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第94話 ミネルヴァ姫の呪い


「アルヴィア姫、さっき気になる事を言いましたね。

お姉さんは呪いを受けているんですか?」

 さっきの話を聞いて思い出した。城の中に身の毛もよだつ

恐ろしい人が居た。彼女は美しく清楚な印象と裏腹に

背中に地獄を背負っていた。あそこまで酷いのは過去を

思い返しても覚えがない。


「ん!それは言って良い事では………国家機密に

なりますので、簡単には話すことが出来ず申し訳

ありません」

 

 蒼字そうじとしては当然な回答と気にしてはいない。

あれだけの業を背負うような事が簡単に話して

いい内容な訳が無い!


 しかし、キャリーちゃんの一言で話は一転する。


蒼字そうじは確かに霊媒師みたいな仕事してたって

言ってなかったっけ、呪いとかも案外簡単に

解けるんじゃないの?」


 その一言を聞いたアルヴィア姫はギョッとした顔になり、

「それは本当ですか!勇者である蒼字そうじ様であれば

もしかしてミネルヴァお姉様の呪いを解くことが

出来るのでしょうか!」

 期待いっぱいの顔でグイグイと接近、さっきまでの

暗い顔が無くなったのは良いけど今度は俺がドキドキ

するだろうが、美人さんがそんなに男の人に顔を近づける

んじゃありません!


「アルヴィア姫まずは落ち着こうか、メッチャ

近いから……」

 アルヴィア姫は自分の行動に気がつき顔を赤くして

少し後ろに下がった。


「アルヴィア姫がお姉さんを助けたいのはよ〜く分かった

けど、あれはなかなかタフな仕事になるから、なんとも

言えないな〜」


「その〜つまり呪いを解く事が出来ない訳ではないの

ですか?」


「ま〜やってみないと分からない。こっちの

世界に来てだいぶ霊力が上がったから正直

なんとかなる。そんな気もするんですよね!」

 俺の霊力は魔力と基本的に同じなので、異世界に来る前の数百倍に上がっている。初めてミネルヴァ姫

を見た時はどうにもならないと思ったけど、

今冷静になって考えると案外なんとかなり

そうな気もしていた。

 

「それでは是非ともお願いしたいのです!

宜しいですか」

 アルヴィア姫は王女なのにひれ伏す勢いで

俺に頼んで来る。立場を考えて欲しい。

大変な事をしている気分になる。


「それは構わないですけど、もう少し説明が

欲しいです。ミネルヴァ姫にはどんな呪いを

受けてどんな影響があるのか?他にも知ってる

ことがあれば出来るだけ細かく」

 呪いつまり呪詛を解くのは簡単ではない。

呪いに対して十倍から数十倍の力の差があれば

力尽くで解くことも出来るが基本的には

絡まった糸を解くように一つ一つ解決する事で

呪いを解く事が出来るパターンが多い。


「少し話が長くなりますが聞いてください!

ミネルヴァお姉様にかけられた呪いは過去の

出来事が原因です。

エーリュシオン共和国の建国以前になります。

 当時も魔王軍との戦いもありましたが各国の

覇権争いによる戦争が多くありました。

そこでは多くの人々が無念の死を遂げていました。

そしてその戦争に終止符を打ったのが我が先祖に

あたるアーサー王です。

 アーサー王はその後人々を集め国を作りました。

その際に特に尽力された方の中に一人の女性が

いました。名前はソフィー、彼女はシスターで

ありながら魔術師でもありました。初めのうちは

平和の為に素晴らしい国造りを手伝いたいと

言う純粋な思いで働いていたと思います。

しかし、後に悲劇が起こるのです。彼女はアーサー王

に惚れてしまったのです。今まで異性にまったく

興味がなかった事もあり、自分の思いに翻弄され

つつも何としてもアーサー王を振り向かせたい。

ソフィは様々な行動を起こしました。それでも

アーサー王は一切彼女の好意に応えてはくれは

しませんでした。仕方ないことです。

アーサー王は共に戦ったパーティーメンバーの

魔法使いネヴィアと恋仲だったのです。それを

知った彼女は荒れました。

強い喪失感を負った事で彼女は暴走しネヴィア

殺そうとしました。しかしそれを阻んだのが

アーサー王です。ソフィは絶望し自ら命を

絶ちました。その後何事もないように時が流れ、

エーリュシオン共和国が建国、アーサー王が誕生、

ネヴィアと結婚をして幸せな時代が訪れました。

しかし、呪いは徐々にネヴィア王妃を

蝕んでいたのです。アーサー王の死後ある出来事が

起こったのです。国民が魔物化する事件、 

原因を追求する為、様々な手を尽くしましたが

原因は分からず魔物化は徐々に広まっていきました。

ネヴィア女王は聖神教会の大司教を呼びその原因を

探らせ呪いが原因だと突き止める事が出来ました。


その内容は驚くべきものでした。

 

『ネヴィアに関わる者の破滅』それが呪いの目的

 それを願ったのはソフィ、彼女はネヴィアを

呪った。呪いは彼女が生前作った術で自害する

事で発動する。本来はネヴィアを苦しめ

殺す呪いだったのだが、術の構成が良くなかった。

ソフィのドス黒い想いを吸収して発揮する力

だったのだが、想定外の事が起きた。様々な戦争で

亡くなった亡霊達の想いまで吸収し始め力を

増大させてしまったのだ。

 ネヴィアの体には知らぬ間に呪印が刻まれており

それを起点にネヴィアに関わる力の弱い者から

魔物化させいた。対策を打つ為、幾人の聖神教会の

信者と当時の聖女様の力によりその呪いを封印する

ことが出来ました。しかし、それでも完全では

無かったのです。封印の効果は城の中でしか

維持が出来ず。ネヴィア女王は

生涯城から一切出ることは出来ませんでした。

 ネヴィア女王の死後、呪いが無くなり誰も

安堵した。しかし呪いが消えたのはネヴィアの

死後10年目の事です。再び魔物化が発生、

そしてその呪いつまり呪印は子や孫と子孫の

誰かに必ず移ることが時を重ね分かったの

です。そしてそれがミネルヴァお姉様

にかかっているのです」


 蒼字そうじは腕を組み考える。

 

 なるほどなるほど、こりゃーやべーな!呪いが複雑に

絡み合い憎悪を強めてる可能性が高い、通りで背後に

蠢く死霊があんなにいる訳だ!……あれを相手にする。

考えただけで心の底から震えが来る。


「アルヴィア姫、どうにか出来るかは分からないが、

助けたいとは思うから取り敢えず行くよ」


「本当ですか!!是非ともお願いします」

 アルヴィア姫は俺の手を両手で握り締めて涙を流し喜ぶ。


 そんな姿を見て、ひょんな事から話が変わって、

大変な目にあいそうだなと強く思った。






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