の違い
「それでは王都に戻ったら出来るだけ早く
お伺いしますので事前に展開しておいて下さい」
「分かりました。お待ちしております。……絶対来て下さい」
アルヴィア姫は強く念押しをする。
「わかってますよ!待ってて下さい。色々と考えて準備して
いきますから」
俺は足早に部屋を出ていった。
宿に戻り、俺は風太とジャンヌに相談をした。
「どうしてそのような事になるのでしょうか?
ソフィはアーサーが好きだったのですから、アーサーが
嫌がることをしてなんの得があるのですか?」
キリッとした顔で真面目に考えての発言で
あろうジャンヌ、どうやらソフィの行動がまったく
理解できないようだ。
「ジャンヌにはわからんか好きな人が
どこぞの女に取られ、胸が締めつけられる
ような悲しい想いが」
風太が二足歩行で胸をギュッと抱きしめて表現を
している。
「ん〜〜分かりません!私は男の人を好きになった事が
ありませんから、そんなに辛いのですか?」
分からない!そんな顔が強く出ている。ジャンヌは
日頃はキリッとした顔をしているがギャップがあるから
見ていると面白い。
「そうだな〜きっと凄く辛いと思うよ。俺も色々な心霊
案件に関わってきたけど、どの人達も悪い事をして
いることは分かっているだ、けどさ、我慢出来ない
耐えられないだってさ、だから人を恨む想いの強さが
強ければ強い程、狂ってしまうんだ」
「そうなんですか………?」
ジャンヌはまだ良くわかっていない。
「でもジャンヌだって聖女だった時、幽霊を対処を
した事は多くあるだろ!話を聞かなかったのか?」
「聞かなかったわけではなかったのですが、
話が通じないので切りました」
「え!」俺はビクッと反応する。
「つまりあれだなジャンヌは主に除霊をやってたわけね
そうなると深くは話はしてないか」
もしかしたらこちらの世界は浄霊をあまりしないのか?
除霊は霊を強制的に排除する事、またはただ単に追い払うだけであるのに対して、浄霊は、霊と対話のようなことをして、納得または説得させて、成仏させることである。
はっきり言って除霊の方が時間がかからず良いように
思えるが、力技だけに出来る人は限られ、幽霊は無理やり
あの世行きもしかは消滅、輪廻から外れてしまう。
あまりにも可愛そうではないかと思うと出来ないと
思うことが過去に何度があった。浄霊はその逆、
幽霊を説得させるのだ、当たり前だかめちゃくちゃ難しい、
恨むつらみの塊と化した幽霊を相手にするわけだから
そもそも耳を傾けないやつも多くいる。その代わり
上手くいけば幽霊も清々しくあの世に行けるから俺的には
そうしておげたいといつも思っている。
「それで結局どうするんだ!蒼字が浄霊を
出来るだけしたいのは分かるが、話を聞く限りでは
まず無理だと思うぞ」
「風太が言う事が分かるんだけどさ〜相当強い力を持って
いるのは間違いないだから除霊も難しいだろ、だからまずは
調査だな二人には協力してもらうから宜しくな!」
「面倒だが分かった!」
「ご主人様、何なりとご命令を!」
………………▽
そして、王都ラダマンテュスに帰還した。
俺は調査の為、護符や霊石などの準備を行い、
調査の段取り整えた。
「それじゃ〜良いか、今回は城の中と言うかなり
特殊な場所での調査を行うから粗相がないように
気をつけるんだぞ」
俺は使徒様(白ずくめの格好)でジャンヌと風太
そして…………ルビーを連れてやって来た。
何故ルビーを連れてきたかと言うと、ルビーには
高い探知能力があるらしい、今回のような調査には
役に立つと思って連れて来た。
「んーーなかなか立派なお城です!見に来たかいが
ありました」
ルビーは表情は真顔だが少し声に高揚感がある。
城を見て感動しているようだ。
「確かに立派な城だよな!こんなの元の世界には
絶対にないくらいデカくて綺麗だ、しかし今日は
観光で来たんじゃないから頼むぞルビー、
遊びじゃないんだからな」
「は〜蒼字は仕事人間ですか?つまらない
男ですね。テュケ様なんて仕事をしている方が珍しいのに」
「女神は仕事をしないのか?やっぱりあれか、
世界の支配者は働く必要がなくって遊んでいれば良い、
つまり自由なのか?」
「ん?言え違いますよ!テュケ様が遊びたいから
仕事がしたくないからしてないだけです。他の女神は
仕事してますから」
「やっぱ、駄女神なのか」
「はい、駄女神ですよ」
「………前も思ったんだが、お前にとっては主人だろ
駄女神って言って怒んないのか?」
「駄女神なんで仕方ないでしょ、私も日頃から
言ってますから」
「あ……そう」
軽い雑談をしながら場内を歩いていると、
声をかけられた。
「おい、そこのお前ちょっと待て!」
まさか、こんなところでまた会うとは、
いや、ここに俺が居るのがおかしいのか、
目の前には、以前城に侵入した際にしつこく追って来た
長髪の男が居た。
「何でしょうか?」
「あんたが使徒様なんだろ、会えて光栄だぜ。
城内にはあんたに失礼がないように対応しろって
言われているが、どうしてもあんたに言いたいことが
あってな!」
「は〜何でしょうか?」
「俺はリード、あんたと勝負がしたい!」
面倒な奴に絡まれた。




