閑話休題1:誠と猫と不思議な2日 3
どうにか、姉様をやり過ごせたか……?
いや、あれは怖すぎる。生物の中で人間が一番怖いっていうけど、本当だったんだなぁ……
俺は大きくため息をつく。
「あれぇ……ないよぉ……」
あれ……? 適当に逃げて入った部屋だけど、この部屋って確か……
俺はその部屋の住民と目が合った。そいつは四つん這いになっていて、俺の目線とちょうど目の高さが一致していた。
「猫? こんな所にどうしたの?」
「にゃあ……」
とっても怖い人から逃げてきたんです……
といっても、分からないか……
それにしても、なにか探しているようだけど、なにかなくしたのだろうか。
「迷子かな?」
美玲は俺の頭を撫でる。
「にゃあ」
あれ、なんか気持ちいい……
「猫って自分のかけないところを撫でられると気持いいって聞いたことあるんだけど、本当だったんだね。そうだ、お風呂入ろうか、猫ちゃん。結構汚れてるし」
美玲はポン、と手を叩く。
えぇ……っ!? お風呂っ!?
それはダメだっ!!
俺は全力で逃げる体勢をとる。
「にゃあぁぁあああああっ!」
全力で捕まった……
「捕まえた。君はそんなにお風呂が嫌いなのかな?」
「にゃあ……」
嫌いじゃないけど……嫌いじゃないんだけど……
流石にいろいろとまずい!
俺は美玲の腕の中でじたばたするが、全く効果なし。猫って非力すぎるでしょ……
「あ、男の子だったんだ。じゃあ、猫くんだね」
もう、お婿にいけません……
「はい、終わり」
ドライヤーで体を乾かされ、終了。
案外、気持ちが良かったな……
もちろん、お風呂に入ったのは俺だけで、俺の妄想通りにとはいかなかった。まあ、小説だしね……
「あれ? 猫くん、もう行くの?」
俺はこくり、と頷く。
「そっかぁ……私も探し物しないとだから、また今度ね」
美玲は別れ惜しむように手を振る。
ていうか、猫と会話してるのに不思議に思わないのか? この屋敷の住民って……
とりあえず、俺はこれからどうしたらいいのだろうか? このままの状態が続くと考えると悍ましすぎる。それより、俺がいないことを不思議に思わないのか?
俺は窓から庭に出る。
ううん……何故こういうことになったのだろう……
考えたくはないけど、答えはひとつしか思い浮かばない。
昨日の夜、あの猫に言った言葉。
『猫になりたい』
ありえないだろ、普通。
まあでも、現実に今あってるんだしなぁ……
夢であるなら早く覚めて欲しいよ……
とりあえず、今やれることは昨日の猫を探すことくらいだ。もしかしたらなにか手掛かりが掴めるかもしれない。
と、いっても屋敷の外に出るのは流石に気が引ける。屋敷の中であれだったんだから、外は恐怖でいっぱいに間違いない。
俺の頭の中に姉様が思い浮かべられる。
と、とりあえず、屋敷の敷地内を探そう。昨日の夜に屋敷内にいたんだから、もしかしたらまだいるかもしれない。
4/2へ続く




