3話 初めての3人暮らし
今日は2話投稿です!
「ただいまー。琴音、いる?」
「おかえり、彩花。こんな遅くまで何してたの?また彼氏とデート?っていうかその子は?」
え、琴音って誰?聞いてないんだけど。
「あ、この子はね、デートの帰りに倒れてた子がいて......。まあ、話は後にしよう。心花、上がっといで。少し汚いけど、勘弁してね」
「いや今教えてほしいわ。新しい家族なんだったらそれはありがたいし。隠そうとしても無駄だよ??」
「分かった分かった」
めっちゃ混乱中。琴音さん、妹なんですか?てっきりこれから彩花さんと二人暮らしかと思ったのに。そう思いながらリビングに来た。テーブルが一つと、椅子が二脚。何か見たことないものまで置いてある。とりあえず座って話をしよう。
「あー、帰りにそんな事があったのね、なるほど納得」
私は何も喋らずにいた。なんか、琴音さんのオーラが凄い怖い。緊張して声も震えそうだ。
「そうなの。で、名前はこの子自身で決めてもらって、名字は同じ如月で和解したって感じかな〜」
「りょ。んで、名前はなんて言うの?『異世界からやってきた女の子』ちゃん」
「ちょ、琴音!それは言い過ぎだよ!」
「あ、ごめんね。気をつけるから」
「大丈夫だよ、琴音は少し調子に乗りすぎただけだから、気にしない、気にしない!」
「あ、ありがとう。」
やっとのことで声が出た。生きていることがわかって安心した。
でも、『異世界からやってきた女の子』っていうのは間違いではないから。琴音さんも慣れていけばいけるかな。
「私はモダンセスト・ラミリース、又の名を如月心花と言います」
「やっぱ、王国の子って本名長いよね。でも私、みはなちゃん、気に入ったかも。大丈夫だよ。心花、秘密は絶対に何があっても守るから。あと、心花も如月家の一員なんだから、タメ語で楽しく話そうよ!あ、そうだ。彩花、小学校には通わせなくていいの?」
「小学校とはなんですか......?」
「小学校はね、この国で、6〜12歳の子が通う学校だよ。彩花から聞いた話だと、小3に当たるから、通ってもいいんじゃないかなって思うんだよね。ま、個人の判断にも任せるけど。でも、義務数育だからねー。あ、義務教育は、さっき言った小学校に合わせて中学校っていう3年間を合わせた9年間のことを言うよ。でもほとんどの人はこの先の高校、大学まで行って、最終的に働くんだけどね。私はいま高校2年で、彩花は大学2年。あ、もうこんな時間!彩花と心花の晩御飯出すね!ちょっと待ってて!」
たしかに、お腹すいたなー。今日の晩御飯は何だろう?流石に豪華じゃないことは承知済み。んー。ハンバーグ食べたい。
しばらくしてごはんが食卓に現れた。が、見たことがないものだ。なにこれ?
「琴音さん、これなんですか?」
「あ、これ?旬の野菜を使った天ぷら蕎麦。せっかくだから、日本食でおもてなししようと思えば完壁。美味しいよー」
「いただきます!」
お箸は前の世界でも使ってたから、余裕だ。まずは蕎麦をいただきまーす。!?この細いやつ、麺って教わったけど、この麺、もちもちしてて美味しい!しかも、つゆ?だっけ、のさらっとしてるのに絡んだらまた味が変わって最高だ!!
「琴音さん!これ美味しいよ!!前はね、ハンバーグとかカレーとか食べてて、どれも美味しかったんだけど、この蕎麦、今までで一番美味しい!!」
「よかった。天ぶらとバランスよく食ベてね」
「あ!!忘れてた!!」
ぺろりとほとんど食べちゃったよ。だって、お腹空きすぎて、とてつもなく美味しいもの出してくれたら、ね?
「実はね、この蕎麦、私の大好物なんだ。他にも季節によって天ぷらの食材が変わるし、そこが良いところよね。でも、私の本当の大好物は炊
を込みご飯。全部美味しいよ、心花」
へぇー。彩花さんの大好物か。納得。さて、天ぷらはどうだろう。これ、なす?なすの旨味とこの衣の相性がめっちゃ最高すぎ!!あと、隠し味になにか入ってる.…..なんだろう。少ししょっぱい。
「ごちそうさま!めっちゃ美味しかった!」
最終的に彩花さんと天ぷらをおかわりして、満腹になった。もう最高だ。
「琴音さんは何食べたの?」
「ん、私?私は普通に同じやつ。自分で言うのもあれだけど、美味しかったよー。とりあえず今日が金曜で良かったよ、まったく。昨日とかだったら精神終わってたもんなー」
「まあ、あなたはそうなるでしょ。早く大学に行ったほうが楽だよ?彼氏できるかもだし」
「ううっ、彼氏欲しいよ......」
彼氏??彼氏ってなんだ?でもなんかこれに関してはなぜか聞かないほうがいい気がする。なぜかそんな気がしてしまった。