序章
ネガイのカタチ。
この想いを空高く、君に届くと信じて待ち続ける。
いつまでも、いつまでも。
願いが届き叶うまで、いつまでも待ち続ける。
そして今日もまた願う、あのどこまでも続く空に。
願い続ける、いつまでも、いつまでも。
君が帰ってくる、その日まで、願い続けよう
そしてもし帰ってきたのなら、こう言って出迎えよう
「おかえり」
そしたら君は
「ただいま」
そう言ってくれるだろうから。
僕は願いながら待つ、君が帰ってくると信じて。
いつまでも、いつまでも。
序章 再会のカタチ。
季節は夏。
僕はいつものように休日を友人と過ごすつもりで自分の部屋で出かける準備をしていた。
「今日は新作のRPGの発売日、えっと・・・6000円くらい持ってけばいいかな?・・・あぁ!また1000円抜き取られてる!姉ちゃん・・・頼むから取らないで・・・」
そう僕は独り言とため息をつきつつ時計を見る。
9時30分・・・待ち合わせのゲーム屋までは走ればギリギリ間に合いそうだ。
視線を本棚に移す。僕は本棚の三段目の本を数冊抜き取ると床に積む。
そして本を抜いたところから四角い缶を取り出した。
貯金箱のつもりだが、姉からお金たちを守る為、今は殆どヘソクリと化している。
僕は貯金箱から1000円札を一枚抜き取るとそれを財布にしまい、貯金箱を元に戻して床に置いた本も本棚に戻す。
さぁ、行こう!と、思い立ち上がった途端チャイムが鳴った。
『お客さんがいらっしゃったぁ!お客さんがいらっしゃったぁ!』
「あー・・・またチャイムを変えたな姉ちゃん・・・親が殆ど帰ってこないからって・・・はぁ・・・」
また、ため息をつきつつ玄関へ向かう。
自分の部屋が二階にあるので階段を下りなくてはいけない。
いつもこの階段を踏む僕の足は重いのだけど、今日は何故か軽かった。
それが何故だか僕にはわからなかった。
玄関のドアを開けるまでは・・・・・・。
階段を駆け下り玄関のドアを開ける。そこには夏の日差しに負けないほどの白く明るい少女の笑顔があった。
「願いの形って言う本を一緒に探してくれませんか?」
「は?」
「願いの形を一緒に探してください!」
少女が頭を下げたところで僕にはさっぱり理解できないことが多かった。
ただひとつ分かったのは、この少女が可愛くて、とんでもなく・・・・・・
話す順番を間違えてることだけだった。
あ、ふたつだった。
一年とチョイぶりの小説でございます。
まだ序章ですので白猫のテンションはいささか下がり気味でございますが!
第一章では、というよりも!
第一章以降では、ヒロイン(?)と主人公を取り巻く人々が少しずつ壊れていきますのでこうご期待!
あぁ、テンション戻った!
このあとがきは白猫ノ夏がお送りいたしました。