鍛治町3
お店の中に入るとかなり盛況のようでガヤガヤと賑やかだ。
先程のフードの女性に連れられ隅の席へ腰を下ろすと
「マスター同じものを追加で2つ、あと適当に食べ物ちょうだい」
「さてと俺達になにかようか?」
ロイさんが口を開く。
「ふふっ、そう急がなくていいじゃん。夜は長いんだし楽しもうよ」
しばらくして料理と飲み物が運ばれてくる。
おぉ〜。飲み物は赤いけどとても芳醇な香りが漂ってくる!肉料理もボリュームがありながら繊細な盛り付け、香りを嗅ぐだけでヨダレがしたたる。
俺は手を合わせてからそれらを口に運ぶとフードの女性はじっとこちらを見つめていた。
顔全体はよく見えないが可愛い目だ。そんなに見つめられると照れちゃうじゃないか。
そしておもむろに質問してきた。
「お兄さんどこの出身なの?食べるときの仕草からしてもこの辺りの人ではなさそうだけど」
あぁそういえば癖でやっていたけど手を合わせることはこちらでは珍しいもんな。日本と言うわけにもいかないしなぁ。
「秘密です」
頬をぷくっと膨らませている。じゃあっと次の質問がきた。
「昼にダンの工房で渡してた素材、あれどこでどうやって手に入れたの?」
ダン?あぁ。昼に頼んだ工房か。なんで渡したの知ってるんだよ。しかもこれも答えにくいやつだ。
「秘密です」
さらに頬が膨らむ。子供みたいで可愛いやつだな。
そんなことを思っているとロイさんが単刀直入になにかようがあるなら早く言えと催促した。
しばらく考えたあとにフードの女性は
「まあいいや。あの魔物を倒したのはあなた達のどっちなの?」
あぁ。説明面倒くさいなぁ。ロイさんってことにしようと思った矢先ロイさんがこっちを指差しこいつだ。と暴露していた。
するとフードの女性はこちらを見て目をキラキラしている。
「お兄さんそんなに弱そうなのにどうやって倒したんですか?なんの武器使ったんですか?その武器見せてもらえませんか?実は隠された能力みたいなやつですか?」
弱そう.....。まあいいや。そこは気にしないでおこう。
「秘密です。そもそも話が見えないんですが」
「お兄さん秘密が多すぎですね。まあいいです!実は私こう見えて鍛治職人なのです!
あの素材と私の天才的発想力が合わさればとてつもない武器ができるそんな直感があるのです!ぜひ私にあの素材をください!」
このフードっ娘怪しい。とてつもなく怪しい。そもそもあげないしな。
「無理です」
ぐぬぬという顔でこちらを見ている。そこからはフードっ娘がなにやら熱く語っているが、まあ気にせずこの美味しい料理をいただこう。
パクパク
うん。美味い!
ゴクゴク
はぁ〜。美味い!!
ふぅ〜。食べた食べた。
「さあお腹いっぱいになったし帰りましょうか」
ロイさんにそう言うと、ロイさんはフードっ娘のほうを見たがいいからいいからと促し席を立ち上がる。
「ちょっ、ちょっと本当にこのまま帰っちゃうの?もう少し話を──」
「マスター。会計この子で!美味しかったです。また来ますね!」
俺は爽やかな笑顔でマスターに挨拶すると、店を後にし宿に戻るのだった。




