少女の決意
日差しが眩しい。
クーラーなしでは、この夏場は乗り越えそうにもない。
一人の少女が、それでも読書に励んでいた。
肩ぐらいまでの髪に、光が差し込むと少し茶色がかっている。
華奢な手足だが、小麦色に焼けた肌がキレイだ。
「よし。今日はここまで!」
と、栞の紐を差し込みながら、本を閉じる。
そのあと、LINEを見た。
にやける少女。
好きな作家さんの報告が待ち遠しく、ついLINEを見てしまう。
今日は何か話せるだろうか?
--少女の友達の父親が編集部に勤めていて、そのつてで何とかLINE交換をしてもらった。
少女はかなり友達の父親にごまをすって2年をかけて交換してもらい、早3年になる。
初めは何を話して良いものやらわからず、少女は緊張していたものだった--
そんなあるとき、少女の姉が何かたくらんでいるような表情で、ヒラヒラと手で何か手紙のようなものを持っている。
「お姉ちゃん、それなに?」
にやけ顔になりながら姉は、
「なんだと思う?」
と、裏面を見せた。
とっさに身体を乗りだし手を伸ばす少女。
パシッと音がなるような感覚で、姉からその手紙を奪い取る。
少女はまさかとは思いつつも、封を開ける。
そこにはこう記されていた。
【happybirthdayRINKA。
いつも応援ありがとう。
これからも凛花ちゃんを裏切らないようがんばります。
凛花ちゃん、これからも夢を目指して頑張って下さい。
同じ道を歩もうとしている、凛花ちゃんへのささやかなプレゼントです。
from舞
】
読み終わると凛花は自然と泣いていた。
なんでだろうか?
涙が熱く感じる。
凛花は、嬉しくて直筆で書かれた手紙に涙を唸るように溢していた。
手紙にはもうひとつ。
今度する花里舞の執筆した『輝ける』が初の映画化された試写会のチケットが入れられていた。
私もこの道に進みたい、決心がついた気がした--
凛花は胸が熱くなったのを感じたのだった。
凛花が花里舞のファンに至るまで〜その後
元々読書が好きな凛花。
今日も図書館に来ては、小説を楽しんで静かに読んでいる。
でも、なかなか好きな作家さんはおらず、いろんな分野に手を出していた。
少女は去年、クラスメイトの男子に告白して振られたばかり。
少女は恋愛モノ何て読む気にもなれなかった。
そんなとき、『〜女子会から〜』と言う小説を手に取り読むことに、そこには女子の悩める美容から恋愛まで幅広く書いてあった。
特に気になったのは同じゼミの男子にどう告白するかの駆け引き。
このとき、おませな彼女は目を引かれた。
そして少女は思った。
『普通に告白してもだめなんだ。
何か駆け引きをする。
小説でもそうではないか。
いろんな展開をさせてワクワクドキドキをやめさせない圧倒感。
これは現実でも実践していけばいいのだ』
と。
それから少女は、その小説を書いた作家さんである『花里舞』のファンになった。
『花里舞』の作品を読むたび学ばされる彼女。
数年がたち、少女の友達の父親に駆け引きしやっと掴んだ、『花里舞』のLINE。
チャットで話すたび、とても丁寧で姉と全く違う、やまとなでしこのような女性の姿に少女は虜になった。
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『輝ける』を見て感動した凛花。
こんなにも人には可能性を秘めているのだと感じさせられた。
その夜には、勇気を持って原稿用紙とシャーペンを用意した。
『私も書きたい。
人にはいろんな可能性があることを。
まずは自分の体験談から話しを膨らませよう。』
そう思いシャーペンを持ち書き出す、彼女。
小学生だった甘酸っぱい女の子の話をどう駆け引きするか。
「小学5年生の夏休み。平々凡々の女の子梨花はーーーー」
彼女は、この道に一歩踏み出したのであった。
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