表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

終章

終章 ネガイのカタチ。



この想いは奥深く、心に閉じ込め想い続ける。

いつまでも、いつまでも。

カタチが壊れたその日から、いつまでも閉じ込める。

そして今日もまた呟く、大好きな君の名前を。

呟き続ける、いつまでも、いつまでも。

君を忘れされる、その日まで、呟くだろう

そしてもし忘れされるなら、こう言って忘れよう


「大好きだったよ」


そしたら誰かが


「大好きです」


そう言ってくれるだろうから

僕は想いながら待つ、君を忘れられると信じて。

いつまでも、いつまでも。



目が覚めるとそこは病室だった。

どうやらお見舞いに来たのに寝てしまったらしい。

「あら?やっと起きましたか?これじゃあ、どっちが病人だか分りませんね。」

その声で眠気が吹き飛ぶ。

「えっと・・・ごめんなさい。〆切前で二日ほど寝てなかったもので・・・。」

そう言ったあと僕はもう一度ベッドの上で身体を起して微笑んでいる女性に頭を下げつつ、ごめんなさいと謝った。

大丈夫ですよ。と言って女性はそれより、そう続けた。

「それより、朝から夕方まで寝ててお腹すきませんか?」

“ハハハ”と僕は笑いながら答えた。

「それは大丈夫ですが疲れましたね・・・夢を見たんです。とっても長い夢を・・・。」

どんな夢でした?と女性は聞いてきたが、さすがに今から話すには長い話なので後日話すことを約束して今日は帰ることにした。


帰り道。

病院を出ると既に日が沈みかけており、早く帰って晩御飯の仕度をしなければいけないと思ったのだが、止めることにした。

駅までの道をゆっくりと歩きつつ、鞄から一冊の本を取り出しページをぱらぱらとめくった。

真っ白のページが続いて最後のページまでめくるとやっと文字が書いてある。

『こんな形で、本当にごめんなさい。私のちから能力は、本当は未来を見ることなんです。だから殆どの事が分かったんです。でも、あなたは私が見た未来とは違う未来に進むのでびっくりしました。最後の最後に嘘ついてて、ごめんなさい。これは言っちゃいけない約束だったので、私の大好きな人との。その人は未来で大切な人と友人を連れて楽しくゲームをやってると思います。私もそこに混ざれたらよかったんだけどダメでした。その友人の彼女も私と同じく消えたんでしょうね。ごめんなさい。あなたにこの本一冊しか残せなくて、そして『願いの形』を持っていたのに探させてごめんなさい。いっぱい嘘ついてごめんなさい。言いたいことはいっぱいあるけど、あと二つにしておきます。一つ目は、えっとパラレルワールドって分かりますか?とりあえず私はパラレルワールドで大嫌いな人に『願いの形』の『大嫌いな人の願いを二つ叶える』って使い方をしたんです。そしたら一つの願いで自分の願いを叶えた大嫌いな人は私に『パラレルワールドの僕にもう一度捜させなよ・・・。』とか無責任なこと言ってこの世界に飛ばしたんですよ?しかも未来が見える能力が付いた特典付きで!私、怒っちゃいました。怒鳴る相手が居ないのですぐにあきらめましたけど・・・。こんなイライラする話は止めにして二つ目にいきますね。二つ目は簡単です。この本を躑躅町があったところに捨ててください。お願いします。それと最後に・・・。』

ここで一旦終わっており、次のページに続いている。

『大好きでした。ごめんなさい。言う勇気なんて無かったです。by愛花』

たった一行だけ書かれていた。

“パタン”と本を閉じ、駅の目の前を通り過ぎると走り出した。

躑躅町は絆町から見える山の向こう側のダムに沈んでいる。

僕はあの夜、十二時ちょうどに躑躅町から出て、絆町の地を踏んだのだ。

振り返るとダムだった。さっきまで居た公園すら沈んでいたのだ。

後で聞いた話では僕は数カ月の間、神隠しに遭っていたらしい。

神隠しと言ってもただ行方不明になっていただけなのだが・・・。

しかも、警察や他の大人たちに躑躅町で暮らしててと、言っても信じてもらえず。

姉は生きてるし、縁はそもそも存在しないことになってるしで、一ヶ月くらいは夢なんじゃないかと疑い続けたのだ。

そんな今となっては懐かしい思い出になりかけていることを思い出しながらダムまでやってきた。

辺りはすっかり暗くなっており、水面には月が映っていた。

鞄から再度本を出すと、思いっきりダムに投げ込んだ。

「これでおしまい・・・か。」

そう呟いて少しの間、本が投げ込まれた場所を眺めていた。

波紋が消えるころ僕はダムに背を向けて元来た道を戻ろうと歩みだした。

その時だった。懐かしい声が僕を呼びとめた。

「おい、ちょい待ち!てか、投げ込むの遅すぎるぞ!皆こっちで待ちくたびれたんだからな!特に―――さんが!あ、ついでに―――も待ちくたびれてるってよ!」

その声に僕は反応して振り返るとダムから光が溢れ出ていた。

「早く来いよ!―――の犠牲を無駄にするなよ!」

僕は走って、思いっきり飛んだ。

皆が待つ光のむこうへと・・・。

誰かのネガイのカタチへと・・・。

僕は飛び込んだ。


えっとお久しぶりです。

楽しんでいただけましたでしょうか?

まぁ自分で読んで酷いの書いたなと思いましたが・・・。

とりあえず、今回で『ネガイのカタチ。』は終了となります。

・・・・・・が!

まぁ、前回と違って番外編はしっかり書かれているので、楽しみにしてもらってもいいのですが、あまり期待しないように・・・。

それでは今回はこの辺で、次回の番外編のあとがきでお会いしましょう。

では、しばしの別―――


このあとがきは白猫ノ夏がお送りいたしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ