7話 一日の終わりを告げるMAGIC
それから、私もお姉ちゃんもお風呂入って、深夜の至福時間に烏龍茶を飲みながら二人で話していた。
「もし今日の出来事が昨日だったら、違う人のもとに行ってたよね。私に妹ができた感じだよ。嬉しい!」
「それはそうだよ。私だって嬉しい。で、これからのことよ。まあ、家は大丈夫だとしても、食事費とかがほんとに高くなるんだよね。しかも、勉強のおさらいもしなくちゃいけないし。だからさ、日々代わり番こでバイトしていかない?琴音もこれから一定期間部活が無いんだったら。それで、文房具とか、服とかを買っていこうかなって思うんだけど、どう?」
「わかった。まあ最近は短時間だけでも働けたり、飛び入り参加okのところも多くなってきたからありがたいよね」
「じゃ、そういうことで。貯金はどのくらいある?心花の服どのぐらい買えるかなって思って」
「あー、そ、それは明日、ね」
「わかった。無いのね」
「え!?なんでわかったの!?でも、完全にないわけじゃないから安心して。諭吉さんはいるから。流石にね」
「それなら全然いいよ。住民票とか転入申し込みとかした後に、しまむらに行こうかなって思ってるんだけど。文房具は......。私も使ってるし、琴音も使ってるでしょ?一式揃えないとだ」
「そんなに心配しないで!私、文房具コレクターなんだから!!そりゃ当たり前のように一式は二種揃えているよ」
「じゃあそれ使うか!心花がちゃんと使えるように、用品整理もしてね」
「わかってるよ。しとくから。じゃ、もう寝よ。おやすみ」
おやすみ〜」
用品整理っと。うん。シャーペンの芯づまりとかないし、消しゴムも消える、定規もガタガタしてない。付箋、糊、ボールペンもインクが出る、修正テープも残量はある。もう完壁だ。
「琴音ー!大事なこと忘れてた!」
「何?」
「小学校ってさ、ペンボーチじゃだめなんだよ!それに、シャーペン、ポールペンも持ってきちゃだめだったの思い出した!」
「そうだったね!忘れてた!えっと......筆箱もう捨てちゃったかな。鉛筆はあるけど、HBしかないよ。だめなんだっけ?」
「うん。できるだけ2BかBだった気がする。あとシンプルな?」
「まじか......。じゃあないよ。彩花は?ありそう?」
「いや、私もないから。シャーペンで統一しちゃってるからさ。買わないとだね。あ!!お道具箱一式......」
「それは先生と話を交わしてからでいいんじゃない?免除してくれるかもだし」
「そうだね......。給食袋は作ろう。まあ、覚えていてよかったよ。まあ、寝よ」
「は〜い。おやすみ」
え__?
ここ、城じゃん__!え??さっきまで部屋着で彩花さんの部屋を借りて寝てたのに。服も、ドレスだ......。
そういえばここは、大広間に繋がる通路だったよね。ここから先が大広間だから、クロレや御母様に会えるかもしれない。まっすぐに進む。あった。大きい扉。この先に御母様がいるはず。あとクロレ。扉を開ける。やっぱいた。
「クロレ__御母様......!会いたかったです!」
「おや、初めての顔ですね。貴方、誰なのです?」
え__??御母様、覚えてないの?心のガラスが粉々に割れ、ガラスーつーつがお米くらいの大きさになった。
「私を、覚えていないのですか......?モダンセストですよ......?」
「何を言っているのです?私の子はクロレただ一人。モダンセストなんて聞いたことがないわ。用がないなら、出て行きなさい」
「わかりました......」
「さっさと出て行けよ!!」
嘘でしょ。世界が違う......。この国は私がいない世界線になってしまったのだ__。信じられない。しかもクロレにもきつく言われてしまったし。落ち込むばかりだ。もう、ここには来ないほうがいいのか......な。