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フクロウ令嬢と狼公爵  作者: おはよう


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71話


アナイスとセルディアンが馬車から降りると、玄関前にはノエランが待ち構えていた。


その後ろには、バルナールが穏やかな微笑みを浮かべて控えている。


「お父様、アナイス様、おかえりなさいませっ!」


手を広げて駆け寄るノエランを、セルディアンは優しく受け止め、そのまま軽々と抱き上げた。


その自然な仕草に、バルナールは笑みを深める。

アナイスもまた、優しく微笑んだ。


益々親子らしくなっていく二人の姿に、胸が温かくなる。


「お父様、優勝しましたか?」


目を瞬かせながら結果を尋ねるノエラン。

屋敷で留守番をしながら、ずっと気にしていたのだろう。


「当たり前だろう。ルヴァルティエは世界一最強だからな」


自信たっぷりに告げるセルディアンに、アナイスはくすくすと笑い声を漏らした。


「ふふふ。いつの間に帝国一から世界一に格上げされたんですか?」


そう言うと、セルディアンはさらに自信ありげに視線を向ける。


「君が来た時からだ」


「え?」


迷いのない、真っ直ぐな返答にアナイスは目を丸くした。


「狼の牙に、梟の目。帝国一なんて卑下し過ぎだろう。……なあ? ノエラン」


セルディアンは不遜に微笑み、同意を求めるようにノエランの瞳を覗き込む。

すると、ノエランの笑顔がぱっと弾けた。


「はい!宇宙で一番です!」


「そうか。どうやら我々には、世界でも狭すぎたか」


優しく微笑み合うセルディアンとノエラン。


その横顔を、アナイスはじっと見つめていた。


――大切なものを、守る。


先ほどセルディアンに伝えた言葉。

それは今、アナイスの誓いとして胸に深く刻まれた。



「ほら」


セルディアンは片腕にノエランを抱えたまま、空いている手をアナイスへ差し出した。


そっとその手を取り、アナイスはセルディアンの隣へ並ぶ。


抱えられたノエランは、にこにこと楽しそうにアナイスを見つめていた。


夕陽に伸びる三人の影。


その姿を、バルナールはどこか嬉しそうに微笑みながら見守っていたのだった。



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