第6話
すみません;
5話を、更新していましたが
修正を兼ねて、最後の方を少し加筆しました。
なので5話を22日の4時40以前に読まれた方は、もう一度、目を通して下さい。
本当に申し訳ありませんでした 汗
「4回戦のゲーム説明を行う前に、現時点の全会場の皆様のゲーム結果をお知らせしておきます。第1は20名、第2は11名、第3は13名、第4は23名、第5は15名、第6は12名、ここ第7は14名、第8は19名、第9は16名、第10は17名、計160名が第4回戦に出場となっております」
食堂内は、にわかにざわつく。
僕自身も動揺を隠せず、みっともないと思いつつ案内人の説明を呆けた態度で聞いていた。
160名って・・・そんなに減っていたのか?
僕は初日のゲーム後に管理人が言っていた事を思い出そうと、手でこめかみを押さえた。
えーと・・・
──緊張しながら終わられた1回戦。僕は安堵の溜め息を吐きながら案内人の話を聞いて・・・
そう、そして──
‘これをもって、第1回戦を終了・・・全会場の皆様のゲーム結果をお知らせ・・・第2は43名、第3は52名・・・ここ第7は58名・・・第9は64名・・・計650名が第2回・・・
──ああ、そうだ。
自分の脳が求めていた記憶を思い出した事に満足し、頭の中で整理を始める。
1回戦が終わった時点で、650名が生き残っていた。
しかし、それ以前にゲームに参加した者は1000名だったはずだ。
つまり・・・たった3回のゲームをし終えただけで、840名が負けて──死んだ?
「・・・・・・」
この異常に高い敗退率を考えた途端、背筋がゾクッとした。
それと同時に、僕も含めて僕と関わりの深い桜雪やアリア、エディがこの場に居るのが不思議な位凄い事だと感嘆する。
だってそうだろう。
確かに100人がいた第7会場の参加者は、もう14名しか残っていない。
その内の14名の中の僕達4名が、まだ──勝ち残っているという事実。
息苦しさで目眩がする位、その事実が僕の頭に残っていた。
そんな事解りきっていたのに・・・
「──4回戦は」
その低く澄み渡る声で、再び現実に引き戻される。
「他会場の参加者とゲームを行います」
台詞と共に、一層、参加者のざわめきが大きくなった。
「1時間後にここから離れ、第8会場の参加者と別の会場でゲームをして頂きます。食事を終えられた方で部屋に荷物がある方は速やかに支度をして、ここに集まっていて下さい。では、食事を始めて下さい。失礼します」
ひとしきり説明をし終えた後、案内人は一礼してその場から離れた。
数少ない参加者達は戸惑いながらも、食事に手をつける。
僕もゆっくりとパンを千切っていた。
「・・・・・・」
大丈夫。いずれ他会場の者と戦うだろう事は、ちゃんと想定内だった。
小さくなったパンを上品に口に頬張りながら、静かに覚悟を決める。
「──賢治」
「え?」
「額、汗掻いてる」
アリアに指摘され、そっと自分の額に手を当てる。
「ほんとだ・・・」
そう言われて初めて、自分が緊張で全身汗ばんでいる事に気付いた。
途端にシャワーに浴びたくなる衝動に駆られる。
「賢治、ほんとに風邪引いてるんじゃ無いかな?」
エディが心配そうに僕の顔を覗き込み、額に手を当てる。
僕はそれをやんわりと制して、大丈夫だと力無く笑った。
──理由は腹が立つぐらい分かってる。
心配無いと自分に言い聞かせる様に呟きながらも
僕は4回戦に言いようの無い不安を感じていたのだった。