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くすのき君は妖怪が見えるけどそれはともかく趣味の人である。  作者: くずもち
第二章

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彼の言うことなら間違いない

「まぁ面白そうな試みであることは間違いない! では試してやろう!」


「うむ! さぁ宴を始めるぞ!」


「は、はい! ありがとうございます!」


 気を取り直したお二方は、調子を取り戻して酒宴を再開した。


 僕はすかさず返事をして、彼らの気が変わらないうちに動き出す。


「よし! じゃあ! 神木さんも手伝って! 料理をガンガン出していくから!」


「ええ! う、うん! わかった!」


「それじゃあ給仕の服も用意したから着替えて来てね?」


 ここからは有益な情報を何としても引き出すべく、神木さんにも協力してもらうとしよう。


 ただ、彼女に渡した給仕衣装については前もって説明し忘れていた。


「ん? それは初耳。……何それコスプレ?」


「いや……結構本格的な料理作ったから、雰囲気出した方が喜ぶかなって」


 料理は味がもちろん大事だが、見た目や雰囲気も同じくらい大事だと思う派である。


 そこさえ成功すれば、お客は楽しい時間を過ごすことができるだろう。


 神木さんはなるほどと頷き尋ねた。


「それで、今日の料理は一体何を作ったの?」


「満漢全席」


「衣装はチャイナドレスかな!?」


「向こうではチーパオというらしいよ。知り合いの中華屋さんに行って指南してもらったから間違いない……はずだとも……! 本場の逸品……らしい」


「えぇ?」


 中国からやって来た孫さんは、中華料理のプロフェッショナルだ。


 短期間ながら僕は炎を支配した気分である。衣装についても彼の助言ならば間違いあるまい。


 いや、うん。たぶん……おそらくね。


 鍋振りの余韻に浸っている僕に神木さんはあきれ顔だった。


「……楠君って。基本は凝り性なんだね」


「え? まぁ、それなりに? じゃなきゃ模型を趣味になんてしないよ」


 それに今回はガチなので。


 この日のために用意した三口ガスコンロが火を噴く。


 練習した技をいかんなく発揮して、いざ勝負の時だ。


 僕はバキバキと手の関節を慣らして、体をほぐすとさっそく料理を始めた。

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