ルナさんと俺の秘密
日が昇る前に目が醒めた。
さすがにいつオークの軍団がくるかわからないと言われ寝付けなかった。
それでも多少は仮眠が出来たので眠気はない。
顔を洗い塩を持って庭へ行き、センズ作りをせっせと行う。
そうしていると朝日が昇ってきた。
1つノビをし宿へ入る。
神弓、雷鞭を持ち宿のおばちゃんに声をかける。
朝食を楽しみにしていたが、今日は早くルナさんに知らせるために朝食は抜きだ。
するとおばちゃんは裏からパンを持ってきてくれた。ありがたい。
宿に挨拶をしパンを頬張りながら教会を目指す。
向かう途中では何人かの村人と出会いお互いに笑顔で挨拶を交わしていく。
教会の前に着くと可憐な女神様が朝日を浴びキラキラと輝いている。ルナさんが教会の前で掃除をしていた。
「おはようございます。早朝は清々しくて気持ちいいですね」と声をかけた。
「真さんおはようございます。朝早くからお祈りですか?」と笑顔で答えてくれる。
さあどこから説明すべきか。真剣な相談をしたいのでいま時間が取れることを確認し教会の中へ入る。
教会の中には赤い絨毯、木製の椅子、そして奥には大きい十字架が置かれていた。
教会内はまだ人がいない。ありがたい。いたらパニックになるかもしれないからな。
「実はある方から情報をいただきまして、近いうちにオークの軍団がこの村に襲いにくるらしいのです。私としては村人全員でどこかへ避難するべきだと思うのですが」
単刀直入に切り出す。
するとしばらくの沈黙の後ルナさんは真剣な顔をし口を開いた。
「オークの軍団ですか.....。それは大変ですね。私1人では決めかねる問題ですし、村長や頼りになる方を交えてもよろしいでしょうか?そのある方というのは誰なのでしょうか?」
ですよね〜。村長などを踏まえては勿論だと思ったが、情報源について聞かれるとは思っていた。
ルナさんは信用できるし俺の今までの成り行きをこれを機に説明した。
そして女神に情報をもらった事を改めて伝える。
「なるほど。真さんが他の方と服装は勿論これまでの行動からなにか違うとは思っていたので納得してしまいました。
ただ違う世界から来られたことは内緒にしていったほうがいいと思います。能力も含めかなり目立ちますしどこから魔の手がくるか分かりませんからね」
そしてと「私も決して口外致しません。真さんと私と神様のみの秘密です」
軽くウインクをしてお茶目に笑ってくれた。惚れてしまうぞ。いやすでに惚れてるがな!!
「ありがとうございます。今後私も他人に気付かれないよう気をつけます。村長さん達との会談はいまからできるのでしょうか?」
するとルナさんは「そうですね。早いほうがいいでしょうね。手遅れになっても大変ですし、準備もありますし」
こうして俺とルナさんは村長宅を目指し教会を出た。