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役立たずの最強治癒(?)使い  作者: やきにく
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カジノその後

「待ってよ。お兄ちゃん達」


 追いかけてくるユウヤ、その先にはフラフラと野宿場所を吟味する敗戦者三人。


「おっ、あそこのベンチ寝やすそうじゃないか?」


「真さん、夜中は冷えるんですよ。あの辺の木下でくっついて寝れば寒さも凌げるかと」


「私は魔法が効かず、メンタルキてるので濡れてもいい枕ください」


「枕なんて野宿にあると思うなよ」


 ついツッコミを入れてしまう。


「お兄ちゃん達!」



 大きい声に俺達は声の方を向く。


「やっと気づいてくれた。僕のチップを換金してきたから今日の寝るところは大丈夫だよ?」



 うぁぁああんっと大人三人が子供に泣きつく。


「「「ユ〜ャざま〜」」」


 はたからみたら情けないかもしれないが、ユウヤはそんな俺達を見て照れている。


 暗くなる空の下、俺達の絆が深くなった気がした。












「あぁ〜。お風呂最高!フカフカベット最高!」


 宿にきた俺達は、ユウヤのお陰で無事に今晩の寝床を確保できた。


 不安も疲れも汗と共に流し、今日の反省をする。


「しかしあのディーラーどうやったんだろ」


 俺がそんなことを口に出す。


「お兄ちゃんはあの時どんな状況だったの?」


 あの時の状況を整理しながら説明をしていく。


「やっぱりお兄ちゃんすごいね。あの早くて全く見えなかった飛んでるカードの数字を見て、それを覚えるなんて」


「お兄さんにそんな能力が」

「真さんにそんな数少ない長所が!?」


 うん?最後褒めてないだろ?

 まあいい。


「まあ。それで確実に勝てると思ったわけだったんだけど」


 そう結果は負けだったのだ。


 セツナはう〜んっと悩んだ後になにやら閃いたように口を開く。


「瞬間移動や場所を入れ替えるみたいな魔法が仮にあったとしても、お兄さんなら気づいた可能性高いってことですよね?だとするとこんな感じにやったのかもしれないです」


 セツナはそう言って右手に枕、左手にコップを持ち集中する。


 するとセツナの前が揺らぎ右手にコップが、左手に枕を持っているように見える。


 あれ?さっきまでは逆だったのに?


 そしてセツナはふぅ〜っと息を吐くと、元の位置に枕とコップがいる。



「今のは空気の温度を変えて反射させてみました。これを最初から気付かれないように尚且つ高速に動くカードにとなると人間業ではないですけど、目の錯覚、幻惑系のなにかしらの魔法だったのではと思います」



 珍しくセツナが真面目に話している。


 確かにいまのをさらに高レベルで扱えば見間違うこともありえるかもしれない。


「真さんリベンジいきましょう!」


 ミラが声をあげる。



「いやリベンジなんてしないからね。もうギャンブルはしばらく行かない。地道に稼ごう」


 そんな言葉を聞き一気にテンションが下がるセツナとミラ。


(この二人にギャンブルやらせたらハイリスクハイリターンで尚且つ負けつくすまでやり続けるからな)



 俺は今日の反省点を振り返り思ったのだった。








 明日からはコロシアムで稼ぐという方針が決まり全員ベットに入る。




 疲れていたのかすぐに眠気が来る。

 そしていつしか真っ白な空間に立っていた。


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