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私と執事と文化祭編

「――これでよし。文化祭の出し物の候補はこれくらいでいいかしら?」


 ロングホームルームの時間。私は前に出て黒板に出た案を書き上げる。


 案は喫茶店やお化け屋敷といった定番なものから、憩いの場なるものまで。憩いの場の内容は教室で映画でも垂れ流しにしていたらいいのではないかというもの。もちろん、この案を出したのはただ楽をしたい絢介によるものだ。


 もちろん、この案だけは通さないけれど。


「お化け屋敷はほかの組がするらしいよ」


 生徒の誰かがそういった。


「それじゃあ、お化け屋敷の案はなしのほうがいいかしら。となると、演劇と喫茶店と……他はなしでいいわね。この二つのどちらかにしましょう」


 さて、私たちの高校の文化祭はせんとさいと呼ばれ、テレビの前の一般人から、テレビの中の有名人まで数多くの人が訪問する。


 学校が学校なだけに聖祭は相当規模の大きなものとなっている。


 そして、その規模の大きな聖祭。もちろん皆が必死で来場の方や、他クラスを楽しませようとするのだけど、実は裏にモチベーションを上げるモノがある。


 それは、評価。来場客が一人一人、クラスの10点満点で評価をして、最終日に開票される。一番点数の高いクラスが優勝になるのだけれど、景品が豪華なのだ。


 言い方は悪いけれど事実、この学校はもともと超金持ち学校。景品が旅行などではみんなを釣ることができない。そういうことで、学校側が出す景品というのは各テストに+40点というもの。これは、欠点の回避にはもってこい。私の場合は関係ないのだけれど、仮に満点を取ったとしたら140点。なんだか、気持ちのいいものがある。


「じゃあ、多数決でいいかしら?」


 挙手制の多数決で出し物を決める。


「――では、喫茶店に決定ね。あとはコンセプね。なにかある?」




 黒板に書かれたのは中華、イタリア、フランスなどさまざな国を模した喫茶店から、メイド喫茶というものまで。


「これは……」


 なんだか面白みに欠けるわね。どれもこれもどこかのクラスがヤリそうなものばかり。メイド喫茶なんて絶対にやりたくないわ。


「なんだなんだ? みんな在り来たりだよ! ねえ、由香。こういうのはどうかな?」


 こういうイベントで珍しく静かだった瑠奈は急にテンションをあげてくる。


「食い逃げ喫茶店逮捕しちゃうぞ!?」


「なによ……そのネーミングセンスの欠片もない喫茶店は……」


 できるのであるならば、今すぐにでも却下したいわね……


「まあ聞きなさいって。こういうイベントなんだから楽しくやらないとね。で、喫茶店の内容なんだけど、名前通り食い逃げありの喫茶店。このクラスには結構部活の部長もいるし、絢介くんと由香もいるし、とっ捕まえるのは楽勝でしょ?」


「え、ええ……でも、とっ捕まえたところでどうするのよ? 倍額でも払わせるの?」


「そんなことしないよ。絶対評価さがるしね。そうじゃなくて、雑用にまわすの。食器洗いとか?」


「うん。それ却下ね」


 一応聞いては見たけれど、やはりありえなかった。


 結局多数決になって、コスプレ喫茶をすることになった。


 なんだか、先が心配ね……

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