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「もう秋はそこにいた」
夏の余韻が醒めきらぬ間に
もう秋はそこにいた
具体的には最寄駅から徒歩10分の閑静な住宅街にいた
前までそこには夏が占めていたというのに
いつの間にか代替わりが行われていたようだ
小さいけれど存在感のある秋がそこにいたのなら
既に"始まって"いることとなる
やがて秋は大きくなるだろう
木々は葉を散らし、虫たちは陰に潜み
あたりには冷気が滲みだすだろう
Tシャツ一丁では寒いと感じ始めたら
秋はそこからより大きくなったと言える
熱燗が身に沁み始めたら
秋はそれよりさらに大きくなったと言える
秋は最大まで巨大化を進めると一気に破裂し
その影響であたりは一気に冷え始める
それが冬のきっかけであって
そうして1年が終わりを迎えるのである
まぁ、ともかく、今は秋だ
サンマと月とビールを楽しむぞ~