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REAL GAME  作者: 野澤 ちか
3/77

第2話

学校につけばそこでお別れ。


「じゃあな桜雪。ノートは昼までに返せよ?」


「え…クラス隣じゃん!たまには一緒に行こうよ」


…周りの男子の視線に殺気を感じるから制服を掴まないでくれ。


と言うより何で校門の真ん中でこんな話をしなきゃいけない?


実際に桜雪は本当に目立つんだ。


僕は手を離させ、桜雪を見つめる。


背は低めで、鎖骨まで伸ばしたストレートの黒髪に真っ白な肌がよく映えて女の子らしい。


明るくて優しくて男女共から人気ある桜雪




僕には、つり合わない。



「お早う、桜雪」


後ろから聞こえる穏やかな声は


「あぁ…お早う瑞希君。居たんだね」


生徒会長の鹿島だ。


僕は面倒くさくて息をフッと吐いた。


鹿島が桜雪を好きなのは知ってる。


でも僕は別にいいんだ。


桜雪の気持ちが大事だから。


「桜雪何してるの?教室入らない?」


「あ…私け」


「じゃあな、桜雪」


「ぇ…、けんちゃ」


──僕はバカだ。



「はよ〜っ!お前聞いたぞぉ〜?」


走り着いた教室で僕をニヤニヤ見てるのは、ダチの直也。


「何がだよ……」


「校門で鹿島と白崎さんを奪い合って負けたって?」


おい、情報早いな。


「いや、全然違うから。別に負けるとかじゃなくて単に面倒くさかっただけ!」


「ふ〜ん?でも、白崎さん可哀想〜…」


「……?何が??」


僕は人事な直也の反応にイラつきながらも質問した。


「そりゃお前が白崎さん置いてきたからだよ。白崎さんは、けんの事が好きなのに」


その瞬間、殆どの男子が僕たちの方を見て睨んできた。


「…おい。誤解招くこと言うな!後がめんどう何だから」


僕は小声で直也に注意する。


「何が誤解だよ、バカ。幼なじみだからって好きでもなきゃ一緒にいるかよ!」


コイツ……



わざとか?


「何で大きい声でそんな事言うんだよ!」


直也はヘラヘラ笑ってる。


こんにゃろ。


僕は生粋の平凡なんだよ


社交的な直也と違って目立つ事は嫌い何だ。


僕には波風も波乱も要らない。


──きっと直也には理解出来ない。


「チャイム鳴ったぞぉ〜!席付けっ」


担任の登場に慌てて、自分の席に帰る。


──1限後の休憩時間


僕の携帯が踊った。


「メール……」桜雪からだ。


〈2限目サボるぞっ!屋上に集合ね(・∀・)♭〉


僕は外を見る。


窓から差し込む暖かい光が僕の心をくすぐった。



ふと、思う。


もしかして僕が無意識に放った

「こんな日は授業したくない」ってセリフを聞いたからかもしれない。


どちらにせよ、麗らかな陽気にサボるのも悪くない。


横にいる直也にサボると伝え、僕は屋上へ向かった。

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