美少女ディーラーの正体1
相変わらずなにもない只々見渡す限りの白い空間。今回はスイッチもなにもない。
『ここも久しぶりな気がするな。お〜い。ミラだろ?改まって何かようなのかぁ?』
俺は声をあげる。返事が来なかったらまた寝るだけだしな。
.....。
10秒くらいしても返事がない。
『さあ寝るか』
そう言ってその場で寝転がる。
何気にここは室温もよくてフワフワしてて寝るのに最適なんだよな。
俺が瞼を閉じたその時慌てた声が聞こえる。
『な、なんでそんなに落ち着いてるんですか。もう少し観察しようとしていたのに』
なにやら声が聞こえる。
(あぁ。ダメだ。瞼を閉じたらお昼寝モードになってきた。とりあえず一眠り)
『え、え!?嘘ですよね。まだここに読んで20秒も経ってないですよ!?どんだけですか!?もしもし〜真さ〜ん。もしも〜し。さっきまで一緒にゲームしてた美少女ディーラーさんですよ〜』
『ディーラー?あぁ。人間離れした可愛さと人間業とは思えない感じでしたもんね。ムニャムニャ』
眠い意識の中とりあえず反応する。
『反応うすっ!!ちょ、ちょっと本当に寝ちゃわないですよね?これ本当に寝ちゃわれそうじゃ。何か!何か!!そうだぁ!』
(なにを閃いたのか知らないが、この昼寝モードに入った俺を起こすことは不可能だ───)
俺は瞼を閉じている。
開けたら負け.....ではないが、このまま寝てやろうと思っていた。
しかし────
顔の先になにかがある気配がする。
それは少し火照っていて人肌のような温度が触れていないのに伝わってくる。
それは淫靡で芳醇な甘い香りを漂わせてくる。
目を開けて確認したい。目の前には秘境が広がっているのか!?
さらに、そこにまだ姿は確認していないが可愛い女の子の声が聞こえる。
『ま、まことさん。ま、まだ起きないんですか。わ、わたしもう.....ガマンできない.....です。すこしだけ入れちゃいますよ?』
クチュッ、ニチャッと淫靡な音が耳元で響く。
(はぁ〜。はぁ〜目の前でな、なにが──)
『も、もうダ、ダメ!イッ───』
色香を纏ったその声と共に俺は我慢できずに目を見開く!!
そこには───────
目の前でアップルパイにフォークを入れていただきま〜す、っと口を開けている先程会った美少女ディーラーがいた。
(いや分かってたよ。そんなえっちぃな展開がある訳ないって、でも男の子なら確認したくなっちゃうじゃん?)
そんなことを思っていると。
「やっと起きてくれましたね。真さんもアップルパイそんなに食べたかったんですか?私の話を聞いてくれたらあげなくもないですよ?」
ふふんと胸を張っている。
的外れもいいところだが状況が整理しきれてないので起こされたことだし、話を聞いてみるか。