閑話休題2:私と由香と…… 3
☆☆☆舞奈視点
「どうしたの?」
私は由香に引っ張られて廊下にでる。流石に人が多かったため、人気のない所に移動する。由香とはいっても、現状伊集院舞奈だけどね。
「どうしたのじゃないでしょう! どうしてそんなに呑気なの!?」
「だって念願の由香になれたんだもん」
ほんとに夢のようだよね。夢なら覚めないでほしいよね。
「なれたんだもん。じゃないわよ! ああもう……なんでこんなことになったの……」
「それなら簡単だよ。ほら、私と由香がぶつかった時にキスしちゃったんだよ。私と由香のどっちかが魔女だったんだね!」
「やめてっ! それは本当にダメなやつだから。それより、私とあなたがぶつかってキスが出来るわけないでしょう? 身長的に」
む。なんか酷いな。
「いいもん! 今、私は由香だから身長は私のほうが上だもん!」
「そんなことより、どうやったら戻れるか、よ。なにか心当たりない?」
「知らないっ! 由香なんか一生その体でいたらいいのよっ!!」
「ちょっ! 舞奈っ!? 絶対にバレないようにしなさいよ!! 後で大変な事になっても知らないわよ!!?」
私は教室に走った。なんて、体が軽いんだろうか。さすが由香の体ね。
「なんか今日は雰囲気が違うね、由香」
私に声をかけてきたのは隣の席の篠原書記。えっと、由香は篠原書記のことをんて呼んでたんだっけ……?
「そ、そうかな……?」
「うん。なんかいつもと喋り方も違うような気がするし……」
私はさっき由香から聞いた警告を思い出す。バレちゃったら大変な事になる。どんなことになるかはよく分からないけど、きっと爆発しちゃうとかそんなところだろう。絶対バレないようにしないと……!
「き、気のせいよ。ほら、先生が来たわよ!」
先生が教室に入ってきてくれたおかげでどうにか爆発は逃れた。由香も上手くやってくれればいいんだけど……
「じゃあここ。安心院由香さん。解いてみてくれる?」
それにしても、やっぱり由香っていいなぁ。プロポーションはいいし、綺麗だし、身長は私よりあるし。
「安心院さん。どうしたの?」
ん? あ、そういえば今は私が由香なのか。
「あ、はい。わかりました」
私は前に出る。
えっと、この問題は……
「はい、出来ました」
「はい。正解です」
これくらいの問題なら解けるよ!? 解けないと思ったでしょ? 解けるんだな、これが。
それにしても、高い位置に文字が書けるって最高!
もう、戻れなくてもいいや!
そんなこんなで、放課後。
「さて、帰ろう!」
「今日は仕事がない日ですが、生徒会室に顔を出さなくてよろしいのですか?」
それなら好都合。
「うん。帰ろ――」
「ま……由香! ちゃんと生徒会に顔出しなさいよ!」
ちぃっ……お邪魔虫め!
「あら、舞奈。私は忙しいの。これで失礼するわ」
「ちょっ! 今日は仕事がないでしょう!? いいから生徒会に――」
「おい、舞奈。こんなところで何してるんだ。さっさと生徒会室に行くぞ!」
現れたのは前生徒会長であり、私の兄貴の伊集院実だった。
「あ、ちょっと! 先輩っ!?」
「それじゃあね、舞奈」
由香は兄貴に襟袖を掴まれ、連れていかれた。
さて、私は帰りますか!




