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第8話 幕間~その頃のワルジール魔法学校②~

今回も幕間です。

いわゆる後編です。

「やはりそういう事ね。 私も同じ考えよ。 それであるモノとは【ギャザー】対策かしら?」


「ああ、図書室で強制的に術者の周りに引き寄せる魔法を無効化する魔法を見つけて、それをこっそり練習したんだ。 その魔法の名前は【アンチ】」


「なるほど、よく見つけたわね」


 キルスが会得したモノは、教師陣などが使っている強制引き寄せ魔法【ギャザー】を無効化する【アンチ】という魔法。

 彼はこれが記載された本を図書室で見つけ、それを記憶してからこっそりと練習をしていたようだ。


「この魔法は他人にも同様の効果を与えられるから、まずは君にも掛けておくよ」


「ええ、ありがとうね」


 キルスは早速ルリルラに【アンチ】の魔法を掛ける。

 どうも他人にも【ギャザー】の効果を無効化できる効果が与えられるらしい。


「まず私達の【ギャザー】対策は万全ね。 で、両親とかには連絡する?」


「俺はやっておく。 俺の親父は国の重役だからな」


「私は学費が安いからここにしただけだしね。 両親には説明しておくわ」


 キルスの父親が国の重役を務めているので、報告はしないといけないようだ。

 ルリルラも両親には説明しておくと言った。

 どうも学費が他より安いことが理由だったようで。


「しかし、主席ならびにナンバー2の私達が退学になれば、大騒ぎになるわね」


「ああ、学校の……今の校長の威厳が落ちる事は間違いないだろうな。 それに、今の学風に不満を感じる生徒も続くはずだ」


「まずはその子達に声を掛けておきたいわね。 リストはあるかしら?」


「もちろんだ。 俺の従者がこっそり調査してくれてな。 ほれ」


「全体の一割五分ね。 それ以外は今の校長の思想に染まってると」


「まずは、その一割五分の生徒たちに声を掛けると同時に【アンチ】の魔法も掛けておくさ」


「念のためにね。 じゃあ、まずは両親に報告しましょうか」


「ああ」


 ひとまずのプランを決めたキルスとルリルラ。

 まずはそれぞれの両親に報告をしてから、キルスの従者がこっそり調べた現校長に不満を抱えている生徒に声を掛ける事にする。

 

 この二人が退学に向けた行動を起こした事で、ここ【ワルジール魔法学校】は崩壊の足音を立てていく事になるのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 その一方で、校長室では……。


「やっと無能の女を退学に出来た。 国も何を考えて最低1年間を在籍させるのだ」


 現校長のフリスク・ワルジールは、アリスを退学させることが出来たことで安心感を得た。

 彼は無能と扱ったアリスを最低1年間在籍させないといけないという国のルールに不満を抱えていた。


「我が学校には生まれつき高い魔力を持つ者こそ優秀! 努力など無意味なのだ! ハハハハ!!」


 赤ワインが入ったグラスを手にフリスクは高笑いをする。

 しかし、この時の彼は知る由もなかった。

 彼のお気に入りの主席たちがこぞって退学に向けた準備をしている事に。

 

 さらにそこから派生して調査の足音が大きくなっている事に……。



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