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REAL GAME  作者: 野澤 ちか
25/77

第2話

これから2〜3話、少し残酷な表現が含まれます。

本来のストーリーから少し離れたエピソードですが、小説をより深く理解してもらうために絶対に必要な内容です。


ご理解よろしくお願いします;

お兄ちゃんの隣には、知らない人が数人いた。


その中には髪を茶や金に染めている人もいて、だらしなくダボダボの派手なシャツを着こなしている


「お兄ちゃん、だぁれ?」


「塾で知り合った友達。外見怖いかもだけど、根は良い奴だから大丈夫だよ」


そのセリフに、紹介酷くね〜っ?!と、おどける人


それに乗って周りが笑う



「まぁまぁ…今日は勉強も兼ねて遊ぶからさ。部屋には来ちゃ駄目だよ」


「うん…」


──お兄ちゃんは真面目で成績もすごく良いけど、明るくてクラスでも人気者って聞いた事ある


初めはいかつい雰囲気の6年生達に緊張したけど、話しぶりからお兄ちゃんと対等な関係の様であった。



「〜でさぁ!ハゲが滑った訳だよ」


「まじウケるんだけどっ!!それ見たかったわぁ〜」



……でもやっぱりこの人達、苦手だ。


服から微かに臭うタバコの煙たさに、鼻をつまみたくなる



私は家に着くと同時に階段を駆け上がり、部屋に籠もった。


隣接してる部屋から騒がしい声が聞こえたけど、何となく聞こえないフリをして絵本を読む。


そうやって暫く1人で遊んでいたが


「喉…乾いたな」


冷蔵庫にある飲み物を取ろうと、リビングに向かう私の腕を




──誰かの手が掴んだ。


「あれ〜?紅葉の妹ちゃんじゃん!!どしたの〜??」


「え…ぇと、ジュース取りに……」



ふ〜ん…、と男の子は、口角を上げてニヤニヤと笑った。


「飲み物なら俺らん所にあるよ。部屋に来なよ」


言うと同時に乱暴に腕を引っ張って、無理やり歩かせた。


「べっ別に良いっ!」


「い〜から、い〜から」


ぶんぶんと首を横に振る私を見ようともせず、男の子は笑って部屋に突き進んでいく。


「妹ちゃん連れてきたぞぉ〜!」



瞬間、部屋に立ち込める酒臭さに私は顔を歪ませた。


お父さんが夕食の時によく飲むビールの缶が、部屋中に散らばってる。



──子供は飲んじゃダメって事ぐらい私でも知ってるよ?


何で、お兄ちゃん飲んでるの?



「桜雪ちゃん、こっちおいで〜」


「ほらほら、座って!桜雪ちゃんも飲みなって」



「───え?」


腰を抱きかかえて自分の足に座らせる別の男の子は、お母さんが赤ちゃんにミルクを飲ませるように、ビールの缶を口に押し付けた。

苦い味が口の中に広がる



「ぅえ……っ」


ゴホゴホと咳き込む私を


「あれ〜!大丈夫?桜雪ちゃん」


全く心配してなさそうに、覗き込む男の子。



……酔ってる


この人達、変だ。


私はお兄ちゃんに助けを求めようと、辺りを捜した。


「お兄ちゃん…」


隅で男の子と談笑してる兄


顔を赤く染めた2人は、何やら紙の様なものを舐めている。



──何してるの?


その頃の私には、理解出来なかった。



それがLSDと呼ばれる麻薬である事に







それは無知


それは好奇心


みんな



みんな子供過ぎた。

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