第2話
「その前に皆様はゲームと聞いて何を連想されますか?」
「サッカーさ」
「競争だ!」
「頭脳戦」
「石投げかな」
「数学」
「アメフト?」
「遊び…」
見事にバラバラだ。
「皆様、ゲームに対する考えはそれぞれ違うと思われます。しかしREAL GAMEは人間の本質を使うゲームです。そこには文化や人種の違いは有りません。誰もが抱える思いや感情が共通のルールです」
…何なんだ?
そんなことを原始人や農民の方に言って理解してもらえるんだろうか??
「戸惑いを覚える方も多々おられると思われますが、人間は臨機応変に順応する事で繁栄が出来るのです。時間は待ちません。基本的にルールに対応出来ない方は死に近くなると思って下さい」
ザワザワ…
床がピシリと音を立てた気がした。
体がドッと重たくなる。
死?
目眩がしそうだ。
どこか遠くの方で
ふざけるな!
聞いてないわ
そんな声がちらほら聞こえた。
「けんちゃん…」
僕を呼ぶ声が微かに震えてる気がする。
そして僕は激しく後悔する。
桜雪を連れてきてしまった事を
悲しがられても、泣かれても
絶対に置いて行くべきだったんだ。
「皆様、死と言う言葉に混乱していると思われますが、どこの世界にも死は隣り合わせなのです。自分の身を自分で守るのは当たり前です。そして、皆様がこの世界に来たのは自分達の意思です。拒否せずすぐに選んだのは、向こうの世界に未練が無かったからでは無いのですか?」
「…………」
場が沈んでゆく。
「…悲観的にならないで下さい。自己防衛をすれば、ゲームに勝てば良いのですから」
桜雪の頭に手を乗せる。
「絶対、守るから。生きて帰るんだ」
僕たちは勝てれば良いのだ。
「うん……」
「ちなみにこのゲームに参加している方は約1000人です。その方々は他の会場でゲームを行い、最終的に残った者が勝者となります」
1000人…
「大まかな説明は以上です──ではこれより第1回戦を開始します」
桜雪
僕たちは運命を
──世界を変えることが出来るのかな?