第8話
7〜8話は説明などが多くて、つまらないかもです;
3人に話し掛けてから、後ろにいる案内人の方を向いた。
案内人は少し驚いた顔をしていたけど、別に構いませんよ、と言った。
そしてもっと意外そうな顔をしたのは、2人の方
髭を生やしたおじさんは
「おいおい、良いのかい?お前さんだって広くて快適な部屋に1人でいたいだろう。俺は事情聞いて、もう諦めた。気ぃ遣わなくても良いぞ」
そう言って手を横に振って、苦笑した。
「本当だ。気を遣わせてすまなかったね。その提案は全く持って嬉しいが、初対面の君にそこまでしてもらう何て無礼だ」
青い目の青年も、紳士的な態度で断りをいれた。
「いえ、別に構わないので遠慮しないで下さい。僕もそこまで無神経にはなれないのです」
…まぁこれが1つ目の本音。
そう言ったらおじさんは
「……本当に良いのかい?実は、こう見えて閉所恐怖症でね。そう言われると助かるんだ。いや、すまないな少年…」
と、遠慮がちに手で頭を掻いた。
青年も
「僕も…大浴場は苦手何だ。人に裸を見られるのが嫌で嫌で……隅っこで雑魚寝でもするから置いてくれないかい?」
…と、2人とは会話が成立してるけど
「なぁ…」
同い年ぐらいの少年は、出会ってからまだ一言も言葉を発していなかった。
「君も来る?」
その人は僕をジッと見てから、首を僅かに下げた。
そして水の流れに乗る様に、時代も国籍も全てが違う人たちとの共同生活をあっさり許した。
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「ふぅ〜」
僕の部屋の奥には横にベットが2つ並び、その上にまたベットを重ねて
…要するに、2段ベットが奥にスッキリ2つ並んでいる。
そして洋風の時計を置いてから、ベットを運ぶのを手伝ってくれた男性の案内人にお礼を言った。
「ありがとうございました」
「いや……失礼ですが変わった方ですね。先ほど出会ったもう1人の勝者の方は、他の同じ階の参加者に散々自慢してから部屋にこもりましたけど」
「…そういう行動を取る気になれないので」
他人の為なら自分の事も気にせず尽くす様な事はしませんが、と、少し大きめな声で付け加えるのを忘れずに。
別に僕は仏様の様な性格じゃない。
ただ、其処まで悪意を持って接する気になれないだけだ。
「…夕食は1時間後です。3階まで降りてきて下さい。それでは失礼しました」
バタン…
ドアが閉まるのを確認して
ふと、桜雪もあんな狭い部屋で寝るのかな、と、頭の隅で考えていた。
「……………」
僕はベットに寝転んで、瞳を閉じた。
いつ帰れるのか
これから何が起こるのか
明日も2人で生きていけるのか
……明日が見えない不安と
極限のゲームの中で感じた刺激が、頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合って
滝に呑まれる幼子が流れに抗えない様に
──僕の築き上げてきた人格も、少しずつ変化していくのだった。