第13話
──多分、私は彼の強烈な個性に惹かれていたと思う。
ほんの、ほんの少しだけ。自分でも気付かない位の程度だけど。
「じゃあゲームを始めよう、アリア」
また元の鋭い氷の様な表情に戻った彼に、軽い虚しさを感じるのは気のせい?
ゲームに勝たなきゃ、この人達に勝たなきゃ死んでしまうのに。
──私、顔をまともにあげれない。
「…おい、何か話してたのかよ」
耳障りな声に、軽い苛立ちを感じる。
暴力的な人は例外的に嫌いだ。
「……別に」
「ふーん。それよりルールちゃんと覚えてんの?ヘボいミスしたら殴っぞ」
益々、嫌悪感で鳥肌が立つ。
私は外見で人を判断はしない。飾る人間が偉い何て少しも思わないもの。
だけど、自分の力を誇示して相手を見下したり、弱い立場にある者を苦しめる態度だけは許せない。
──ペアに何て、組みたくなかった。
「覚えてます…」
「んじゃあ良い。つかカードどこよ」
「──ここに、落としてた」
無口な男の子の手の中には、練習用に使われてたカードがあった。
「あぁ、貸せよ。俺がすっから」
無表情に男性にカードを渡す。底の見えない瞳。
「代表者は、俺だ」
軽やかに男性の前に立ち、意地悪そうに微笑んだ。
余裕綽々な彼の瞳からは、ゲームを楽しんでいる様にさえ思える。
気持ちが読めない、高慢な人。
私なら、絶対に敵に回したくない。
「…こっちは俺だ。さ…っさっさと始めんぞ!」
あからさまに嫌そうな表情で彼を見ながら、吐き捨てる様に言った。
首にぶら下げている木製の首飾りが、小さく揺れる。
「ほら、引けよっ」
彼はその状態から数秒ほど静止した後、ゆっくりとカードを引いた。
「──先行だ」
私は知らなかったのです。
この時点で負けが確定されていた事も
この胸の高鳴りも桜色に染まる頬のわけも。
最後の最後で気付く悲しい運命。
──私が初めて恋をした人は、私の命を奪おうとしてる人でした。
こんばんは!
明日は三連休ですねっ
皆さんゆっくり休めますか?
しかし私は休み…ありません;
土曜は昇段審査で初段を受けれて
日曜は西部地区合同稽古会に参加
月曜は高校に出向いて稽古に行きます。
来週は県総体もあります!
とうとう私も引退が近付いてきました;
寂しいやら微妙ですが…夏休みに入ったらまた更新の回数を増やそうと思いますので 笑
でゎ