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くすのき君は妖怪が見えるけどそれはともかく趣味の人である。  作者: くずもち
第二章

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気がつけば集まる河童

 さて河童達は祭り好きである。


 お試しボディを試すことを了承した三瓶君は、村長にその旨をいったん伝えに行った。


 そしたら大量の河童を引き連れて帰って来た。


「……すごい数いるんだけど?」


「……こんなつもりではなかったんですよ?」


 神木さんが引くレベルで、河童がいる状況と言うのは新しいと言えば新しい。


 意味が分からないと思うが、我が家の庭が河童だらけだった。


「いやぁ。すみませんね楠殿。突然押しかけてしまって」


 そして今回の依頼主。村長の太郎河童が頭を下げて来たが、僕は迂闊に許可を取りに行けばこうなる事を予想すべきだったのかもしれない。


「ずいぶん盛り上がってますね。お試しなんですから、こんなところでお披露目しちゃっていいんですか?」


 ただそこのところ大丈夫かと聞いてみると、太郎河童はもちろん大丈夫だと太鼓判を押してきた。


「当然です。相撲の機会なんて何度あってもいい! 相撲をやるのを見逃せる河童は河童ではない!」


「そ、そうですか?」


 お試しだろうが、本番だろうがそこに相撲があるのなら全力で楽しんでいくスタイルは嫌いじゃない。


 そして河童達が楽しそうだと、今度はそういう騒ぎが大好きなハニワ達まで動き出した。


 踊るハニワは庭の広いところに集まるとモリモリ土が盛り上がってきて、いつの間にか立派な土俵が出来上がっていた。


「あーいけません……そういうことしちゃうよね。出来れば庭に作るのはやめて欲しいんだけど」


 だがやめようよなんて言える空気は、狂喜乱舞して喜ぶ河童達の歓声に完全にかき消されてしまった。


 ポンと僕の肩を叩く神木さんの表情はどこか優しげだった。


「……ま、まぁいいんじゃない? あんなに喜んでるし」


「庭に土俵……いる?」


「……今後一年商品のキュウリ貰うんでしょ?  定期的に会うなら……悪くない……かも?」


 それはまぁ確かに? だけど、目を合わせて言って見なさい神木君。


 だがしかし僕は、あえて庭に土俵を受け入れた。彼らとの更なるつながりはそれだけの価値がある。


 今後彼らとの取引が増えると言うのなら、土俵があった方が受けは良さそうではあった。


「河童印のキュウリは最上級の一品だって話だもんなぁ。世に流通すればキュウリの概念が書き換わるほどだとか……」


「……そんなに?」


 ね? 興味湧くでしょう?


 普通の野菜はくれても、こいつは中々世に出さないとっておきらしいのですよ。


「まぁ出来てしまったものはしょうがない……そんなに見たいなら僕の方もしっかりお披露目しようじゃないか! 三瓶君! 行くぞ!」


「かぱー……」


 この三瓶君人語は分かっていそうなんだけど、何考えてるかわかんないな……。


 彼の要望を正確に読み取るのは難しいが期待に応えることは出来るはず。


 今回の作品なら三瓶君のスペックを限界以上に引き出せるに違いなかった。


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