かみさまのはなし
ぜんかいのつづき
「じゃあさ、神様っていると思う?」
「俺仏教なんで」
「仏様でもなんでもいいの!人間を超越した何かってこと!」
「神さま仏さま…まあいなくてもいいんじゃないですかね」
「そう?」
「信じる人は救われるとか言いますけど、いない方がとかよりはいてもいなくても人は勝手に信仰するので」
「そういうもんかな」
「そういうもんです」
「神様はね…いるよ」
「その心は?」
「善い神、悪い神は問わずとも存在するよ」
「へぇ…言い切るんですね」
「まあね」
「いやドヤじゃなくて」
「私は神に会ったんだ」
「自称神とかではなく?」
「まぁその可能性はある」
「偽物の神様に会ったなんて自慢になります?」
「偽物でも何でも神は神だよ。彼は確かに人を救ったんだ。彼に救われた者達はみな幸せそうだった」
「何かの新興宗教ですか?」
「今ならそういう呼ばれ方をしていただろうね」
「過去形ってことは今はもう無いんですか?」
「そうだね。彼はあの人たちの神だったけれど寿命には逆らえないはずだ。奇跡でも起これば別だろうけど…」
「自称でも神なら奇跡のひとつでも起こして見て欲しいもんです」
「奇跡…か」
幽霊はいてくれた方が助かる
神はいてもいなくても救われる
結局誰かに幸不幸の理由を押し付けたいだけだろ?