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異変

第三部になります

                                 異変

「入ってください」そう言われて俺は少女に連れてこられた街はずれの家にお邪魔した。少女の家はレンガでできていて広い畑があった。俺が家に入ると少女はなんともなしに「ここはもともと私のおばあちゃんが暮らしていた家で、おばあちゃんから私がもらったんです。」と言った。俺が「でも、あの広さの畑を一人でするのは大変じゃないか?」と聞くと「大変ですけど私、外で体を動かしたり植物を見たりするのが好きなので楽しいです。」と話した。少女が俺に用意したのはシチューとライ麦のパンだった。少女がシチューを入れた容器を手で触れると少女の前進が淡い光で包まれた。魔法が発動したのだ。中のシチューから湯気が立ち上る。「すごいな。君、魔法がつかえるのか。」と俺は言った。少女は何故か少し恥ずかしそうに俯いて「はい、ほんの少しですけど。」と言って少女は温まったシチューを既に座っていた俺の前に置いて俺と反対に座った。「少しでもうらやましいさ。なんせ俺は魔力量がゼロだからな。そのせいで・・」と俺は落ちた試験のことを思い出していた。「えっと、その。魔力量がゼロなんてあり得るんでか?」と少女は俺に聞く。俺は「ああ、魔法結晶で量ったものだから間違いないはずだ。」と答えた。少女は少し動揺しているようだった。それもそうだ。毎年何万人とみている試験官でさえこんなことは初めてだと笑っていたのだから。俺は試験管の哄笑する顔を思い出しかけて「この話はやめにしよう。」と言って話を打ち切った。俺がシチューを食べ始めると少女は「その。おいしいですか?」と自信なさげに聞く。温められたシチューは朝からろくに食べていない俺には絶品に思えた。勿論、普通に味もおいしかったのでそう答えた。少女は「よかった。」とほほ笑んだ。「そういえば自己紹介がまだでしたね。」と少女は黙々とシチューを食べている俺に言った。そう言えば俺はこの少女の名前も知らなかったのだった。「私はロマーニャ・シャルロットって言います。」と少女は自己紹介をした。俺も名乗っておくべきだろう。俺は口の中のシチューを飲み込んで自己紹介した。

「俺はトライフォン・アクリシオ。アクリシオって呼んでくれ。」

目の前の少女シャルロットは一度俺の名前を試すように口にして

「あの。アストラムさんは何をしにこの町に来たのですか。」

と言った。俺がこの町に来た理由を口にしようとしたとき遠くで鳴いている犬の声が聞こえてきた。耳を澄ますと彼方から人々の喧騒も聞こえてきた。外で何が起きたのか気になった俺はシャルロットに

「すまないが、少し外の様子を見てこようと思う。」

と言って椅子から立ち上がって壁に立てかけてあった剣を手に持った。

「私もついていきます。」

とシャルロットが言う。俺はなんだか嫌な予感がしたので

「君はここでまっていてくれ。」

と言って俺は一人で外に出た。外は暗闇に包まれていが遠くには揺れる松明の光が見えた。松明の光は微かに動いている。人が手に持って走っているようだ。相変わらず犬の鳴き声は辞むことなく聞こえてくる。俺は松明の光を目指して野道を駆けた。

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