1話
私の日常はいつでも同じだ――。
「ねえ、咲本さんっていつも怒ってる感じだよね?」
「うんうん。ちょっと近寄りがたいよね。てか怖い。」
「なんか、いつも見透かされてる感じだよね。」
そんな事ばっかり。別に私は見透かしてなどいない。
人の心なんか読めないし読む気もない。
目つきのせいでいつもこんな風。まったくもう慣れてしまった。
初めはすごいへこんでいたが、今ではもうすっかり慣れてしまった。
「...はあ...どうすれば、目つきがよくなるのか...。」
私は女子トイレの鏡を睨みつけるかのような目つきでそうつぶやく。
そうだ。全てはこの目つきのせいなのだ。
いつからだろう、こんなに目つきが悪くなったのは。疑問だ。
「まあ、悩んでいてもしょうがない。もっと人と接する事を頑張ろう。」
そして私は女子トイレを出て行く。
その私の目の前に幼馴染の藤堂臨斗が居た。
私と目が合った瞬間迷わず私の方に来た。
「探したぞ、凪乃。」
「なんだ?私に何か用か?」
「いや、対した用じゃないんだけどな。」
「...?」
「教室に凪乃居なかったから、ちょっと心配になってな。」
臨斗は少し照れくさそうにそう言う。
私はそんな表情、言葉を言われても何も思わなかった。
「私は一人でも平気だ。いつまでもお前が守ってくれなくても構わん。」
私は臨斗を突き放すような言葉を放つ。
臨斗は少し悲しそうな顔をしていた。
「そ、そうか。まあそうだよな!俺より凪乃の方が強いもんな!」
「...まあ。そういう事だな。あまり心配するな。私は平気だ。」
「まあでも、困ったことがあればなんでも言えよ?」
「ああ、わかっている。早く女子の元にでも行って来い。私といたらいろいろ聞かれるだろう?」
「あー、まあ。おう。んじゃあな!」
私は臨斗に平然と別れた。
そうだ、私はいつだって邪魔者だ。私は別に自分が嫌いな訳じゃない。
ただ、臨斗が私といて悲しい顔をさせたくないだけなんだ。
私はいつだって孤立人。別にそんな事も慣れてしまっているがな。
「咲本。」
「...!?」
私はちょっさに教室に戻ろうとした――。
だが、そんな私の手を誰かが引っ張った。
私はバランスを崩してそのまま倒れそうになる。
「!?...い..たくない?......!?うわあ!!」
私は倒れたのを確認したと同時に全然痛くないと言う事に気付き、後ろを見る
そこには同じクラスの、宮野流星が私をかばって倒れていた。
私は驚きのあまり慌てて起き上がる。
宮野も私の声に驚いたかの用にちょっと照れながら起き上がる。
「あ......だ、大丈夫なのか?」
私は恐る恐る心配した顔で宮野に尋ねる。
「あ、大丈夫。俺の方こそいきなり引っ張ってごめん。」
宮野も私に申し訳なさそうに謝ってきた。
「い、いや、私別に気にしてないからな..。」
私は少し恥ずかしくなり宮野から目をそらしてつぶやく。
「で、私に何か用だったのか?」
私はハッと思いついた言葉を宮野に問いかけた。
「あっ...いや、ちょっと咲本の顔みたくて...。」
「え...?」
「あ、ごめん。いきなりこんな事言って迷惑だよな!!」
宮野は顔を真っ赤にして申し訳なさそうに謝ってきた。
「...うわ!?...お、お前な、何を言って!!」
私は間が合ったが宮野が言った言葉を理解して顔を真っ赤にさせた。
「..え......あ?......ご、ごめん!」
二人共顔を真っ赤にさせて、変な空気になってしまった。
あああああ私の馬鹿が。なんだよ。てか宮野の言葉はなんなんだ!!
私の顔が見たい?ありえない!だって私だぞ?
「あ、そ、そう言う訳だから!んじゃ!!」
宮野はその空気に耐えれないのか慌ててその場から去っていった。
私はただ一人顔を赤く染めてそのままたっていた。
「...顔が...熱い。」
自分の頬に触れてそれを実感した。
「......この...感情はなんだ?」
私は実感した事のない感情と疑問にぐるぐる悩んでいたんのだった。