聖祭前夜の生徒会
貴方達……この惨状は何なの……?」
案の定というか、やっぱりというか、目の前には悲惨な状況が繰り広げられていた。
舞奈は四つん這いになったボロボロの俊の上に座っているし、誠くんと瑠奈は相変わらず。なにしろ私がここを離れた時よりも状況が悪化している。
どうやったらここまで散らかせるのかしら……
「あ、由香。おかえり」
瑠奈は私に気づいたらしい。
「お帰りじゃないわよ。何があったの? まあ、だいたい想像はつくけど……」
私は大きくため息をつく。
「やっぱりこうなってたか……時間も時間だし、こりゃ今年も泊まり込みだな……」
「あちゃー。今年もかー!」
「なんか、嬉しそうだな、お前」
「えー? そう見える?」
伊集院先輩は半分呆れ顔であかり先輩と話をしている。あかり先輩はどこか楽しそうだ。
昨年の文化祭の準備の時も私達は泊まり込みで作業をした。原因はやっぱりというか、皮肉にも舞奈なのだけれど……
今年は準備をする人数が去年よりも多いから、時間内には終えれると思っていたのだけれど、逆に人数の多さがあだとなってしまったのかしら?
舞奈がいたら同じね……
ううん……こうなってしまったらしょうがないわね。
「葵、ちょっとお使い頼まれてくれる?」
「あ、はい!」
私はメモ用紙に必要なものを書き留めて手渡す。
「外も暗くなってきたし、瀬之原一人で行かせるのは危ないんじゃないか? 俺も行くよ」
そう申し出たのは俊だった。
「そうね。お願いするわ。戻ったら荷物は合宿舎に持っていってもらえると助かるわ」
「りょーかい」
この二人だったら大丈夫そうね。
「で、私達は何をしたらいいの?」
「愛和先輩とあかり先輩は舞奈、美玲ちゃん、誠くんと一緒に合宿舎の準備をお願いします」
「任されようっ!」
ドン、と胸を叩くあかり先輩。とりあえず、舞奈をここから遠ざけなければここの作業が終わらない。
「葵達にバスタオル等の洗面具は買いに行かせましたから、そのまま休んでもらって構いません。特に、二人のことは頼みました」
流石に、誠くんと美玲ちゃんは辛いだろう。この時間まで良く手伝ってくれたと思うわ。
「分かったわ。それじゃあ、行きましょう」
誠くんと美玲ちゃんは、あかり先輩たちの後に付いて行った。
「それで、絢介。貴方には全員分の夕食を――」
「それなら既に準備はできております」
執事は制服のネクタイをくい、と上げる。
「……え?」
「執事たるもの先読みは必須にございますゆえ」
なんか怪しいわね……
「本当のところは?」
「実は先程料理を作った際に、少々作りすぎてしまいまして。最悪の場合、明日はレンチンでもしてお客様にお出しすれば良いと思っていたのですが、これは好都合です」
そうよね。コイツに執事らしいところなんか一つもないわよね……
「というわけで、私は宿舎の準備を手伝ってまいります」
そういって執事は去っていった。
絶対に向こうの方が楽だからあっちに行ったわね……
「そんじゃ、俺たちはここの片付けを始めるか……」
「実。片付けじゃなくて、準備だぞ?」
樋口先輩の的確な突っ込み。
「ああ、そういやそうだったな……もう、散らかりすぎてて何がなんだかわからんのだ……」
伊集院先輩は頭を押さえている。
「仕方ないよ。ちゃっちゃと終わらせちゃお」
「瑠奈……あなた元気ね……」
「そうかな?」
とりあえず、私達は作業をすすめることにした。




