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一日の始まりは執事に始まる

 ドンドンドンドン--


 朝早くから屋敷中に扉を叩く音が響く。


 なぜこんな音が響いているのか?


 そんなのは簡単よ。


「このダメ執事っ! 起きなさいっ!」


 声を大にして、扉を叩き続けるとようやく重いドアが開いた。


「おはようございます、お嬢様。爽やかな朝ですね。ところで、わたくしはもうひと眠りいたしますので邪魔をなさらないようお願いいたします」


「なっ!? ちょ、まっ!?」


 私が何かをいう前に、あのダメ執事は扉を閉めた。


「ちょっと! 私の朝食はどうなるのよっ!」


 そういうと、また扉が開いた。執事は面倒くさそうな顔をしている。


「お嬢様は仮にも女性なのですから自分で作ってみては如何でしょうか? それでは、おやすみなさいませ」


 再び扉が閉まる。あいつは本当に私の執事なのよね? どう考えても理不尽じゃない……


 こういうとき、私がやることは一つである。


「そう、あ貴女がその気ならこちらにも考えがあるわ」


 私は懐からハンドガンを取り出し、スライドを引く。


「お嬢様、わたくしは暴力には屈しません。非暴力不服従です」


 スライドを引く音が聞こえたのか、扉越しにやつの声が聞こえる。


「あなた執事でしょ!? 従いなさいよっ!」


「お断りいたします。わたくしは誰の支配も受ける気はございません」


 ならばなぜ執事という職についたのかが疑問でならないわ……


「あら、そう。わかったわ。あなたのコレクションが粉々になったあとで話を聞きましょうか」


「おはようございます、お嬢様。素晴らしい朝にございますね。只今、朝食の準備をしてまいりますので、お部屋で暫しお待ちください」


 素早く部屋から出てきた彼は、素早く厨房に向かった。


 全く、あいつはこうでもしないと働かないんだから……


 私の朝は基本的に溜息から始まるのであった。

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