美少女ディーラーの正体2
どこから取り出したか分からないがアップルパイをいただく。
美味い!
目が輝く。このシナモンの主張し過ぎず、甘さと爽やかさの絶妙なバランス!口の中へ入れるとシャキッと、そしてトロッと溢れる瑞々しさ!美味い!!
おっと、話が進まないな。一つ咳をし話を進める。
『それでディーラーさんは何者ですか?』
聞いたもののなんとなくは気づいてる。この空間見覚えあるし。
『女神ですよ。私は真実を司る女神アミィといいます。実はあなたにお知らせすることとお願いしたいことがありまして』
やはり女神様ですか。あいつよりまともそうだな。
『お願い事?』
『実はこちらの世界に旅人を送ったのはいいのですが、ちょっと素行不良で王都に捕まっちゃってるんです。どうにか助けて貰えませんか?』
『嫌です』
即答である。
ちょっとの素行不良で王都に捕えられるってどんなやつだよ。
『そんなこと言わないで神助けだと思ってお願いしますよ〜!そうしないとお知らせの件もなしにしますよ』
なにやら悪い顔をして伺いだてる。
『お知らせって?』
とりあえず聞いてみるか。
『実はミラ先輩があなたに書かせた?写させた?契約書は正式には受理されていません。そもそもああいった契約方法は神道に違反します。あの契約を解消し借金の負債をなしにすることができます。ただしあくまで連帯保証の真さんだけで、真実の女神の私が進言しないと、この話自体ないとは思いますが』
ニヤっとこちらの様子を伺ってくるのが腹立たしい。
女神に振り回される異世界生活なんて嫌だ。まして今回助けにいくとしても絶対問題児だしな。しかし負債がなくなるのは願ったりだ。
『助けるまでなら協力してもいいですよ』
そう言うとすごく嬉しそうな顔をする。
『でもいまお金もないんですぐには出発出来ないですけど』
『あぁ。それなら寝ている貴方の枕元に置いておきました。あなたの実力やどんな人柄かを見る目的にゲームしただけだったのでお金自体には興味ありませんし、強いていうなら今回の依頼金として受け取ってください』
そういう感じですか。まあいい勉強にはなったけどさ。
『あ!ミラ先輩!枕元からお金抜いちゃダメです!本当にあの人は』
『色々もっとお話したかったですがこのままだと全額あの先輩に持ってかれそうなのでおかえりください!またいつかお会いしましょう!依頼の件お願いしますね!』
そう言って辺りが一気に白くなると、宿屋の天井が見えてくる。俺はバッとベッドから頭をあげる。
その先にお金を手に下賎な顔をしている女神がいたのでヘッドバットを食らわせる形になった。
(結局どうすればいいんだ?王都に行って助けるもなにも顔も名前も分からない人をどうやって探すか。犯罪者全員逃がす訳にも行かない。というか罪人逃がしたら俺達も罪人になるんじゃないか?)
そんなことを思いながら、蹲る負債神を踏みつける。
お金貰ってる以上王都に向かうだけ向かうかね。ルナさんのことも気になるし鍛冶町に戻ってロイさんに相談してみるか。
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