第1話 書道とはどこへ行っても書き続けるもの、異世界に行っても………
俺の名前は真田蒼字高校2年生の17歳
書道をこよなく愛すごく一般的な高校生だ!
え!?書道が大好きな高校生が居るわけないって
そんなことはない世の中捜せばすこ~しは
居るだろう。え!?書道をバカにしているって
そんなことはない。なんせ今俺は授業の合間の
休み時間に筆、硯、紙、文鎮………準備OK
書道をしているのだから、きっと周りからは
不振な目で見られているに違いない。
もしも俺が逆の立場だったらどうしただろう
恐らく字上手いんだね真田君とか言われて
やんわりからかっていたに違いない。
しか~し言っておこう!俺は書道が好きだから
こんなことをしている訳ではない。もちろん嫌い
な訳でもないのだが、俺だって高校生、友達と
ワイワイ騒いだり、彼女とか作って青春を
謳歌したい。だかそれを許してはくれない。
ま~正確にはじいちゃんが許してくれない。
それに書道と言っても書いているのは護符だしね!
我が家の家系は代々ある神様を祀る役目を担い
それと同時にこの街を守護する役目も担っている
らしい。少々大袈裟な気もするが…………
特に霊や妖怪などの分野に精通しみんなが知って
そうな所で言うと有名な安倍晴明のような
陰陽師をイメージして欲しい。
その為
俺は修行と託つけてじいちゃんの仕事の手伝いで
休み中にせかせかと護符を書いている。
俺ってえらーい!………あと200枚頑張るぞ!
「今日も護符か書いてるの?蒼字くん
すごいと思うけどたまには、クラスのみんなと
喋ったら………私でも良いよ………」
今、声をかけてくれたのは東雲さくら
中学からの友人
さくらは昔は活発な性格でやや男勝りな部分が
あったが、高校生になってからは女性らしさが増え
少し落ち着いた。陸上部のエースで身体が
引き締まっているにも関わらず出るところは
出ておりスタイルが良い少しつり目の美人
俺としては特にポニーテールが好ましい。
「ほら頑張れ!さくらから話しかけてるのよ!
チャンスよ!チャンス!男ならビシッと行きなさい
よ!ビシッと!」
今、俺に机の上に正座して話しかけてくる女性、
この非常識な行動をしているにも関わらず誰も騒がない。
何故かって?それはね『幽霊』だから
見えなければ騒ぐはずもない。俺には見えるけど!
この幽霊の名は東雲一花、さくらの守護霊で
お母さんである。ただ見た目が母親と言うには
若すぎる。姉妹と言っても疑わないレベルだろう
生前若くして亡くなったのかも知れない。
一花さんとは過去に霊や妖怪に絡む
事件解決に協力して貰い何故か相棒みたいな
立ち位置になっている。それとここ最近さくらの
ことをぐいぐいと推してくる。
あんたの娘さん学校で一二を争う美人やで~
無茶言うな!
「もしかしてお母さんなにか言ってるの?」
俺が違う方向見なが苦笑いしていたから
さくらに気付かれた。
「うん、ま~さくらの言うこと聞けだってさ!」
「そうだよ!お母さんの言う通り、少しくらい
休んでも神様も許してくれるよ!」
さくらの笑顔がまぶしーい
「さくら、大事なところごめんちょっと来てくれる?」
「え!陽菜乃ど、どうしたの?」
「至急の用事なの湊斗の説得するの手伝って」
陽菜乃に引っ張られるようにさくらは
連れていかれた。相変わらず陽菜乃の行動力には
驚かされる。
雛菊陽菜乃
メガネをかけたおさげの髪型した
一見おとなしそうな感じだか、実のところ
クラスの中でも1、2を争う。騒がしい女子
特にホラー関係の話が好きで良く喋っており
その関係で俺は色々と巻き込まれて大変な目に
あっている。あと特にさくらと仲が良いようだ。
「それじゃ~続きを書きますか!」
気を取り直して護符を書くことに
「え!?まだ書く気でいたの?止めた方が良いよ。
遊んだ方が良いって今からでもさくらを
追いかけたら」
「なんで守護霊の一花さんが居るんですか?
さっさと追いかけて守らんか~い」
「大丈夫よ!学校の中だし
仕方ないお姉さんが話し相手になってあげよう」
それから話し出したらかっ●えび●せんの
如く止まらないマシンガントークを受け、
残業時間が発生しました。
「うわー結局こんな時間になっちったか!」
今の時刻は18時45分、ぜんぜん定時に帰れ
なかった。一花さんは話し出したら
止まらないからな~ 楽しかったけど授業中に
机の上に座って足をぶらぶらさせるのはやめて欲しい。
そもそも前が見えん!
なんとか予定の枚数をこなすことが出来たので
身支度をしてカバンを持ったところで違和感を
感じた。何故か空気がピリピリしている。
こう言う時は何らかの力が働いている証拠
今までここまでの気配を感じたことはなかった。
ふとその時今日の朝の出来事を思い出す。
朝は家族みんなでご飯を食べるのだがいつもに比べて
誰も喋らずモクモクと食べ、学校に行く時は何故か
玄関に家族総出で見送られた。いつもならあり得ない
光景、さらに付け加えるならばあちゃんが泣いてた。
ばあちゃんは占い師で俺も知ってるけど良く当たる。
「俺……死ぬのかな………」
そんな訳ないか、もし知ってたなら止めるだろう。
取り敢えず軽くぐるーっと校内でも見て帰るか!
俺は学校の玄関に向かい靴を履き外に出ると
なーんてことでしょう。そこは薄暗くてジメジメした空間
横を見るとあ〜ら不思議、鉄の棒がいっぱい格子状に
なってる。これはいわゆる
『『『牢屋の中やないかーい!!』』』